プロローグ
一人に魂というものはあるのだろうか一
一もしあるのだとしたら、それはどんな色、形、大きさ、感触、をしてるのだろうー
ーやはり、マンガに出てくるみたいに、綺麗で、そして、美しいのだろうかー
ーそれとも、これまたマンガみたいに、白い丸い、ほんわりしたものなのか、もしくは悪役からでてきそうな黒く歪んだ形なのかー
ー果たして、どんなものなのだろうー
ーそれとも、やっぱり、魂なんてものは人々の作り出した幻想なのかー
ー考えたことはないだろうかー
ー魂が抜けると、人は、死んでしまうのだろうかー
ーもしくは、死ぬと、魂が抜けるのだろうかー
ー考えたことはないだろうかー
ー人の本質と呼ばれるものは魂にあるのだろうかー
ー魂が抜けると死ぬのか、それとも心ここにあらず、というよな息をしているだけのものになるのだろうかー
ーもし、もしだ。魂を取り戻せたら、どうなのかー
ー息をできないまま、意識だけはー
ーそんな恐怖体験とも言えることはー
ー考えたことはないだろうかー
ー何度も言って申し訳ないが、もし、マンガのように魂と会話できて人を救うようなことはー
ーできたら、それは、どうなのだろうー
ーいいのか、悪いのかー
ーだって、やっぱり、魂だけが、そこにあるというのなら、その人の身体は、ー
ーそんな人の、人だったものの、魂が、あると知って、残された人は、ー
ー魂だけを救って、そしてどうなるんだー
ー召されるのか?ー
ー魂が浮遊しているだけならまだいい。そこに意識があるとー
ーそうまでしてそこにいて本当にその人は本当にー
ーそんな簡単にー
ー救われるのか?ー
ー救われないとしか思えないー
ーだって誰だって、多分、心の奥では、死にたくなんかないだろうー
ーそれなのにー
ーそれなのにー
ーそれなのにー
ーあっさりと、消し去ってしまうのか?ー
ー考えたことはないだろうかー
ーもし、消えたい、消えなきゃならないのに、そこにそんな何かがいるならー
ー送ってやるべきなのかー
ー消し去ってしまうべきなのか?ー
ーこれは、そんな魂をめぐる人々の物語ー