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ラスティア群像劇外伝~宮廷料理人ディアーの奇想天外レシピ~  作者: niseimo38


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4/4

04、これは手抜きか? ちょい足しか?~カップ麺との出会い~

筆者執筆

マウニア「ディアーさん、市場でこんなの売ってたんですけど、どう思いますか?」

唐突に聞かれたディアーは仕込みの手を止めてマウニアの方を見る。

ディアー「なんだ、これ? カップ麺? 何だこりゃ?」

マウニア「私にもよく分からないんですよ。なんでもお湯を入れるだけでラーメンが出来るとか」

ディアー「へえ。どういう仕組みなんだろうな。というかこれゆがみ利用品じゃねえか! オーバーテクノロジーだよそれ。多分こっちじゃ再現できないやつ!」

大げさにのけぞるディアーにマウニアは苦笑しながら返す。

マウニア「あーだからでしたか。お湯だけでラーメンなんてできるわけないですもんね」

ディアー「まあ面白そうだから実際作って見ようぜ。お湯だけでラーメン出来たらそれがあった世界のすごさが分かるってもんだし」

好奇心を抑えきれないのか、ディアーはそう言うとお湯を沸かしに厨房へと向かった。


――カップ麺(商標の都合のため商品名は表記せず)の作り方――

1、カップ麺の蓋を開けて中にある袋を全て取り出す。

2、袋のうち、お湯を入れる前に入れる物があればカップ麺の中に入れる。

3、お湯を注ぎ蓋を閉じて3分間待つ。

4、蓋を開け後入れの袋を取り出しカップ麺に入れて完成。


ディアー「これ考えた人すげえな。時短ってレベルじゃねえぞ……」

マウニア「3分って、普通だと1品作るのも厳しいですよ、普通」

ディアー「なんにせよ、これで完成か。どれ、ちょいと試食」

ディアーは出来上がったカップ麺をすする。

ディアー「……ふむ。これは、塩ベースだな。あと魚介の味がよく染みてる。具材もよく見ると小さなエビとか入ってるな。ただ、ちょっと味が濃いな。塩っ気が好きな人はいいだろうけど、こればかりだと、塩分過多になりそうだ」

マウニア「私も一口いいですか?」

ディアー「ああ、いいぞ」

マウニアもカップ麺を一口いただく。

マウニア「……うん。美味しい。うま味もありますね。あと塩と油でパンチ力もある。たしかに、これは味が濃いのが好きな人向けですね。薄味に慣れてる人だとちょっと濃すぎるかも」

ディアー「だろ? そうだなあ、薄まるわけじゃないけど、アレンジするならこれを足してみるか」

マウニア「それは、ごま油?」

ディアー「ああ、この塩味ならごま油の香りと相性が良さそうだ」

カップ麺にごま油を少々いれて、再度口に運ぶ。

ディアー「……うん、さっきより少し深みが出たな」

マウニア「私もいただきますね」

マウニアもそれに続く。

マウニア「……たしかに、パンチ力が上がってますね」

ディアー「まあなんにせよ、お湯だけで3分で出来ることを考えたらすごい品だよ。味は百点ではないけど、時短したい時って味より早さだからな。その点で言えばむしろ大正解と言える」

マウニア「それに手間がかからないのも魅力の一つだと思いますよ。お湯を注ぐだけって、料理を考える手間を全部省いてますから。疲れてる時とか料理が億劫な時にもってこいですね」

ディアー「ところで、マウニア」

真剣なまなざしでディアーはマウニアを見る。

マウニア「はい、なんでしょう?」

マウニアは不思議そうに問い返す。

ディアー「お前、これ間接キスになってるの気づいてるか?」

マウニアはディアーを見て、カップ麺を見て、事態を悟ったのか、顔が一気に紅潮する。

マウニア「え、ちょ、は? いや、そのしたかった訳ではなく、気づかなかったというか、でも嬉しかったとかそんなんでもなく、ああもう、変なこと言わないでください!」

ディアー「ちょ、悪かった! 悪かったから盆で叩くなって!」

マウニア「もう!」


少し塩味が甘くなった空気が、夜の宮廷調理場に広がったのだった。


というわけで、今回はカップ麺のお話でした。皆さんは何の商品か、もうお分かりですね?

実際カップ麺って、その技術がないところからしたら魔法みたいに見えますよね。

そしてディアーさん、最後の発言はちょっとデリカシーにかけてるぞ?

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