03、ちょっと気軽にまかない飯~お手軽玉子炒飯~
筆者執筆
ディアー「ふう、今日も無事終了、と」
割烹着を脱ごうとしたところで給仕が挨拶をしに訪れる。
給仕「おつかれさまです。最近噂になってますよ。新しく来た人の料理は美味しい、て」
ディアー「それは料理人冥利に尽きるってもんだね。ところで、マウニアさんは食事摂った?」
給仕――マウニアは少し恥ずかし気に答える。
マウニア「いいえ、まだなんです。給仕の仕事に追われて休む間もなく……」
ディアーは少し思案しこう言った。
ディアー「この後は空いてるかい?」
マウニア「はい。私も一通り終わりましたから」
ディアー「よし、じゃあ軽く何か作るよ。俺の分もあるしね」
マウニアは目を輝かせる。
マウニア「わあ、ありがとうございます! 何を作るんですか?」
ディアー「そうだなあ。ご飯が少しあるから炒飯でも作るか」
――今日のまかない、お手軽玉子炒飯――
1、牛脂を中華鍋に入れて火を入れ馴染ませる。
2、溶いた卵4個を鍋に入れ、塩少々、コショウ少々も加えてよくかき混ぜる。
3、卵が半熟になったらご飯を入れる。
4、鍋肌に押し付けてほぐす、を繰り返しながら手早く炒める。1分半~2分ほど炒める。
5、鶏ガラスープ20mlを加える。
6、水分を飛ばして塩コショウで味を整える。
7、鍋肌にごま油を少量入れて香りを立たせる。
8、お更に盛り付けて最後に小口ネギを乗せたら完成。
ディアー「ま、こんなもんでいいか」
マウニア「わあ、簡単なのにいい香りがしますね」
ディアー「最後にごま油を加えたからな。今回は卵多めにしてあるよ。マウニアさんは普段よく動くからタンパク質多めの方が良いと思ってね」
マウニア「お気遣いありがとうございます」
ディアーは今度こそ割烹着を脱いで厨房を出る。
ディアー「さて、いただくとしますか」
マウニア「はい、いただきましょう」
食堂の角でディアーとマウニアが並んで座る。
ディアー「いただきます」
マウニア「いただきます」
ディアー、マウニアが炒飯を一口食べる。
ディアー「うん。まあ賄いならこんなもんでいいでしょう」
マウニアも頷きながら答える。
マウニア「そうですね。あっさりとした塩味とコショウのパンチ、ごま油の香りに玉子のふんわりとした食感。それにご飯がパラパラですね。すごく炒飯感があって良いです」
ディアー「鶏ガラスープを少し加えただろ? あれで焼いて固くなったご飯をふんわりと戻せるんだ。あとは卵が半熟の時にご飯を加えたんだ。それで卵に含まれてる油分がご飯全体にまとわせられるんでパラパラに仕上がる」
感心したように目を開けるマウニア。
マウニア「流石細かいところまで気を付けてますね」
ディアー「最大の特徴は調味料以外に必要なのが卵とご飯だけという点だ。今回は最後にネギを置いたがなくても充分一品として通用するはずさ」
マウニア「ですね。凝った料理ではないけれど、手軽に作れるのが魅力です。今度私も作ってみようかしら?」
同意しながら今後の展望も見てマウニアは言う。
ディアーは少し口角をあげて応答する。
ディアー「そんときゃ俺が味見してやるよ」
少し困りながら冗談めかして、
マウニア「えー? 厳しく採点されたら落ち込んじゃいますよー?」
と続けた。
それを笑って引き継ぐ。
ディアー「ははは! 大丈夫! ポイントだけ教えて後は美味しくいただくからさ」
マウニア「ありがとうございます。暇な時があったら作ってみますね」
ディアー「ああ、楽しみにしてるよ」
宮廷料理は華やかだが、裏では手軽に楽しむ料理も作っている。
水面の下は思いのほか自由に泳いでいるのかもしれませんね。
というわけで、今回は炒飯回となりました。これに、粗みじん切りにしたネギや、細かく切ったハム、チャーシューなどを加えるとより美味しくいただけます。また、鶏ガラスープを用意できない場合は水でも代用できます。その時は塩で味を整えると美味しく仕上がります。卵もお好みの数で大丈夫ですよ。
あなたもこれを見て炒飯を作ってみてはいかがでしょうか?




