02、今日はちょっぴりスパイシーな気分~英国式チキンカレー~
筆者執筆
ディアー「ん? まだ暗いな……」
起きて時計を確認すると、時刻は午前3時。窓の外はまだ暗闇に覆われている。
ディアー「さて、と。早起き組に合わせて厨房に向かう準備をしますか」
ディアーは寝間着からさっと普段着に着替えて包丁の入った鞄と割烹着を持って厨房へ向かう。
身支度を整え早速料理へと取り掛かる。
ディアー「今日は……と。なるほど、昨日鶏肉が大量に入ってきてるのね。それなら、これかな」
――ちょっぴりスパイシーな英国式チキンカレー――
1、鶏もも肉には塩、コショウを少々、カレールゥを細かく砕いた粉をまぶして下味をつける。
2、ぶなしめじは石突を落とし食べやすい大きさに、玉ねぎは薄切り、ニンジン、ジャガイモも一口大に。
3、鍋を熱して牛脂を少量入れ馴染ませ、弱火にしてバターを溶かす。
4、ソース用玉ねぎはみじん切りにして鍋に入れて焦さないように混ぜながらあめ色になるまで炒める。
5、セロリを入れさっと炒め、薄力粉を加え炒める。その後細かく砕いたカレールゥを混ぜ込む。
6、ウスターソース、チリペパー、鶏ガラスープを入れとろみがつくまで煮たら日から降ろす。
7、フライパンを熱して牛脂少量を馴染ませ、中火にしてみじん切りにしたにんにく、しょうがを炒める。
8、香りが立ったら鶏もも肉を入れて表面に焦げ目がつくまで炒めたら別の鍋に移す。
9、玉ねぎ、にんじん、ジャガイモ、ぶなしめじを炒めて鶏もも肉が入っている鍋に移す。
10、赤ワイン、鶏ガラスープを入れクミン、ガラムマサラ、チリペパーを加えて煮込む。
11、灰汁を取り弱火にして鶏肉に火が通るまで煮る。
12、3~6で作ったものと合わせて20分ほど煮込み、塩、コショウで味を整える。
13、お皿に盛りつけてご飯を用意したら完成。
起きて間もないのか、目をこすりながら連狼がやってくる。
連狼「おはようなのじゃ……」
ディアー「ああ、おはよう。もうすぐ完成するぞ」
連狼「スンスン。何やら良いにおいがするのう」
ディアー「今日はカレーだ。少し辛口に仕上げてるからレン嬢も美味しく食べられると思うぞ」
連狼「それは素晴らしいのう」
身支度をしっかりと整えたフェイが食堂に現れる。
フェイ「おはようございます、レン嬢」
連狼「おお、フェイか。今日はディアーが”かれえ”なるものを作ってくれたそうじゃぞ」
フェイは口角をわずかに上げて言う。
フェイ「ほう、カレーか。当然辛口にしてるんだろうな?」
ディアー「この宮廷は辛党さんが多いので、辛口に仕上げてあるっすよ」
フェイ「ふっ、流石だな」
フェイは満足げに頷いた。
ディアー「よし、出来上がりっと。まずはご飯からだ。公国産のお米を使わせてもらったぞ。炊くときにみりんを少し入れてあるから臭みが消えてるはず。カレーは別皿でご飯にかけて食べるといいぞ」
連狼「おお! 何と良い香りじゃ!」
フェイ「早速いただくとしよう」
二人はカレーを口に運ぶ。
連狼「おお、これはとても良い味付けじゃ! ガツンと来るスパイスの味がたまらないのう」
フェイ「うむ、カレーもとろみがありご飯ととても良く合う。ご飯も独特の臭みがなくて食べやすい」
ディアー「今日はカレールゥを刻んで入れたけど、カレー粉でも代用できるっす。その場合はとろみをつける薄力粉の割合を調整するといいっすね」
連狼は感心したようにディアーを見る。
連狼「ほえ~、いろいろ工夫しておるんじゃのう」
フェイ「そういえば、辛口にした、ということは、辛くしないこともできるのか?」
ディアー「はい。今回はスパイスにチリペパーを使ったんすけど、これを他の香辛料に変えたら味わいが大きく変わるっす。まあどう変わるかはこれから試しますけどね」
フェイは感心した様子でつぶやく。
フェイ「ふむ。料理は奥深いのだな」
ディアー「さて、と。カレーは大量に作ったから大丈夫、と。もし菌の繁殖が気になるようなら鍋を冷水などに浸して早めに冷まして密封できる袋などに入れて冷凍するといいっすよ。この世界はマナの影響で菌がそんなに活発じゃないからそのまま鍋に入れっぱなしでも大丈夫っす」
給仕長「なるほど。そのような方法もあるのですね。参考になります」
ディアーは真剣なまなざしになって続ける。
ディアー「あと、匂いが変だったりしたらもったいなくてもちゃんと捨てなきゃダメっす。食材が無駄になるのはたしかに辛いけど、それでお腹を壊す方がもっとダメっす」
給仕「分かりました。気を付けますね」
ディアーの作ったカレーは宮廷内で大賑わいだったそうな。
辛党には嬉しい、ちょっぴりスパイシーなカレー。是非ご賞味あれ。
今回はカレー回です。かなりいろんな行程を挟んでますが、牛脂をサラダ油に変えたりすればご家庭でも試すことが出来るようになっています。セロリも無理に買わなくてOK。
シンプルに作っても美味しいのがカレー。でもちょっとひと手間加えると格段に美味しくなりますよね。




