ナバタの思い
今日は雨が降ってる。いつものように日差しで目が覚めなかった。日曜だしいいけど。その時ナバタの部屋から怒鳴る声が聞こえた。「わかってるから!いい加減にしてくれ!」私はナバタの部屋に向かった。ノックをしてもナバタの返事がなかった。私は扉に手をかけて部屋に入るとナバタは目を伏せていた。「ナバタ?どうしたの?」「里見…」ナバタの目は涙が溜まっていた。その瞬間ナバタに抱き締められた。「ちょっとやだ!」振りほどこうとしても振りほどけなかった。「しばらくでいいから…このままで…」「ナバタ?」しばらくナバタに抱き締められた状態でいた。「ごめん…急に抱き締めて。」「何かあったの?」「今日雨だろ?」「それが何?」「母さんが泣いてるらしいんだ。」「母さん?」「まぁ向こうの世界ではみんなの母さんなんだけど…」「なんで泣いてるの?」「今使いの天使が来てさ。早くしろって。」「何を?」「俺は人間界に降りて人を幸せにすることで成長する。幸せが多くなって条件…こっちではノルマみたいなのを達成しなければ帰れない…」「それとなんの関係があるの?」「俺は一か月一人を幸せをするそして一か月過ぎたら別の人を幸せにするためにその相手と離れる。その時記憶を消すんだ…」「じゃあナバタはもうすぐいなくなるの?」「いなくなりたくないんだ…里見のそばにいたい…それを言ったら母さんが泣いた…俺はいつも落ちこぼれで他のやつが神様になっても俺はずっと残ってたんだ。やっと人間界での修行を出来るようになった…」ナバタは唇を噛み締めて「わかってるんだここにはずっといちゃいけないってだけど…」ナバタがこんなに辛そうなのは初めてだった。いつもニコニコしてるナバタじゃなかった私は気がつくとナバタを抱き締めていた「里見…」「ナバタはどうしたいの?神様になりたいんでしょ?」「なりたい…でも里見が心配なんだ…」「私が?」「俺と出会った頃すごく悲しそうな目をしてた。今だってそうだ…俺は里見に幸せになってほしい…笑ってほしいんだ。天使に言われたんだ…」「何を?」「お前は里見を好きだから自分が幸せにしたいって思ってる…それじゃ意味がないって…」「ナバタが私を好き?」「俺…最初は里見が幸せになるならいろんなことしたいって思ってた。だけどいつのまにか俺が幸せにしたいって思うようになったんだ。」ナバタが私を?でも私は…少しうつむくと「わかってるから里見の気持ちは…」「ナバタ…」「一人にしてくれないか?少し考えたいんだ。」「うん…」私はナバタの部屋から出た、ナバタが元気になって向こうの世界に戻るには…私が幸せになればナバタは納得するの?でもどうしたら…考えてるとふいに先輩の顔が浮かんだ。先輩はナバタの正体も知ってる…だったら相談してみよう。私はリビングに向かい電話を取った。初めて男の人にかけるからすごくドキドキする。私はダイヤルを回した。何回かなった後先輩の声が聞こえた「もしも~し誰?」「あの…里見です。」「へ?」「あの…」「さっ里見ちゃん!」次の瞬間すごい音が受話器の向こうから聞こえた「いて~!」「先輩?大丈夫ですか?」「大丈夫、大丈夫で?どうしたの?里見ちゃんから連絡なんて珍しいから。なんかあったの?」「先輩に相談があって…今から会えますか?」「もちろん!近くのファーストフードで待ってるね。」「はい…」私は部屋に戻って支度をした。ナバタの部屋に向かって「少し出かけてくるね。」ナバタの返事は返って来なかった…私は先輩の元に向かった。先輩は窓際の席にいた「先輩…」「里見ちゃんそこに座って」「はい…」私は向かいの席に座った。「で?なあに?相談って。」私はナバタのことを話した。先輩はじっと聞いてる一通り話した後「そっか…あいつ悩んでんだな…」「はい…私なんとかナバタが安心して戻れるようにしたいんです。」「優しいんだね」「優しくなんてありません。」「里見ちゃんが幸せそうに笑ったらナバタは安心するのかもね。」「でも…どうしたら…」「里見ちゃんが抱えてる悩み全部話して…」「え?」「一つ一つ解決したら幸せな笑顔になれるよ…」先輩はじっと私の目を見ていた。「逆になったな?」「え?」「里見ちゃんは覚えてないかもしれないけど俺小学校の時里見ちゃんに会ってるんだ。」「私と?」「うん。小学校の時さ俺いじめられてて校舎の隅で泣いてたら里見ちゃんがいてさ。泣いてると幸せ逃げちゃうよなんて言って飴玉くれたんだ。その飴すごくおいしかった。それから頑張って笑うようにしたらいつのまにか誰もいじめなくなった。魔法だって思ったよ。覚えてないかな?」「ごめんなさい…」「いいよ。今の里見ちゃんは昔の俺にそっくりでさすごく気になってたんだ話す機会いつも考えてた…ナバタきっかけかもしれないけど俺は感謝してる。君と話せたから。」先輩はじっとまた私を見つめた「少しづつでいいから話してほしいんだ。ナバタもそれを望んでるならなおさらさ。」「でも…」こんな惨めなこと話したらきっと…「里見ちゃん?もし言ったから俺が里見ちゃんを嫌いになるとかそんなこと考えないでさ俺は軽蔑したりしないから。」「先輩…」勇気をださなきゃナバタのためにも…私はポツポツと先輩に今までことを話たいじめられてること親がなんにも関心ないこと話してるうちに涙がこぼれた。拭ってもどんどんあふれてきた。先輩は黙ってじっと聞いてくれた。そして頭をなでながら「よく頑張ったね…」と一言言ってくれた先輩がしばらく頭を撫でてたとき先輩の携帯がなった。先輩はそれに出た。私の方を見て「今から来い!」誰かにそう言っていた。「先輩?」「すぐわかるよ。」しばらく黙って飲み物を飲んでると喫茶店の扉が開いてナバタが入ってきた。「ひろし!こっち!」先輩はナバタを席に呼んだナバタは少し辛そうに席に着いた「なんだよ翔…」「里見ちゃんから聞いた。いつまでなんだよ期限?」「今月までだ。」「じゃああと一週間ってとこか。」「で?なんだよ。」「お前は里見ちゃんが幸せになれないからそばから離れられないんだよな?」「ああ…」「見てろ?この一週間で里見ちゃんが幸せそうに笑った姿をお前に見せてやる!」「は?」「お前がいなくなっても大丈夫だって思えるようにしてやるから!」先輩はナバタに向かって指を指しながら言った。私とナバタはあぜんとしていた。




