episode4:
「あーっ、頭クラクラする。」と私は独り言をこぼした。
家のドアを開ける度、1週間に3回ほどの頻度で感じていた。
今朝のニュース:
「男女、年齢問わず只今”イチゴの波”が観測されています。」「政府は警戒レベルを11段階にわけ、かく都道府県別に勧告を出しています。当局では番組ホームページ、スキャット欄から確認できます。またはリモコンのEボタンから.....」
そういえば今朝は何やら不穏なニュースを目にした。
次の日会社に出勤し、同僚のジンブにも今年の波について話してみた。
「昨日のニュースは不穏だ。」
「誰かが茶にエクストラを浮かべたのだろう。」
根っからの理論家である彼らしい意見。
「その茶は褐色から、急ぎ色に変化しなかったか?」とジンブ。
知らん。
と言いたいとこだが、
「そうだな、意識の会館に行ったら確認できるかもな。」
ややアナログな方法だが、ここ最近確認できるようになったのは事実だ。
「3日半経ったら行ってみるか。」
当日、ジンブの誘いに乗った私は会館に身をよこしていた。
「もう当日地点か。まったく。君はいつもその場主義だよな。」と口をこぼす。
「デザイン的じゃないな。余白を持たせるのが我々、行動プロダクションのモットーじゃないか。」
「波も重要だよ。扇風機のリズム風のように、強弱から波は生まれる。」ジンブが反証する。
「ふむふむ。」私は軽くあしらう。
会話はこれくらいにして、会館に靴先を向ける私たち。
ただ、その道中でスモモの波がやってきたと報じられた。