言葉が落ちていく
光の落ちた商店街の端に
野良猫の鳴き声と
廃れた店構えのスナック
外にはビールケースが二つ並び
一升瓶のケースが体育座りしながら
隙間から夜空を見ている
冬の冷たさが過ぎ去ったから
中途半端な冷たさの風が
真冬以上に冷んやりと感じる
汚れた感情に染み入ることで
人々の足取りを速くさせているようだ
打つかる必要性の無い人間が
ニュースに掲載されては
世の中の興味を引き
善悪を混ぜ合わせる外側の目は
混沌の意味合いと厨二病の形を
時間軸の外側にZを置くように
美談の成れの果てまでも
飯の種に変えてしまう
大切さは大切としてマイナスを超えて
言葉が落ちていく
言葉が堕ちていく
人に代わりロボットになっていく
不必要な人材が増えていけば
仲間の価値も変わる
友情も愛情も
自分にとって
必要であるかで判断するなら
人一人が必要な人間は少なくなる
それ以外は迷惑になるのだ
要らない人が社会的に増えるなら
支える人間が必要になることを
その人一人は忘れているのだろう
税の値段が高いのは
人一人の人権の値段になっている
普通に生活をしていながら
普通が分からなくなる人が居るが
普通というのは複合して平均化した
とりあえずの値だろうから
普通とは違うもの探す方が
宇宙空間で物を探すくらい
本来なら難しいことである
普通ではないという普通が
回転寿司に並んでいて
一皿が同じ値段であるみたいな
非常に滑稽な価値観である
恋愛も休日も暇も人生の最後も
廃棄されていく
言葉が落ちていく
言葉が堕ちていく