表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/22

五話 事件はおまけ要素が重要

@悟視点@


えーっと、何故か普通は来れない未知の破れ目。そこに入ってきた少女の正体は何なのか?あと、魅異はもう帰ったぞ。


「一人どころか、二人に入られるとは」


微妙に悔しそうだなぁ、衣宵。敵ながら同情するよ。


「それで此処は何処かな?」


「それ以前に、何処から何処に向かおうとしてたんだ?」


とりあえず尋ねてみる。これが分かれば俺も出られるかもしれない。


「その前に名前を教えてよー。知らない人は全員敵だって言われてるから」


「極端だな!?…俺は雷之 悟で、こっちは衣宵だ」


「ってか、私との勝負は?」


そんなものは後回し。出来れば、雰囲気を変えて勝負をしないで脱出するか。


「あ、苗字が同じだねぇ。私は雷之 希求って名前だよ」


希求か。………お、妹発見!


「希求、お前は俺の妹だぞ」


「そうなの?それなら私の問題に答えられるかなぁ?」


「一般的なレベルなら解けるが」


だが、凄い知識があるわけでもないからなぁ。


「第一問、特星で一番弱そうな名前は何でしょう?」


いきなり大雑把な問題だな、オイ!


弱そうか強そうかは人それぞれだけど、普通に考えられるので良いか。


「それは当然スライムだろ」


「ハズレー!」


くっ、違ったか。


「衣宵、分かるか?」


「私も参加するのか?そうだな、今年の魔王の名前が弱そうだったぞ」


「正解っ!」


名前言ってないのに良いのかよ!?


ちなみに前に思考内で話したが、特星の勇者や聖王や魔王は年に一回代わる事が有るぞ。まぁ、よっぽど駄目な奴じゃない限りは、代わる事がないが。


「ってか、名前とか分かるか?スライム以下の名前って気になる」


「確か雑魚ベーとかいう名前だったな」


雑魚ベーかよ!?アイツ、魔王の職業になったなんて言ってなかったぞ!


「って、希求は雑魚ベーの事を知ってるのか?」


「うん、前に特星に迷い込んだ時に抱きつかれたよ」


相変わらずな奴だ。特星じゃなければセクハラだぞ。


「確か、宿敵に気付かれないように、ロリコン帝国を築きあげるって言ってたな。テレビでモザイクなしに」


その時点で気付かれるだろうがっ!


………いや、気付かなかったけどさ。


「それでは〜、第二問!さっきの話で特星に迷ったって言ったけど、何処に行こうとして迷い込んだでしょうか?」


もはや、勘でしか答えられないだろうがっ!


「えーっと、ダンボールの城?」


「惜しいけど、ハズレだねぇ」


惜しいのか?それなら砂の城とかも有り得るな。


「これは簡単だ。答えはトイレだな」


「大正解〜!凄いね衣宵ちゃん!」


「衣宵………ちゃん?」


衣宵がちゃん付けに戸惑ってるのは置いといて、ダンボールの城で惜しくて、何でトイレが正解なんだ!?


「なぁ、ダンボールの城のどの辺が惜しかったんだ?」


「存在価値が同じレベルだからだと思うぞ」


「うんうん、まったくその通りだよ」


明らかにトイレの方が重要だと思うが。


「何故なら、ダンボールのお城は子供の夢!その存在価値はトイレにも匹敵するのだよ!」


「嫌な子供の夢だな、オイ!ダンボールの城を夢見るくらいなら、普通の城を夢見た方が良いって!」


「甘いぞ。普通の城には地震の耐久性が少なく、大地震と共に夢は崩れ去る。だから、地震で崩れないダンボールの城の方が良いだろう。無料で見つける事が出来るしな」


これは二人のボケなのか?それとも本気でそう思っているのだろうか。


本気で言っているのなら、子供に夢を持たせたい親は非常に複雑である。場合によっては、ダンボールの城を本気で作り出すかもしれない。


もしも、ダンボールの城が普通に作られるようになったら、恐ろしい時代の幕開けとなる事が予想される。


「では、第三問!私の能力は何だと思う?」


「何かが凄い能力だな」


衣宵が先に答える。だが、そんな答えで正解な筈がない!


「正解ー!」


「正解なのぉっ!?」


意外な返答に俺の脳内ツッコミが炸裂中。容量が大きすぎるから思考には出さないが。


「何故なら、私はどんな能力か聞いたのじゃなく、どんな能力だと思うかを聞いたんだよ。だから、予想を言えばそれで正解なの」


酷いクイズだこれは。


「これは嫌がらせか?俺に対する嫌がらせなのか?」


「子供の遊びを本気にするとは、大人気ないぞ」


数億歳でイジメをする奴に言われたくないね。


「ってか、俺のほうが明らかに年下だ」


「残念だが、私は人間年齢では小学一年生だ。だから、悟のほうが年上だし、希求よりも年齢が下だ」


そうだったのか?見かけは小学四年くらいだけどな。


「ん?」


俺は不意にちょっとした事に気がつき、希求の方を見る。


「ん、どうしたの?」


「ってか、何処を見てるんだ」


「いや、何でもない。言ったら、俺の性格を誤解される可能性がある」


これは真面目にあってはならない。


「大丈夫だ。私達は悟程度の発言で誤解をする事はない」


「本当か?」


「何より、私が気になるからねぇ」


それなら大丈夫か。というか、悪い事でもないからな。


「希求が貧乳だから珍しくてな。俺の女性の知り合いは、半数以上がまったく胸がないんだ。確か、無乳って言うんだっけ?だから、ちょっと気になったんだ」


言っておくが、俺は過去に納と胸の大きい女性探しをしていたんだ。だから、大抵の胸は服を着ていても見分けられる。

俺の場合は更に、将来的にどのくらい胸が大きくなるかどうかも分かる。まぁ、普通に生活した場合の将来的な大きさだが。希求は多少は大きくなるだろうが、成長しても貧乳だな。


主人公には不向きなスキルだが、持っていて損は無いと思う。


………そういえば、納と特星の胸の大きい女性を探そうと約束してたな。今更だが、馬鹿らしく思えてきた。でも、良い暇つぶしにはなる。いや、悪い暇つぶしだな。


「むにゅー?よく分からないけど、むにゅーが多いんだ?あ、でも貧乳は知ってるよ」


「良く分からなくても良いが、この変態は罰するべきだと思う」


「むにゅー」


いや、悪い意味じゃなくて、褒める意味で言ったつもりなんだが。ってか、その発音が気に入ったのか、希求?


「ってか、誤解してる!俺は単に大きさについて述べただけだ!…あ、衣宵は無乳か」


「悪いか。別に私は気にしてないがな。というか、私にはこの位がちょうど良いんだ」


確かに言っちゃ悪いが、少しでも胸があったら衣宵には合わないと思う。将来的にも大きくはならないだろうから、安心して生活して大丈夫だぞ。


「さて、そろそろ帰るか」


「あれ?衣宵、勝負はしなくて良いのか?」


「十分楽しめたから、勝負は無しで良い」


でも、暇つぶしで事件を起こすのは止めて欲しいな。


「そういえば、未知を操ることで、ビルとかを消せるのは予想外だったな」


「あぁ、あれの方法か?あれはコンクリートなどの材料を未知の物質だった事にしたんだ。だから、そういう物質のない星にどんどん変わっていった。もちろん、人の記憶にも影響するようにしたがな。ちなみに影響範囲は、この町を除く地球全体と、特星全体に影響させた」


だが、主人公である俺には通じなかったと。その他にも魑魅や魅異、それに雑魚ベーの浮遊要塞には影響がなかったようだ。








〜納の家〜


事件を解決したお祝いに、納の家で勝手にパーティを開催した。


結構な人数が集まって、現在は凄く賑やかだ。元幽霊や元非常食や元猫など、擬人化した奴や思考を読む秘書や時間を操る和風好きや小人とかも居る。わざわざ特星から来なくても良いのに。


衣宵は迷子になったが、公園に行こうとして、家に迷い込んだところを納が保護した。


他にもダンボール伝説で有名な校長や、仕事をサボる幽霊が、無料で料理を食べる事を目的に来ていた。それと事件に関係のない変態と、その連れの女子二人が浮遊要塞で参加した。


それに加えて俺達や事件を起こした奴が居るから、家の中は非常に盛り上がっている。特に変態が少女に抱きついてる時が一番騒がしい。


「ねぇねぇ」


不意に実体化したキールに呼ばれる。


「どうした?」


「結局、屋上に居た人じゃない奴は倒しにいくの?」


「それって、衣宵じゃないのか?」


意外な質問に戸惑って答える。


「だってさぁ、私が見たのは明らかに人じゃない生き物よ。しかも、現れるのは夜中のみだったし」


「そうなのか?」


「そうなの」


これは、裏ボスとの勝負?


「でも、あの生物を操る人間が居ると思うの。地球では存在しない生物だったからね。というか、生物じゃない物から、生み出されたような感じの生物だったし」


要するに、そこら辺の物から作られたとか?


「そうだな、気になるから行くか」


現在は丁度夜だから、その敵も居るだろう。


だが、一人だと厳しいし、誰か連れて行くとしよう。


この中で一番強いのは間違いなく羽双だが、面倒だから断るだろう。その次くらいに強いのは悪魑魅だが、悪状態になるとは限らないから却下。その次に強いのは、……几骨さんか?


「出かけるのでしたら、ついでに社長を探してきてください。途中で会う可能性が高いですから」


先に思考読まれたし、行く気ないなぁ。


それでいろいろあった結果、連れていくこ事にしたのは雑魚ベーだった。何故なら、こいつ以外は行く気がなかったから。


「さぁ、新たな少女との出会いを目指して、頑張りますよぉっ!」


「はぁ、やれやれ」






〜元・頂点の最上階〜


「やけに簡単に到着したな」


「途中に少女は居ませんでしたねぇ」


暗くてよく見えないが、相手が居ないか辺りを見回す。


誰か居たのでよく見てみると、最悪の相手だった。


「こんばんは〜」


「おや、魅異さんじゃありませんか。久しぶりですねぇ」


一応言っておくと、此処は地球だ。これがゲームで、魅異が裏ボスならば、チートを使っても倒す事が不可能だろう。というか、俺ならゲーム自体を破壊する。


とりあえず、勝負する事は避けたい!勝負になっても、本気を出されたら死ぬ。というか、全てが無くなる!


「残念ながら、此処に居た人は何処かへ出かけたよ〜」


良かったぁっ!この場合は、魅異が裏ボスの場所を教えるだけの可能性が高い!


「それで何処に向かったんだ?」


「空の上から辺りを探し回ってるよ〜」


空の上?それじゃあ、追いかけられないじゃないか!


「相手が空だとなぁ」


「どうしましょうかねぇ?」


「私が二人を飛べるようにしてあげようか〜?」


本当か!?……いや、魅異の事だから、何かがあるはずだ。


「ただし、今から勝負して私に勝ったらね〜」


「いや、無理」


「ちゃんと実力を合わせるから大丈夫だよ〜。ついでに勝負の時の身体状態を、特星に居る状態にしておいてあげるね〜」


「要するに、不老不死という事ですね」


「でも、この勝負と、この後の勝負だけだよ〜。しかも、空中浮遊も今回とこの後での勝負で使えるよ〜」


嬉しい効果だが、それだけで魅異を倒せるか?


「結果はやってみないと分からないよ〜。点滅、瞬きの玉」


魅異は光ってる玉を出すが、すぐに消えてしまう。


「消えてしまいましたねぇ。それでは、私からいきますよぉっ!」


「って、アホ!」


魅異に突進していく雑魚ベーの目の前に、消えてた玉が現れる。


「え?」


[ドカアァッ!]


「ふげふぅっ!」


玉が見事に雑魚ベーに直撃。恐らく玉は、金属か何かだろう。


「あのなぁ、技名を聞けばあの位は予想できるだろ」


「えぇ、でも、こういう展開は慣れてるから平気ですよぉっ!」


まぁ、不老不死状態だから大丈夫か。


「最近の流行通り、遠距離攻撃でいくのが安全だ。って、うぉっ!」


点滅する玉が真横を掠っていく。


会話で忘れてたが、点滅する玉が飛んでるんだったな。


「さて、水圧連射砲!」


「必殺、羽ばたきの女子小学生天使ですよぉっ!」


水圧連射砲は、水圧圧縮砲の水の弾を小さくして、連射で撃てるようにした技だ。


雑魚ベーの変な名前の技は、カムという高熱の気体の球を一度に大量に飛ばせる技だ。飛び方や形にバリエーションがある。ちなみに風などの抵抗を受けない。


「お、攻撃してきたね〜。十字、二重十字」


俺から見て前と横と両方の前斜めから、大量のレーザーが飛んでくる。


「おっと」


危なく当たり掛けるが、何とか回避。避けれる場所が少なすぎると思う。


「あちゃちゃちゃちゃっ!」


雑魚ベーが避けれてないが、大丈夫そうなので無視。


「どんどんいくよ〜。基本、強力な者の基本難関度」


魅異は大量の気体の球を撒き散らす。


「熱っ!水蒸気かこれ!?」


流石に避けきれず、何発かに当たってしまう。


「水蒸気の塊なら飲み込めば!……ほぶ熱ぅっ!」


だから、熱いって言っただろうが。


「そろそろ、疲れてきたかな〜?消去、白紙の書類」


魅異は大量の巨大な書類の厚紙が辺りに飛しまくる。


「何ですか、これ?」


雑魚ベーが書類に触った途端、雑魚ベーが消え去る。


「消えた!?まさかの心霊現象か!」


「私の技で消去したんだよ〜」


一撃必殺じゃないか?


「ふぅ、死ぬかと思いましたねぇ」


「うぉっ!急に現れた!」


「本来なら、小説や漫画でいう一話分で復活するんですが、調子が良いから早く復活しましたねぇ」


分かりやすい例えだが、調子の良さは関係ない気がする。


「そんなに調子良いなら、私も派手な技でいくね〜。勇者流技、勇者光線」


レーザーのような技を連射してくるので、空中に逃げる。


おぉ、本当に浮けた!移動したい方を頭に浮かべれば、その方向に移動できてるぞ!これが魔法使いとかの気分か!


「あれ、光線なのに、この技は光属性ではありませんねぇ」


「見かけが似てるから、技名に光線が付いてるだけだよ〜。普通に光や氷や土属性の勇者光線も出せるけど、属性の決まった攻撃は好きじゃないんだよね〜」


土で出来た光線ってどんなのだよ?


「ずっと同じ技ってのも面白くないですねぇ」


攻撃を避けきれてないが雑魚ベーがそういう。俺も水圧連射砲で攻撃し続けているが、たいした効果がない。ってか、魅異に効果がある技なんて無いだろう。


「まぁ、気分転換で技を変えての攻撃も良いか。合成魔法弾、暴風雷炎弾!」


「必殺、ジャンピングキックですよぉっ!」


俺は合成魔法弾で、雑魚ベーは十八番の回転キックで攻撃する。だが、魅異は体を反らして回避する。


「隙有り〜。勇者流技、勇者魔法砲」


[ズガアアアアアアァッ!!]


直径数十メートルくらいの技を放つ。例えるならば、漫画とかの巨大戦艦の主砲から放たれる光線みたいな感じだ。


「見掛けが中心の技だけど、それなりに強力じゃなかった〜?」


「ゲホッ、見掛けは技の強さに比例すると思いますけどねぇ。超強力でしたよ」


「ゴホ、ゴホッ、俺も同じく」


「まぁ、漫画とかを見ればそう思うよね〜。さて、次の攻撃で最後にするよ〜」


俺達は見事に黒焦げ状態だ。だが、余裕万全の会話は出来る。


「次で最後ですか。なら悟さん、次の攻撃を協力して防ぎましょう!」


「あぁ。この雑魚ベーガードで防げれば良いんだが」


「そうですねぇ。…って、ええええええぇっ!」


「じゃ、避けないでね〜?魅異流技、ドラフル!」


[キラリィン!]


魅異は建物の中に入り、情けない効果音に合わない非常に大きな技を放った。範囲は広すぎて分かりにくいが、直径で数十キロくらいはあると思う。


「おがはふへいぃっ!」


雑魚ベーを盾にしているが、俺達は技に飲み込まれているので意味がない。ってか、発射してからの時間が長い!恐らく、ワザと長く続けて撃っているのだろう。ってか、雑魚ベーがうるさい。


数分後にその技は終わった。冷静に思考で考えれる俺を、流石は主人公と言って自分を褒めたい。


「さて、私は負けたからこの辺で帰るね〜。敵の居る場所は、生命の泉だよ〜」


それだけ言って魅異は飛んでいった。


「悟さん、どうして日本に、そんなファンタジックな場所が存在するのですか?」


「巻津川市には、変な地名の場所や建物が多いだけだ」






〜生命の泉〜


「生命の泉はまだですかー?」


「あー、もうすぐだ」


泉だけに町から外れた場所にあるらしく、空を飛んでも向かうのには時間が掛かる。……ん、なんか聞こえるな。


「変わった国のお姫様、不思議な力を使い、あらゆる人に挑んでいく、それでも勝つのはお姫様」


あそこで歌を歌ってる奴が勝負の相手だな。


「あの声と歌はもしかして、東武さんですかぁっ!?」


「ほぅ、貴様達か」


「って、あの時のナルシスト貴族!」


歌を歌っていたのは、伝統深き空き地で会った東武だった。


「貴様達のような雑魚風情が何のようだ?」


「勝負に来てやったぜ!」


「退屈潰しですよぉっ!」


退屈ではないって。


「ほぅ、勝負か。一人ずつではハンデがありすぎるから、二人同時に相手をしてやろう!俺様の新の力を冥土の土産に見せてやろう!」


魅異の能力で地球でも不老不死だけどな。


さて、とりあえず此処だと動きにくいな。


「雑魚ベー、空中に移動するぞ!」


「分かりましたよぉっ!」


「お前達でも飛ぶ程度は出来るようだな」


東武も俺達を追って空中に来る。魔法を使えるだけあって、空も飛べるようだな。


「いくぞ、空気圧連射砲!」


「私は援護しますねぇ」


「炎命、不死身鳥」


東武は鳥の形の炎を生み出す。おぉー、凄いな!


「これが俺の能力で、魔法に生命を持たせることが出来る!もちろん、魔法で出来ているから死ぬ事はないし、予め命令しておけば、自分で判断して自分で戦う。いけ、不死身鳥!」


不死身鳥は炎を撒き散らしながら、辺りを飛び回る。


「あちゃちゃちゃっ!」


雑魚ベーは炎に当たるの早いし。


魔法生物は死ぬ事がないなら、東武に攻撃して疲れさせるのが先決だろう。


「実力の差を知れ!」


東武自身も攻撃をしてくるが、なんとか避ける。


不死身鳥は自分で動くから、東武も同時に攻撃出来るのか。


「なるほど、回避だけは一般人並という事か。命滅、炎々の炎」


不死身鳥自身が巨大な炎となり、分裂して俺達の元に降り注ぐ。


「うぉっ、これは危ないな!」


服に火がついたが、高速浮遊で消す。


「光命、高熱人」


光で出来た人間を呼び出す。


高熱人はレーザーや光の球を連射してくる。しかも、光速の速さらしいので、雑魚ベーを盾にして東武に攻撃する。


「目の前がキラキラしますよぉっ!」


「我慢しろ!」


「目の前キラキラだと?……眩しいという事か!ならば、更なる眩しさを喰らうが良い!命滅、全方向光線!」


高熱人の体から、光線が辺りに乱射される。


だが、何故か光速ではなく、回避できる速さだ。


「どうして、光速の光線を撃たないんだ?」


「貴様達が回避できるように速さを抑えてある。要するに貴様達などこれで十分だからだ!」


簡単に言えば、俺達を甘く見てるという事か。


「合命、泥々花々」


辺りに泥で出来た花の形の巨大生物が現れる。


「おぉ、綺麗な花ですねぇ」


「綺麗な花以前に泥だろ」


「ふん、花だからと油断していると、痛い目を見ることになる。あの花は泥の種を発射するが、毒性などは無いから安心するが良い!」


別に教える必要は無いんじゃ?


泥の種は回避が楽だが、雑魚ベーは相変わらず回避が出来てない。


「命滅、地形を変える泥の竜巻」


泥の花が回転して大きな竜巻を発生させる。


「貴様達には最強に近い力を見せてやろう!現れろ、平面宇宙の翼竜、ゲニウス!」


「はいは〜い」


「普通に喋ってるし!」


竜が普通に喋っているので思わずツッコミを入れる。


「え、竜が喋るのは変なの?」


「俺はこの世界で竜と喋ってないから知らんが、恐らく変なのだろうな」


あぁ、変だ!


「特星では普通でしたけどねぇ」


雑魚ベー、特星に普通なところはないと思え。


「それにしても、普通に言葉を喋れるとは、驚きだ」


「ふっふふ〜ん、宇宙の天才竜と呼ばれる私には、この程度は簡単だったけどね。漫画とアニメを一ヶ月見る事で完璧に日本語を覚えたんだよ!」


漫画とアニメだけで覚えるのも、ある意味凄いな。


「お喋りはそこまでだ!ゲニウス、この雑魚達を蹴散らせ!」


「はい!青銅、飛び散る青銅剣の息」


ゲニウスは銅の剣を口から飛ばしてくる。どういう仕組みだよ?


「どうせ避けれないだろうから盾になれ!必殺、雑魚ベーガード!」


「のぎゃふげぇっ!」


痛そうに叫んでるが、不老不死だから大丈夫だ。


「ゲニウスは翼竜であると同時に魔法使いで、今、口から飛ばしてる剣も魔法で作られたものだ」


「東武様、敵に秘密を教えるのはどうかと思います」


「雑魚達への冥土の土産だ!」


「でも、私の個人情報でもあるんですけど」


「俺の知った事ではない!…だが、一応後で何か奢ってやろう」


個人情報というより個竜情報だな。


「時間が惜しい。ゲニウス、あの二人を吹き飛ばせ」


「任せてください!魔造、エクサバースト」


相手が技名を言い終わる前にエクサスターガンを取り出し技名を叫ぶ。


「エクサバースト!」


相手のエクサバーストを相殺する。密かにエクサスターガンを持ってきて良かったぁ〜。


「同じ名前の技だと?ゲニウス、奴の銃の技はお前のエクサバーストと同じか?」


「威力的に同じだと思いますが。そこの人、どうなのか詳しく教えて」


俺達には敬語無しか。


「これはテレビ局の商品で貰った物だ。だから、それ以上の事は知らないぞ」


「なるほど。東武様、テレビ局の商品で貰ったらしく、それ以上の事は知らないようです」


「言い直さなくても聞こえている」


そりゃそうだ。


「まぁ良い。今日のところは帰るぞ」


「ちゃんと奢ってくださいよ」


「って、待て!」


「断る」


即答しやがった!


東武はゲニウスに乗って飛んでいく。


「それでは私達も帰りましょうか」


「あれ、居たのか、雑魚ベー?」


「さっきから居ましたよぉっ!」






その後、家に帰った俺は予想してた事実を聞かされるのだった。そう、妹達と納が特星に引っ越してくる事を。


おっ、今回はシリアス的に終われそうだ!え、俺のせいで雰囲気ぶち壊し?主人公だから良いんだよ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ