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十五話 姿が同じだと紛らわしい

@魑魅視点@


謎がたくさんの瞑宰星。私はその星の敵が居るという場所にいます!


「来る前に悟さんを起こしてきたほうが良かったですかね?でも、ぐっすり寝てましたし、起こしたら悟さんに嫌われるかもしれません!」


それにしても、見える範囲が全て土なんて珍しいですね。急いで作ったら手抜きになったとか?


「あー、お前は確か魑魅じゃないか」


はっ、この聞き覚えのある声は!


「悟さん!何故こんなところにいるんですか?」


目の前に現れたのは悟さんでした。


「それは俺をツッコミ役と勘違いして言ってるのか?それとも俺に言ってるのか?」


むむ、このツッコミが上手そうな雰囲気は覚えがあります!


「ボケ役の悟さんですね!」


「正解!というか、持ち物で気づかなかったのか?」


よく見ると、ボケこの人は両手に風船を持ってます!


「…悟さんファンの私が気づかないはずがありませんよー」


「嘘にしか聞こえないぞ」


間違いは誰にでもあります!


「それで旅行でもしてるんですか?」


「お前なぁ、この場所に居る俺の役目くらい分かるだろ?」


深く考えてみましたが分かりません。


「宇宙旅行?」


「違うわっ!エーケスティの場所へ行くのを防ぎに来たんだよ!」


「あ、バイトですか」


「何故そうなる!?」


エーケスティさんにバイトで雇われたとかじゃないんですか?


あと、今頃ですけど、本物よりボケ役さんのほうがツッコミが上手です!


「でも、それって魅異さんを敵にまわす事と同じですよ」


「ふふふ、魅異が危なくなったら俺が助ける作戦だ!」


お、それってかなり良い方法じゃないですか!


よし、私も危なくなった悟さんを助ける作戦でいきます!


「さて、その前に俺の名前でも決めておくか」


「あれ、本物の悟さんと同じ名前にしないんですか?」


「紛らわしいからな」


まぁ、この人に悟さんの名を名乗らせるわけにはいきませんしね!


「そうだ、ツッコミ役が記憶をなくしたときの名前でいいか。俺の名前は戦隊 黒悟だ!」


おぉ、聞くからに敵役っぽい名前です!


「元々この名前は、悟ンジャーブラックの本名という設定で作ったしな」


適当な本名だと思いますよ。


というか、悟ンジャーは黒悟さんではなく、悟さんがやってると思ってました!


「うぅ、黒悟さんは子供の夢を壊しすぎです!私に謝ってください!」


「え、何で?」


む、まだ自分の罪に気づいていないようですね。


「黒悟さんは悪です!」


「だから何で!?」


黒悟さんも悟さんと同じようなものだと考えていた私が愚かでした。


「あー、勝負の前に俺の特殊能力を言っとくよ。俺の使う能力は非質系の能力で、想像を操る能力なんだが、想像を実体化することができるんだ」


想像を実体化することが出来る能力ですか?


「はっ!なら、私に忠実な悟さんを想像して実体化してください!」


「いや、気持ち悪いし、想像したくないから却下な」


確かに誰だか分からなくなりますね。


「さて、勝負するか。凄い風船飛ばし」


黒悟さんが技名を言った途端、その辺一帯に風船が出現して、こっちに飛んできます!


「おとと、危なく当たるところでした!」


風船は岩などに当たりますが、割れる様子はありません。


「善技、正しき事への導きです!」


とりあえず、正義の力を集めた球を飛ばして攻撃します。


「おっと、危ないな」


連続で飛ばしますが避けられます。


「奥義、最終大ダメージ拳!」


「奥義、正義の決め技です!」


裏悟さんの拳と私の拳がぶつかり合いますが、私のほうが吹っ飛びました!


しかし、普通に着地できました。


「俺の方が強いみたいだな?」


「いえ、体重差です」


「体重差!?いや、どう考えても威力差だろ」


いーえ、私の体重が軽いせいで吹き飛んだんです!


「まぁ、悪魑魅になれないお前に負ける俺じゃないがな」


そういえば、今日は何故だか私の悪意が無しに等しいですね。


恐らく相手が悟さんの一部と同じようなものだからですね。


「そういうわけだから帰れ」


「ふふん、黒悟さんの予想以上に私は強いんですよ」


これでも私も非質系の特殊能力使いですからね。


「完善、完全完善状態です」


この技は私が完全な善者になるための技で、完全な善者の状態が善魑魅と言われることを祈ってます。


「あー、悪魑魅の逆もあるのか。というか、口調が変わってないし」


「その通り!そしてこの状態の私はとても善人なんです!」


さて、黒悟さんは丈夫なので倒す気で頑張ります!


「善技、平和主義者の実力行使」


黒悟さんの前まで高速で移動して、水筒位の大きさの正義の棒を十連続で放ちます。


「あたたっ!どこが平和主義だよ!」


「まだまだです!」


攻撃を当てて逃げるの繰り返しで疲労を溜めさせます。


「しょうがない、本気でやるしかないようだな。空想寒冷大変動!」


黒悟さんが技を叫ぶと同時に、辺りの景色が青っぽくなりました。そして非常に寒いです!


「あー、ちなみに俺の想像で作ってあるから、俺には全然影響しないぞ」


なんというご都合主義!


というか、青い背景に混じって、青い巨大な氷が降り注いでいます!


「奥義、強制悪人成敗です!」


周辺に数千本もの正義の剣を出現させ、黒悟さんに放ちます!ちなみに正義の剣なので殺傷力はありません。


「って、数が多すぎだぞ!」


私への影響はないので安心してください。


「次いくぞ。空想温暖大変動」


今度は辺りの光景が赤くなり、非常に暑くなりました。赤い背景に混じって赤い火の玉が降ってます。


火だと燃えるので、さっきより状況が悪いです!


「善技、形見の超耐性傘です!」


私の上方に善人の力が込められた強大な傘を作り、降り注ぐ火の玉を防ぎます。


「…なるほど、多少は強いみたいだな」


ふふん、私に掛かれば黒悟さんなんて楽勝です。


「魅異が望むのは面白いことだ。主人公側の敵である俺が勝つのは、予想外の面白い展開のはず!」


まぁ、私に勝てればの話ですけどね。


「まだ、時間を稼がせてもらう。空中浮遊者と銃使いの対立!」


「へ?うわわぁっ!」


私の体が勝手に空中に浮いてます!


はっ、これが超能力というやつですね!


「発射!」


黒悟さんの周りにいくつもの白い球が現れ、黒悟さんの合図と共に飛んできます!


「ひええぇっ!」


空中で身動きが取れないのに避けれませんよ!


白い球が私に当たると破裂して凄く痛いです!


「まだまだ!」


殺傷能力が低めのようですが、連続で破裂するので威力が高めです。


「うぅっ!」


「よし、効いてるな」


あ、急に体が動くようになりました!


「雨の国の密接集中豪雨!」


しかし、体が動くようになった途端に滝のような雨に飲み込まれます。


「あたっ!」


空中から地面に雨で叩きつけられました。


「さて、俺の溜め技の威力も上がってきた」


あぁ、さっきから技を溜めてたんですか。


くっ、今の状態で技を受けるのは危険ですが、ここは私もやられる気でいくしかないですね。


「どれだけ貴方の技が強かったとしても、威力だけで私を倒すことは出来ませんよ」


「ふん、俺には魅異に対する思いもある!お前こそ俺の技に耐えられる可能性は微妙だ!」


「もっと根本的な問題です。本当の善者の力を思い知ってください!」


黒悟さんは威力や思い以上に大切なことが分からないようです。


とりあえず、私も力を溜めて攻撃の態勢をとります。


「秘技、真の最終超ダメージ拳!」


「奥義、正義の決め技!」


少し前と同じように、黒悟さんと私の拳がぶつかり合う!このような予測していたのでしょうけどそうはさせません!


黒悟さんの拳とぶつかる前に、私は黒悟さんの後方へ自慢の速さで移動します。


「え?」


「善行、現実的善人の不意打ち!」


そのまま黒悟さんの頭を地面に向かってぶん殴ります!


「ぐぎゃっ!」


私に殴られた黒悟さんは、地面に顔から突っ込むと同時に消えていきます。


「あれ、消滅しましたね」


消滅するということは、黒悟さんはモンスターだったんですね!


〔それは見当違いかもね~〕


「あれ、この声は魅異さん!」


いったい今まで何処に居たんですか!?


〔特星だよ~。それで言っておくことがあるんだけど〕


え、お土産はありませんよ。


〔相手の親玉が居る場所は明日にならないと開かないから、今日はその辺に野宿しておいてね~〕


別に良いですけど、相手の居る場所なんて見えませんよ。


〔明日になれば見えると思うけどね〕


そういえば、魅異さんって口調を控えましたか?


〔少しだけだよ~〕


とりあえず、全身濡れた服を技で変えましょう。


「でも、全身が雨で濡れてるのって魅力的な格好なような」


うーん、これは凄く迷います。






@エエナ視点@


「ふふふふ、ついに私の番が回ってきましたよぉっ!」


〔というか、折角のエエナ状態なのに自ら来るとはね~〕


あれ、もう魅異さんに話しかけられましたね。


〔問題でもあった?〕


いえ、ボス戦終了後かと思ってたので。


あと、エエナ様と呼んで欲しいですよぉっ!エエナさんの設定は私に仕えてはいるものの、他の私に仕える従者のリーダーという設定ですので!


〔まずは自分でやってみることだね~〕


「あ、ちなみに偽者の私は今は消してあります」


〔知ってるよ~〕


まぁ、そんなのは予想通りですけどねぇ。


「私が相手なんて貴方も運がないわね!」


おっと、いつの間にか少女を待たせていたようですねぇ。


「えっと、貴方は晴天道 春夏でしたね」


「おぉっ、私の名を知ってるなんて貴方は強者ね」


えぇ、私は本物の少女になれるくらい凄いですからねぇ!


ちなみに春夏さんは悟さんと勝負した事があるので、私が持ってる特星の可愛げな女子小学生図鑑に記録されてますよぉっ!


「知っての通り私の実力や知力や戦力は最強レベル!そう、私は力を操る非質系の特殊能力者だから!」


悟さんには敗れたらしいですけど、力を操る能力は本当に厄介ですねぇ。


まぁ、少女が使うから許しますけどね!


「私はエエナ ライノショックです、通称はエエナ様と呼ばれていますよぉっ!」


主に私しか呼んでいませんけどね。


「ふ、ふーん、私の通称はエクサ春夏様と呼ばれてるもん!」


エクサをつければ良いというものではないんですけどねぇ。


「あ、そうだ。春夏さんに言っておきたいことがありました」


「え、何?」


「今は春と夏の間ではなく、冬と春の間なので場違いですよ」


「私の名前は季節と関係なーいっ!」


あー、関係なかったとは予想外でした。


「ちなみに今日は曇りで小雨が降りそうですけど」


「苗字と天気も関係ない!」


なんだ、出現する時とか決まってないんですか。


「なら、大したことはありませんね」


特定の時にしか出ない少女ほど凄い予感がするんですけどねぇ。


「くー、私をバカにしてるなー!」


あ、変な誤解をされちゃいましたね。


「貴方なんか絶対に倒してやる!火力、丸焼き用の特大強火!」


「きゃああっ!」


いきなりの不意打ちだったので可愛い声で叫んじゃいました。


「あ、此処は地球だった!水力、水害専用の滝!」


燃えている部分を水で消してるようですが、そこにはもう私の姿はありません。


「あ、ど、どうしよう」


「勝負を続けるべきだと思いますけどねぇ」


「なっ!い、いつの間に抜け出したの?」


とりあえず、後ろから話しかけて脅かしちゃいました。


春夏さんは私が抜け出したと思ってるようですが、実際は一度消滅して復活しただけですよ。


あ、ところでエエナ様状態の能力はなんですかねぇ?


〔開封を操る能力で非質系だよ~〕


うーん、最近は非質系の人が増えてる気がします。


「抜け出したのではなく復活しただけですよ。あ、ちなみに私は強いので手加減の必要はありませんよぉっ!」


「ま、まぁ、どんなに強くても私の力に敵うわけがない!」


はぁ、その自信は何処から湧いてくるんでしょうかねぇ?


ま、どんな人が相手でも私に敵うはずがないに決まっていますよぉっ!


「魔力、晴天防ぎの雨雲副作用」


「封印、威力封印の防御膜ですよぉっ!」


春夏さんが技を使ってきたので、様子見する為に攻撃の威力を封じる膜で私を囲みます。


春夏さんの技によって雨雲が発生し、私の場所に集中して雷が降り注ぎます。


「うわぁ、普通なら黒焦げになりますねぇ」


まぁ、復活できますけどね。


お、雷は落ちなくなりましたが、雨が降り始めましたねぇ。


「次はこちらの番ですよぉっ!必殺、封印カムの散乱!」


この技は私が元々使えるカムという技と、封印の特殊能力を合体させた凄い技ですよぉっ!触れた相手をカムの中に封印できるんですよぉっ!


ちなみにカムは熱い気体なので注意しましょう!


「反射力、何でも返す義理深さ!」


って、全て返されてしまいましたよぉっ!


「わととととぉっ!」


自分の技を何とか回避します!


別に封印されても能力で開放したり、自爆して外に復活したりできるんですけどねぇ。


「私の力を操る能力を攻略できる方法など無い!」


確かに凄く強いといっても過言ではないですけど、悟さんに攻略されたはずなんですよねぇ。


あ、悟さんと同じ方法で攻略するのはどうでしょう?


「ふふふふふ、私の真の正体を明かすしかないようですねぇ!」


「し、真の正体?」


エエナさん状態と普段の私の両方でも問題の無い色といえばあれですね!


「私は悟ンジャー小少女色ですよぉっ!」


小少女色とは小学生少女色の略です。小学生少女色とは私の純粋で健全で完全な心を表す色です!


「要するに白ですねぇ」


「う、出たわね!最低最悪の諸悪の根源悟ンジャー!」


あ、微妙にトラウマ気味のようですねぇ。


「というか、色に関するツッコミはなしですか?」


「あるわけないよ!破壊力、最初から最後までの完全崩壊!」


「ひええぇっ!」


辺りが眩しい光に包まれて、私は消滅してしまいました!


「か、勝っちゃった?」


「それを言ったら復活されますよ」


「うわっ!攻撃力、最大攻撃力の通常攻撃!」


光の球を全方向に大量に連射してきましたねぇ。


「封鎖、私への通行禁止!」


とりあえず、見えない壁で防いでおきます。


ところで悟ンジャーの技ってどんなのがあるんですかね?


ま、適当で大丈夫ですよね!


「戦隊技、避けられない不意打ち!」


ふふふ、この不意打ちは避けられないでしょう!


「あれ、何も起こんないよ?」


不意打ちの極意は相手が隙を作ることなのです!


「後ろの要塞を見てもそんなことが言えますか?」


「要塞?」


春夏さんが後ろを振り向きました!


「今ですよぉっ!それぇい!」


その隙をついて春夏さんに飛びつきます!


「うぁっ!」


そのまま春夏さんが下で倒れそうになったので、なんとかして私が下になるように倒れます。


「あいたぁっ!」


うぅ、背中が非常に痛いです。


「ちょっ!離してよー!」


「嫌ですよー」


普段の私だと単なる変態に見えるかもしれませんが、エエナさん状態の私ならば問題ありません!


〔確かに純粋で健全な行動だから問題ないね~〕


えぇ、この程度はじゃれ合いに過ぎません!


〔とりあえず、少女状態では胸タッチくらいが限度かな〕


偶然胸タッチならしたことがありますが、問題なかったんですねぇ。


「うぅ、なんのつもり?」


「まあまあ、子供同士なんですから仲良くしましょうよ」


というか、このまま寝てしまいたいんですけどねぇ。


「わ、わかったから開放してよー」


うーん、もう少しこのままで居たいのですが、用事もあるので渋々開放します。


「ふぅ、それで何か聞きたいことはある?」


「え?そうですねー、この星で一番強い人は何処ですか?」


「あ、私!」


おっと、そうでしたね。


「なら、この星の製作者の場所は分かりますか?」


「うん。私が最初に居た場所の近くなんだけど、明日になったら出現するんだって」


ということは、今日はこの星に泊まれということですね!


「こんなこともあろうかと、食事とかを二人分用意してあります!」


「二人分かぁ」


おや、春夏さんがこっちを見つめてますねぇ。


「もちろん、春夏さんも食べますよね?」


「え、良いの?」


「えぇ、その為に用意してきたんですから!」


少女と出会えることは大体把握してましたからねぇ。


〔なら、どうして子供用ベッドを一つしか用意してないのかな?〕


ほら、二つだと重たいからですよ。


ついでに密接状態で寝れるからというのもありますけど。


〔後者が目的なのは言うまでもないね~。しかも抱きついて寝ようと考えてるとは〕


問題外でしたか?


〔いや、全然問題ないよ~〕


あー、小雨が降ってきましたねぇ。


折りたたみ式の小屋を持ってきて正解でした。






@東武視点@


此処が瞑宰星とか言う星か。


今回のことで一つ言わせてもらうと、俺の力がどうしても必要というのなら来てやってもいい。


「だが、この俺が代理とはどういうことだぁっ!」


〔まぁ、東武が代理なのは実力的な問題じゃなく、第二部からの登場だからって理由だからしょうがないよ~〕


あぁ、貴様か。


〔それに代理でも一度選ばれたからには、悟ンジャーのレギュラーキャラになれるからね~〕


俺はそんなことの為に来たわけではない。


「この俺という人物の存在を無視して、この星で最強を名乗る愚か者を塵にする為に来たんだ!さぁ、俺に対抗する輩は何処のどいつだ!?」


〔まぁ、悟ンジャーには羽双よりも東武の方が向いてるかもね~。主に性格的な意味で〕


羽双?あぁ、俺という偉大なる存在を無視して、本来呼ばれていた時計男だな。奴とは勝負した事があるが、時間を止められて引き分けになったな。


〔ある意味負けだと思うけど〕


奴に今度会った時には貴様の餌にしてやる。


〔私は食事無しでも大丈夫だけどね~〕


貴様が食事有りならば、俺はそれ以上の食事を食しているだろう!


「あー、お前が相手ですか」


ほぅ、この俺に対してお前とは威勢の良い敵だな。


「って、貴様は魑魅!」


どういうことだ!こいつは悟ンジャー本部のメンバーの一人だったはず!


〔相手は悪状態の魑魅で、悪魑魅って言うんだよ~〕


「悪魑魅か。ゴミのような名前だ」


「はぁ、狂った発言は死んでから言ってください」


悪だけに悪口も得意分野ということか。


「本来なら一撃で仕留めるところだが、今回はゆっくりと俺の実力を体に叩き込んでやろう!」


「それはこっちの台詞です。悪技、暗黙の毒矢」


俺の辺りが暗くなり、周囲から雨のような毒矢が降り注ぐ。


「この程度の矢が俺に当たるわけがない!炎命、不死身鳥!」


炎の鳥を五匹ほど作り出し、辺りの矢を焼き払う。


「毒の矢など当たる前に消し去れば問題ない!」


「まぁ、その程度でしょうね。悪技、裏切りの生命体」


俺の不死身鳥が勝手に地身の回りに集まりだしただと!?


「この技は生き物を操ることができるんですよ。所詮貴方の能力も私の前では屑当然!さあ、東武を攻撃してください!」


「貴様程度が俺の能力を利用する事などできない!命滅、炎々の炎!」


魑魅の周辺の不死身鳥を炎に戻す!


「きゃああっ!」


その炎の影響で奴に少しのダメージを与えたようだ。


「もう一度言う!貴様程度が俺に勝つなど絶対不可能!諦めてその辺の草でもかじっていることだな!」


「くぅっ、貴方が何を言おうと私が従うわけがないでしょう!」


「ほぅ、その割には口の悪さがなくなっているようだが?」


さっきまでお前と言っていたのが貴方になっている。


「あ!…お前だけは許しません!」


「貴様が許さなかろうが俺の知ったことではない。貴様こそ俺を敵にまわさないうちに降参することを推奨する」


まぁ、一度の技で降参という惨めな結果になるがな。


「お断りします!悪魔、悪夢の中の炎!」


奴を中心に辺りに炎が飛び散る。


「俺の所持品一つにでも被害があればただでは済まさん!水命、水流飛竜!」


「悪戯、静電気の導き!」


水流飛竜を出しているところに静電気が流れ、手が痺れてしまう。


「くっ!この俺に攻撃を当てただと?」


「私がお前程度にやられるだけのはずがありません」


「認めん!全てが究極であるこの俺に攻撃を当てるなど、貴様程度の論外中の論外がやってよい事ではなぁいっ!」


手加減しているとはいえ、こんなことがあるとは!


「まぁいい。本来なら消滅決定なのだが、貴様には特別に更正の機会をやろう!」


「その頭の狂った発言を出来なくしてあげますよっ!邪心、悪名深き憎悪の塊!」


黒々しい何かが魑魅を囲み、どんどんと巨大化していくだと!?


「この悪の力で構成された物質は他の人から見えない。つまりお前を助ける仲間は来れないってわけです!」


ふ、ふぅ、この俺に対して勝った気でいるとは…その、愚かな奴だ!


「そ、その程度の玩具で俺を倒すだと?そんな事は絶対が完璧なほど完全に不可能だ!」


「なら、この攻撃に耐えられますかぁ!?極悪技、絶対完璧完全な悪魔法砲!」


魑魅の周りについていた巨大な黒々しい何かが、こっちに全て放たれる!







「はぁ、はぁ!い、一応死なない程度に本気で撃ちましたが、吹き飛んだ衝撃で殺してしまったかもしれません。ま、まぁ、あんな奴はそれがお似合いなんですけど」


「貴様程度が俺に勝てたつもりか?」


「は!そ、その声は!」


所詮は特殊能力のみしか脳のない弱者に俺を倒せるはずがない。


「聞こえていなかったようだからもう一度言ってやる!貴様程度が俺を倒すなど、何があろうと絶対が完璧なほど完全に不可能だあああぁっ!」


「ひぇっ!し、しかも怪我一つ無いなんて!」


「お前程度が俺に怪我をさせるなど、九千不可思議世代掛かっても不可能だ!」


まぁ、更正後に無傷の秘密を明かすのも良いだろう。


「さて、今から貴様は死ぬわけだが、言い残すことはあるか?」


「え?」


「よし分かった!その言葉は言い伝えておいてやろう!部分死、部分的抹殺!」


「きゃあっ!」


予想通りうるさい愚か者は喋らなくなったな。


いや、喋れないの方が正解だろう。


〔とりあえず、どういうことか説明してね~。出来る限り視聴者にわかりやすいように〕


貴様は分かっているのだろう?


〔まぁね~〕


早く次の作業に進みたいのだがな。


分かりやすく言うならば、俺の能力で愚か者が死んだまでだ。


〔はいはい、それだと誤解を招くから詳しくね~〕


死んだと言っても肉体的に殺したわけではない。この通り心臓はちゃんと動いている。


〔どうでもいいようだけど、胸の部分に手が当たってるよ~〕


そんな事はどうでもいい。


で、分かりやすく言うと愚か者の悪の精神のみを死なせたということだ。だが、この愚か者には悪の精神のみしかなかったため、今は抜け殻状態で、この愚か者になりたい者を募集中というわけだ!


〔黒悟みたいなのや霊みたいなのが悪魑魅の体に乗り移る事も可能だよ~〕


「そして俺がさっき死なせた部分を蘇らせる!ただぁーし、悪の部分だけではさっきと同じようになるので、新たに善の精神も俺の能力で生み出し、悪の精神と合体させて愚かな抜け殻に詰め込む!」


〔そうすることで普段の魑魅が二人になるんだよ~〕


だが、同一人物が二人だと紛らわしいな。


「よし、他にも姿と記憶以外は改善するか」


〔姿はともかく記憶の部分を変えないの~?〕


ふん、記憶を変えたら俺の実力まで忘れてしまうではないか!


〔変な事にはこだわるね~〕


そうだ!魅異、後でこいつの特殊能力を変えておけ!


〔特殊能力も自分で生み出せるよね~〕


黙れ!この俺の命令に意見することを貴様に許した覚えはない!


〔なら、私がその命令に従う必要は~?〕


俺が決めたんだから従うのは当然だぁ!


〔ま、明日までは私も暇だから問題ないよ~。リクエストがあれば適度に応じるけど?〕


俺の手下としてそれなりに相応しい能力で良いだろう。


〔なら、最近数が少なめの助質系の感覚を操る能力でいい?〕


痛みの感覚を大きくすれば、気絶させれば勝ちの特星では俺の勝率が上がるな。よし、その能力で問題ない。






「あ、あれ?」


「ようやく起きたか」


この俺を待たせるとは何様のつもりだ。


「あ、あなたは!」


「心配するな。一度言ったように貴様には更正のチャンスを譲ってやる」


「あ、はい」


状況を理解していないのに返事をするとは良い度胸だな。


「とにかく、今からお前には俺の下の下の下の下の下で働いてもらう!まぁ、今日は特別に休暇をくれてやるがな」


「え?」


やはり状況把握が出来ていないようだが、口の悪さはどうにかなったようだな。


「でも、私は敵だったんですよ?もしかしたら、貴方を裏切るかもしれない!」


「貴様は覚えるという行為ができないようだな。何度目かは分からんが言っておく!貴様がどんな方法及び手段を用意して裏切ろうが、俺に勝つことは絶対が完璧なほど完全に不可能だぁっ!」


さて、後はこいつの名前だ。


「さて、俺の部下になった時点で、愚か者という名は剥奪する!そして俺が新たに名前をつけてやろう。命名、新たなる名の誕生」


この技により俺がつける名を公式設定とする!


「よし、決めたぞ!お前の名はようだ!拒否したら自動的に愚か者という名に変更する!」


「あの、苗字は?」


「俺の下の下の下の下の下の部下のお前が、俺に意見するとは良い度胸だな!」


「す、すみません!」


だが、苗字なしというのも地味だな。


「よし、フルネームでわたしはっ 幼嫁に決定だぁ!」


名簿欄に名前を書くだけで、世界中の雑魚ベーみたいなのが誰だか分かるぞ!


「私八 幼嫁…あの、やっぱり苗字は結構です」


「拒否したら愚か者が公式設定になるが?」


「なら、愚か者で良いです」


「それ以前に貴様に拒否権は無いっ!」


「えぇっ!?」


こんな事もあろうかと、拒否権を無くしておいたのだ!


〔幼嫁に少女になれる技を追加していい?〕


別に問題ないが、どうしてだ?


〔なんとなく。少女状態の特殊能力は質系の魔法を操る能力に決定!〕


「さて、今日のところは休暇をやろう。ゲニウスの居る場所に送るから、適当に自己紹介して休むがいい」


「あまり自己紹介をしたくないんですが、とりあえず分かりました」


ちなみに送るための方法は、俺が元々使える魔法で送るので幼嫁でも安心というわけだ。


「おっと、その前にこれを持っていくといい」


寝る時には必需品だからな。


「これは布団と毛布じゃないですか!でも、東武さんの分はあるんですか?」


「貴様!この俺が敵の陣地で堂々と睡眠をとると思ったのか!」


「そ、それもそうですよね。でも、それならどうして持ってきてるんですか?」


細かいことを気にする部下だな。


「此処に来る前に勇者社の福引きで当てたものだ。俺が福引きの商品程度を使うわけがないだろう」


まぁ、俺が当てた物を他の者が当てて、俺の品格が下に見られても困るから貰っておいたがな。


〔それを幼嫁に使わせたら元も子もないと思うけど~?〕


べ、別に俺が捨てる物を部下が使っていても問題はないだろう!


「東武さん、ありがとうございます!」


「きき、げほっ!貴様の礼など必要ない!あと、俺を呼ぶ時には東武様と呼べ!」


ゲニウスにもそう呼ばせているのだから、平等に統一する必要がある。


「…はい、東武様!」


「気持ち悪い!やっぱり様付けはやめるんだ!」


統一は諦めるとするか。


「ちなみに俺が無傷だった理由は、俺の能力により自分を不老不死の状態にしていたからだ!…さて、送るぞ。住家への導き!」


幼嫁をゲニウスの居る場所へと転送する。


「ふぅ、俺は寝る」


〔敵の陣地だと寝ないとか言ってなかったっけ~?〕


寝込みを襲ったところでこの俺に勝てる敵など存在しない!


〔言うと思った。なら、布団と毛布をあげた理由は?〕


あんな物を使うくらいなら、地面に寝たほうがマシだ!


…少し寝心地はよさそうだったがな。

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