表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
10/22

九話 一緒にお風呂だけならセーフですよねぇ

@雑魚ベー@


神社が完成した元旦の次の日、この日の朝が上りました。


「ふふふふふふふ!遂に、遂に私の時代が来ましたよぉっ!」


「朝から馬鹿がうるさいな。特技、アイススイート」


[ズガガガガガァッ!]


「むはぁーっ!」


朝から騒いでたので冷たぁい攻撃を受けちゃいました。


しかし、これは私に対する好感度みたいなものです!


あ、ちなみに何を騒い出たのかを説明すると、私の青春は続いていたんです。


「悟の妹の一人と風呂に入れる嬉しさは分かったが、近所迷惑というか、家庭内に迷惑をかけるな」


雨双さんが説明しちゃいましたねぇ。


ま、そういう事になったわけですよ!


「というか、私の今の嬉しさを分かってくれたんですねぇ!」


「理解はできないけどな」


うぅっ、どうして理解してもらえないんですかねぇ。


「ちなみに私が帰ったら、貴方達ともお風呂に入りますからねっ!」


「あー、分かってる。だが、お前が変な気を起こさないか心配だ」


おや、私の精神状態や思考を信用していませんねぇ。


「大丈夫ですよ。私には暴走や興奮の状態異常は効きませんからねぇ。背中を流し合う時しか触れ合う機会はありませんよ」


「ついでに普段の発言や表現にも注意しろ」


小学生の雨双さんに発言や表現と言われましてもねぇ。


「というか、雨双さんは特星に何年くらい住んでるんですか?」


「あー、数えてない。本格的に住み始めたのは数年前だ」


だから、高校生並の知識とかを持ってるんですねぇ。


「数年前は羽双を探してたから、特星内の地理とかには強い方だ」


どうして羽双さんを探していたんですかねぇ。


私は職を転々として各地を回った挙句、変な海賊を始めて破産しましたからねぇ。一年程前は小学校の職員でしたが此処に引っ越したので、辞職届けを出さずに勝手に辞めましたよ。


それ以前の事は秘密ですが、私の気品さと上品さを考えれば、何をしていたか予想できますよねぇ。


「あ、もう風呂にカメラを持ってくなよ」


「って、雨双さぁん!こんなタイミングでそんな事を言ったら、皆に誤解されますよぉっ!」


確かに数日前までは、雨双さんとアミュリーさんの写真を撮ってましたが、今日からは毎日普通に二人と入浴するつもりなので、そんな事はしませんよぉっ!


「さて、そろそろアミュリーが起きるから、朝食を作ってくる」


雨双さんは朝食作りにいきましたねぇ。


ちなみに我が家の朝食当番は、私と雨双さんの日替わりですよ。アミュリーさんは寝坊する事が多いので、昼食と夕食の手伝いのみです。


「あ、お賽銭の回収を忘れてました」


昨日は元旦だったから多くの人が来ましたねぇ。


「おおぉっ!合計で三万六円もありますねぇ!」


まぁ、少女にあげたお年玉の合計よりは少ないですが、案外儲かるんですねぇ。


でも、元旦で三万って少ないのですかね?


「おはようだってばー」


おや、アミュリーさんが起きましたか。


「おはようございます、アミュリーさぁーん!あぁ、子供用パジャマを着てるからいつもより可愛らしいですよぉっ!」


「子供パジャマは可愛いという発言は、駄目な大人の第三十一位が言う言葉だと、昨日の特星のテレビに出ている人が言ってたんだってば」


何ですってぇ!


くぅ、昨日の新聞で番組を調べて、抗議の電話を掛けてやりますよぉっ!


「違いますよ、アミュリーさん。本当の駄目な大人はテレビに出ている人なんです。その人は本当に駄目な大人だから、自分が駄目だと気付かず、自分以外の人の事を駄目な大人と言ってるんです」


あ、私も自分以外の人を駄目な大人と言っちゃった。


「それはお前だろ」


うぉっ!いつの間にか雨双さんが!


「あ、雨双、おはようだってば」


「おはよう。あ、アミュリーはこの駄目な大人の話を真に受けるなよ」


雨双さんは再び調理に戻りましたね。


「ツッコミの為に戻ってきたんですかね?」


「ツッコミ魂だってば」


そういえば、前からアミュリーさんに聞きたい事があったんでした。


「アミュリーさんの、だってば。や、だっけ?って、キャラを作ってるんですか?」


「うん。他の瞳の時と区別を付けやすいから。あ、雨双には秘密だよ!」


うぉっ、アミュリーさんが普通に喋っちゃってるよ!


ちなみに忘れた人の為に説明しますが、アミュリーさんは瞳の色が変わると性格が変わります。いや、性格が変わると瞳の色が変わるんですかね?今の状態が元々の性格らしいです。


瞳の色の他に、口調や特殊能力が変わります。特殊能力を合計すると確実に五種類以上はありますねぇ。


その他にもいろいろな設定が多い神様です。


「なら、元々の性格に近いほどバカって設定は?」


この設定もあったはず。


ま、悟さんは思考内でも説明不足ですからねぇ。


「え、そんな性格は演じてないよ」


よかったぁ〜。頭がバカなのは演じていたのではなく、元々バカだったんですねぇ。


流石にそこまで演じられていたなら、少女の性格を見抜けなかった事になります。


ま、バカな事は既に分かってたんですよ?念の為にバカか確認しただけです。予想通り、根っからのバカだったようですけど。


「うぅ、なんだか凄くバカにされてる気がするよぉ」


「あ、バカでも勘は良いんですねぇ」


って、つい、口に出しちゃいましたぁ!


「あ、あの、気にしなくても大丈夫ですよぉっ!ほら、前にバカの良さを何処かで習ったじゃないですか!」


「第二部では習ってないし、バカだから忘れた」


あー、第二部では習ってませんねぇ。


「第二部といえば、私達の出番が増えたよね」


確かに私達の出番が急激に増えた気がしますねぇ。


「そうですねぇ。現に今は私達の生活を中心に話が進んでますからね」


「主役に近い存在なのかもしれないね」


まぁ、実際に私は悟さんの宿敵ですし、このような状況が本当は当然なんですけどね。


「あー、平和ですねぇ」


「うん。平和だねー」


これだけ平和だと、近い内に大事件が起こる気がします。


「そういう言葉は春に言うべきじゃないのか?あと、雑魚ベーが思考内でフラグを立てたな」


「わっ!う、雨双!」


「い、いつの間に居たんですか!」


いつの間にか後ろに居た雨双さんに私達は驚きます。


「えーっと、アミュリーがバカにされてた時だな。朝食ができたから呼びに来たんだが、話しかける隙がなかったんだ」


ツッコミ所は結構ありましたけどね。


「あの、私が標準語の事は?」


そういえば、アミュリーさんが標準語なのに平然としてますね。


「あぁ、学校に通ってた時に聞いたぞ。クラスの何人かに語尾の事を聞かれて普通に答えてただろ。雑魚ベーは職員室に居たから知らないだろうけど」


「私が私が職員をやってた頃ですか」


いやぁ、あの時は様々な少女が居ましたねー。


「そ、そうだっけ?」


今の、だっけ?は偶然ですね。


「あぁ、私の記憶が正しければな」


アミュリーさんの記憶よりは信頼します。


「雑魚ベーは朝飯を食べたら朝風呂に入るんだろ?相手が来る前に早く食べておいた方が良いぞ」


あれ、どうして私が行くのではなく、相手が来ると知ってるんですかね?


「あー、その理由か。朝食を作ってる途中で希求から、こっちへ向かうと電話があったんだ」


「なるほど、もうこっちに向かっているんですか」


あれ、今の会話に変な違和感があったような。というか、会話が出来てます?


「雑魚ベー?どうかしたの?」


アミュリーさんが心配していますし、気にしないでおきましょう。


「いいえ、言葉が一瞬理解できなくなっただけですよぉっ!」


それにしても、希求さんがちゃんと船に乗れてるか心配ですねぇ。






〜難破船を呼ぶ船着場〜


えーっと、看板に難破船を呼ぶ船着場と書いてあるのですが、この店の名前ですかね?


「これだと明らかに客が逃げるでしょうが」


まぁ、難破慣れした私なら大丈夫ですが、希求さんは難破慣れしてないでしょうからねぇ。


「店の名前はアレですが、本当に難破はしないでしょうね。ハハハハハハ」


「あれ、お前は神社の変態じゃないか」


「おや、神酒さんじゃないですか!久しぶりですねぇ」


私に話しかけてきたのは千宮せんぐう 神酒みきさん。この人は記紀弥さんの寺で働く幽霊です。寺では記紀弥さんの部下で、更に神酒さん部下にはキールさんという年上のサボり専門の部下も居て、苦労が絶えないらしいです。

他の記紀弥さんの所の幽霊と同様、幽霊になったり人間になったりできます。

特殊能力は本来は動きを操る能力なんですが、未熟で変化させるのが限度らしく、様々な動きを変化させる能力と本人は言ってるようです。非質系なので完全に使いこなせば凄い能力ですねぇ。


「小学生に飛びつく癖は治したか?記紀弥様に飛びついたら、微塵切りにするぞ」


「まぁ、今のところは大丈夫ですねぇ」


最近は私の冷静ゲージが高いので大丈夫ですが、普段は少女に飛びついて抱きつくスキンシップを使用してます!案外、良い方法だと思ってます!


「神酒さんも実体化するときがあるんですねぇ」


「寺以外では基本的に実体化するようにしているつもりだが」


まぁ、実体化していれば普通の人と変わりないですからね。


「ところで見てくださいよ。ほら、この看板ですけど」


店の名らしきことが書いてある看板を見せる。


「変な名前だと思いませんか?」


「あー、それは記紀弥様が考えたんだ」


ええええぇっ!


いや、あの普通の人がこんな名前を書くとは思えないんですが。


「私も最初は驚いたよ。だが、あの人は真面目にこの名前で笑いが取れると思ってるんだ」


「あお、そのギャグセンスはどうかと思いますけどねぇ。いや、記紀弥さんがこの店の名前をギャグっぽく言ったら可愛いですねぇ」


そういえば、この船着場をあわせて、この島のほとんどが記紀弥さんの物でしたね。


「ところで何をしているんだ?」


今頃な質問ですね。


「実は私と一緒にお風呂に入りに少女が来るから待ってるんです。神酒さんも私とお風呂に入りませんか?」


少々自慢げに言ってあげました。


「あー、なるほど。純粋な子供を騙したのか」


いやいや、私は純粋な子供を苛めるような真似はしませんよ!


「全力で必死に否定させてもらいます!で、神酒さんは何のようで此処に?」


「記紀弥様が大きな事件が起こる事を感じ取ったんだ。正しく言えば、特星全体が不利な状況に陥る可能性がある」


おー、有利と不利を操れるだけでそこまで分かるんですか。


「既に特星の住人の何人かが影響下にある」


うわぁ、それは物騒な話ですねぇ。


「影響下って、まさか操られて少女があーんな動きをするんですか!」


「どんな動きだか分からん。というか、操られる訳でもない」


あれ、こういう事件の大抵は見方が操られるはずですが。


「実際は本物が何処かへ拉致されて、記憶や能力や人格が同じの偽者が本物のフリをして他人を拉致するんです」


なんだか、病気並みに偽者が増える気がしますねぇ。


「拉致の方法は渦巻のような別世界への扉を使うらしく、それに入ったら戻る方法があまり無いらしい。言っておくが、お前や悟は特に気をつけたほうが良いぞ。一応他の特徴も教えておこうか?」


んー、待ってる間は暇ですし、聞いておいて問題に巻き込まれる以外の損は無いでしょう。


「じゃ、聞かせてください」


「まず、相手は表面は完全に本物と同じだが、中身は謎の物質が詰められている。これは本当に謎の物質で、記憶とか身体能力とかが人以上に成長するんだ」


偽者って機械化何かかと思ったんですが、謎の物質だったんですか。


「ちなみに能力が普通より高く、弱い相手は強制的に拉致するらしい。だが、普段はなんらかの形で人を騙すか、行動の分かる人の行き先に扉を仕掛けるかが多いな」


頭脳戦ですか、気に入りませんね。


ま、頭脳戦だろうと肉弾戦だろうと私に敵うはずがありませんけどねぇ!


「他にも相手の考えを読み、友好を高めてから異世界に拉致の組み合わせになる場合もある。よほどバカな奴以外は気付くだろうが、酔っ払ってる時には要注意だ。ちなみにキールのバカは寄ってる最中にさらわれたらしい」


あー、やっぱり。


キールさんの場合は拉致しに来ましたと言われたら、拉致されたなら仕事ができなくても問題ないとか言って、自らさらわれる気がします。


「それにしても、キールさんが偽者だとよく分かりましたね」


「本物なら普通に寺には入れるんだが、偽者は結界で入れないからな。偽者が入ろうとしたら、結界で阻まれて、更に特別な場所に強制転換されるぞ。あとは適当に普段の恨みを込めて苛めたら、私がさっき説明したことを話した」


神酒さんの苛めに興味が沸くんですけど。


「こんなところだ。あ、ちなみに船は難破したから来ないぞ」


「え、何でですか?」


まさか、私と希求さんがお風呂に入るのが羨ましく、動きを操って何処かへぶつけたんですね!


「あの船に乗ってたのは全員が偽者の人間だったからだ。本物の人が乗ってたのなら、私が難破させる前に異世界に送られたんだろう」


そ、そんなぁっ!


私と希求さんのお風呂タイムを邪魔されるなんて!


「希求さんとお風呂に入りたかったですよぉっ!」


「とりあえず、大声で叫ぶな。人に迷惑は掛からないだろうが、隣に居る幽霊の耳への迷惑を考えろ」


でも、良く考えたら希求さんなら、此処に迷って戻ってくる可能性がありますよね。


「あ、やっと港に着いた!」


ナイスタイミングで来たのは希求さんでした。


「希求さぁん!」


「むにゅー、どうして雑魚ベーさんが居るの?あ、もしかして、私が迷って船に乗れないと思ったとか?」


いや、確かに乗れないと思いましたが、此処に居る理由とは違いますねぇ。


〔少し失礼するぞ〕


いつの間にか幽霊状態になった神酒さんが、希求さんをすり抜ける。


〔うん、中は普通の人間と同じだった。ついでに言うと、血色の良い健康な体だな〕


体内を除いて本物か見分けたみたいですねぇ。


服だけをすり抜ければ、あの美しい体を見れるはずです!


「あ、神酒だ!」


「ん?って、お前は前に寺に迷い込んだ奴じゃないか」


いつの間にか人間状態に戻った神酒さん。


ってか、二人は知り合いだったようですね。


「むにゅー、神酒が寺以外に居るのは意外だねぇ。今から神酒が働いてた寺がある島に行くんだよ!」


「希求さん、此処がその島の船着場なんですよ」


「あ、そうなんだ」


恐らく、迷って海を越えて来たんですねぇ。


「迷子で海は越えないと思うが」


「むにゅー、それは素人の浅知恵だよ。能力が原因という意見も有るけど、特星に迷い込んでから特殊能力は覚えたからねぇ」


って事は、過去に能力無しで他の星に迷い込んだんですか。


「さて、雑談はそこまでにしてください。そろそろストーリーを進めないと、お風呂に入るのが次回になる可能性があります!」


過去の出来事を考えると、今回の事件に確実に巻き込まれますからねぇ。


「なら、私はそろそろ寺に戻らせてもらう。ま、今回の事件も主人公かチートが何とかするだろう」


って、人任せですか!






〜風呂場〜


という訳で、腰にタオルを巻いて私登場!


タオルと言っても、バスタオルなんですけどねぇ。


「むにゅー、どうして雑魚ベーが腰に巻いてるタオルはバスタオルなの?普通は腰から膝が隠れる位のタオルだと思うけど」


おお、希求さんが胸より少し上にバスタオルを巻いて登場ですよ!


体が小さいので、バスタオルが床まで届いてますが、それが良いんですよねぇ。


「ふっふっふ、確かにアニメや漫画などではそういうパターンが多いですねぇ。しかし、それが原因でタオルが取れてしまう事も少なくありません。私はそこも配慮してバスタオルを使っているのですよぉっ!」


バスタオルはタオルより取れにくそうですからねぇ。


本当はプールとかで着替える時に使うタオルが良いんですが、季節が冬だから売ってませんでした。


「それにしても広いねー。シャワーが三つもあるよ」


ちなみにシャワーは三つとも並ぶ形で設置してあります。


って、希求さんが真ん中を使い始めましたよ!


「いやぁ、お風呂場は三人用ですからねぇ。ちなみにお風呂は皆で同時に使えるように大きいのが一つあります」


恐らく、今日の夜に三人で使いますよ。


私達はとりあえず体を洗います。


って、希求さんがバスタオルを取りましたよぉっ!


「希求さん!私が背中を流しますよ!」


「そう?それじゃあ頼むね」


真横に居たのでは気になってしまいますからねぇ。


これは今度にシャワーの間に仕切りを作る必要がありますね。


「どんな時でも私は冷静ですねぇ」


「むにゅー、その割には背中を洗う手が凄く震えてるよ」


希求さんが真ん中を使ったのが原因ですけどね。


「はい、終わりましたよ」


「ありがとー。今度は私が洗ってあげるよ」


ふふふ、此処までの展開は私の予想通りですよぉっ!


私の予想ではこの後に私の事を詳しく知りたがる筈です!


「あの、雑魚ベーさんに聞きたい事が有るんだけど」


「ふむ、何でしょうか?」


ほら、予想通りでしょ!


ふふふ、どんな事を聞かれても私の評価が上がるように答えます!


「雑魚ベーさんは盗撮とかするよねぇ?」


「ええ、その事ですか。って、えぇっ!」


確信を持った言い方でそんな事を言わないで下さいっ!


それに、私が取ってたのはホームビデオの写真バージョンですよぉっ!


「何故その事を?って、うぉっと!」


ついつい後ろに振り向きましたが、裸だと一瞬で理解し、そのまま元の向きに一回転しました。


「申し訳ありませんでした!私とした事が一瞬希求さんの裸が見えかけました!」


これは真剣に正直に謝ります。


しかし、これは私が罰を受ける必要がありますよ!


「むにゅー、それなら大丈夫だよ」


うぅっ、希求さんは何て優しいのでしょう。


ですが、気持ちだけ受け取っておきます。


「いえ、これは私が原因です!こうなったら、シャンプーを両目に入れて死にます!」


「えぇっ!さっきのは大丈夫だし、シャンプーを目に入れると痛いよ!というか、シャンプーで死ねるの?」


確かに弱酸性ですが、殺傷力としてはイマイチですね!


「それに、しっかりは見えなかったよね」


確かにしっかり見えませんでしたが、罪状に変わりはありません。


「シャンプーでは物足りないので、シャワーの水を全開で口に突っ込んで溺死します!」


「むにゅー、人の話を聞いて!というか、私の体を一回よく見て!」


二度と少女が見れない私への褒美は嬉しいですが、同じ罪を繰り返す気はありません!


「私は先に旅立ちますが、褒美の必要はありません」


「褒美とかじゃなくって、無実の証明だよ!」


普通は死ぬ前に未練の言葉とか要りますよねぇ。


「最後に私と雨双さんとアミュリーさんの三人で、お風呂に入りたかったですねぇ」


「やっぱり最後まで少女の事だ!」






で、シャンプーとシャワーを使いましたが、結局生き残りました。


というか、目が凄く痛いんですけどぉっ!


「というか、特星で普通は死ねないんだよねぇ」


「というか、目が開けれない位に痛いんですけどぉっ!」


というか、というか合戦になってるんですけど!


「というか、飽きました!」


「むにゅー、私も」


あー、痛みが引いてきました。


って、お腹を触られてるんですけど!


「シャワーの水で結構お腹が膨らんだねー」


「あのー、希求さんは現在どの辺りを見ていますか?」


現在私は仰向け状態なんですけどねぇ。


「お腹辺りだよ」


おー、いろいろとギリギリセーフですね。


「そうですか。では、そこより下は絶対に見ないで下さいね。本気で自分を責めて、自殺を考える可能性が高いので」


「それは大丈夫だよ!」


そういえば、さっきも体を見られたことを大丈夫だと言ってましたね。


「希求さん、小学生でも兄弟でお風呂に入るんですか?」


「まだ入らないよっ!」


後々、入るつもりなんですね。


覚えてたら悟さんに教えておきましょう。


「むにゅー、一回私の体を見たら分かるよ」


「うーん、そう言われましてもねぇ」


というか、いつまでお腹を触ってるんですかね?


「あー、背中にゾクゾク感が出てきました。冬にお湯に浸からないのは厳しいですね」


「というか、私の事を信じてないの?」


いや、信じてないのではありませんよ!


「信じてないというか、疑ってるに近いんですよねー。ほらぁ、信じにくいとかなんですけど」


「信じて……ないんだ」


あれ、ちょっと声が小さくなったんですけど!


「うぅ……少女…だけなら…ひっく……信じてる、うぅ……雑魚ベーさんに………ひっく、信じてもらえないんだ」


ちょっと、特星で人が本気で泣くなんてあり得ません!


ってか、完璧に私が泣かせたんですよね。


「ああぁ、あの!と、とりあえず、あの…お、落ち着いてください!」


自分で言った事ですが、私がまず落ち着くべきだと思います。


「ひっく……ひっく…じゃあ、ひっく……信じて…くれる?」


「そんなの当たり前ですよ!」


ここまで言われたら、流石に目を開けるしかありませんよねぇ。


私は今から見る光景を覚えておくために、記憶の容量を調整します。


そして私は目を開けました。


「って、希求さんの体の数箇所にモザイクが見えるんですけど」


「むにゅー、だから大丈夫って言ってたんだよ」


平然とした顔で希求さんは笑っています。


「あれ、さっきまで泣いていませんでしたか?」


「あー、私の能力で声の聞こえ方を泣き声風にしたんだよ。私は普通に喋ってたんだけどねぇ」


それって能力の無駄遣いですよねぇ。


ってか、物理学と関係ないと思いますよ。


「ちなみに私から見たら、自分にモザイクがなくて、雑魚ベーにモザイクがついてるよ」


「自分にはモザイクが付いてないように見えるんですね」


第三者から見たら、モザイクの付いた、少女と良い男が居るように見えるんですね。


こんなことなら、もう少し早く見ておけば良かったと後悔してます。


「じゃあ、私は先に渦巻風呂に入ってるねー」


希求さんを見ると、既に体を洗った後のようです。私が目を傷めてるうちに洗ったみたいですね。


ところで、渦巻風呂なんて作った覚えはないんですが。


「そういえば、異世界への扉は渦巻みたいだと、神酒さんが言ってましたねぇ。希求さん、そのお風呂に入ってはいけません!」


「むにゅー、むにゅー飛び込み!」


って、飛び込んじゃってますよぉっ!


というか、むにゅー飛び込みって良い名前ですね!


「待ってくださいよぉっ!必殺、ジャンピング飛び込み!」


希求さんを追って飛び込む私でした。


あぁ、私って勇敢ですねぇ。






〜全速迷走の森〜


「むにゅー、また迷っちゃったなぁ」


「今のは希求さんが原因ではありませんよ」


渦巻によって送られた場所は森ですねぇ。


「あ、此処の地図でも出そうか?」


「何で持ってるんですか!?」


「私の能力で簡単に出せるよ。はい」


何処かから地図を出す希求さん。


能力を言わずに出すなんて、どれだけ便利な能力なんですか?


確かに物理学を無視してますけどねぇ。


「あと、すっぽんぽんで居るのは困るから、バスタオルも出したよ」


「おぉ、ありがとうございます!」


でも、それなら衣服を出した方が良いんではないでしょうか?


「ところで、何故私が盗撮してると思ったんですか?」


まさか、盗撮している私を更に盗撮して、二重盗撮のコンボを完成させる気ですね!


「あ、時間切れだから教えるのはまた今度ねー」


「え、答えは言わないんですか?というか、次も私は登場しますよね?」


希求さんは少し考えているようです。


「まぁ、少しなら出るかもねぇ」


「そんなああぁっ!」

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ