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3 最速の成り上がりリベンジ②




 女悪魔メルカに名前をつけて貰ってから、10万年が経った。


「はーい。《《アーク》》ご飯出来たわよー」

「うん。ありがとーメルカ」


 メルカが料理をテーブルに並べる。

 とても美味しそうな料理だ。

 どれも『なろうの料理モノ』で出てくる料理並に美味いに違いない。


「《《アーク》》は最近これが好きよねー」


 そう言って、メルカがチーズ的オリーブオイル風ポルチゲッソを勧めてくる。


「うん。それ好きー」


 チーズ的オリーブオイル風ポルチゲッソとは、よく分からない肉とよく分からないオイルで作られた料理だ。

 よく分からないけど、これも『なろうの料理モノ』で出てくる料理並に美味い。


 ちなみに……。

 先程からメルカが呼んでいる『アーク』とはオレのこと。


 10万年前に彼女に付けてもらった『アークマシュベルト・リンリン・アークバイティーンマッハポインティッド』というオレの名前。

 利便性の為、その最初の『アーク』をオレのあだ名としたのだ。


「あとこれも好きよねー」


 メルカがホイホイコーロコロを勧めてくる。


「うん。それも好きー」


 ホイホイコーロコロとは、肉だか魚だかよく分からない肉を、よく分からない調味料とわけの分からない調理方法で仕上げた料理だ。

 よく分からないけど、たぶんこれも『なろうの料理モノ』で出てくる料理並に美味い。


 もぐもぐと料理をたべる。


「アーク。口についてる」


 メルカがオレのほっぺたについているホイホイコーロコロを指でとって、自分で食べる。そして──

 

「アークはかわいいねー。何年経ってもかわいい」


 メルカがそう言って優しく微笑む。

 心から安心できる微笑みだ。


「メルカの方がかわいいよー」

 

 メルカはかわいい。

 外見はもちろん可愛いが、なにより性格がかわいい。

 趣味が『宇宙の星の数を数えること』だったり、『庭のチューリッポという花を目が出てから枯れるまでずっと愛でること』だったりと、とにかくかわいい。


「アーク、ご飯食べたらなにするー?」

「うーんとねー、うーんとねー……」

「うんうん」

「久しぶりにメルとデートしたいー」

「デートかー。そういえば最近してないねー」

「うん。どっかいこー」

「そうだねーどこがいいかなー?」


 メルが腕を組んで考える。

 メルとはたくさんデートした。

 だいたい太陽系の星をはじめ、ブラックホールも7コくらい渡った先にある惑星とかもデートした。


「あーじゃあどっか行くんでなくて、何するかで考えたいー」

「おーいいねアーク。じゃあ何しよっかー」


 メルがまた腕を組んで考える。

 メルとはいろんなことをした。

 

 巨大な惑星で一億キロの高さからスカイダイビングしたり、クジラの何千倍もある深海魚のおなかのなかに別荘を建てたり、小さな星で資源欲しさに別の国と戦争しようとする国の地下に、ガス資源を作って戦争しないよう平和的解決させたりと…………、いろいろなことをした。


「あっ」


 メルが何か思いついたようだ。

 ていうか、何かを見つけたみたいだ。5ムンキロほど先を見ている。


「なにかあったー?」


 オレも5ムンキロほど先を目を凝らして見る。


「ほらあれあれあの女の子ー。木から落ちそうだよー」

「あ、ほんとだ!」


 見れば5ムンキロほど先の惑星のなかで、女の子が木から落ちそうだった。


「助けにいこうかー」

「うん。助けにいこう」


 オレとメルは二人乗りヨットに乗る。宇宙を1ムンキロで飛ぶヨットだ。これなら5秒で女の子の下へつく。


「間にあってくれよっ」


 オレはサイヤ人の侵略と戦うクリリンたちを助けに行く時の悟空に似た心境で呟いた。

 

 ──が、


 いざ出発という時になって、オレたちの目の前に誰かが現れた。

 女だ。それも女神。

 背中に翼が生えている。


「やっと見つけましたわ」


 女神はオレを見て言った。



  ◇


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