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人生の終わりと始まり

やっと投稿。

あとがきにて言い訳してます。

 その日は、雨が降っていた。ザーザーと音を立てながら土煙を上げるほどの激しい雨だった。


 「はぁ…どうやって帰ろう…」


 そんな言葉と共に溜め息をついて俺は昇降口に座り込んでいる。


 佐倉華蓮、18歳、彼女いない歴イコール歳の数、童貞、ルックスは中の下、スタイル普通な冴えない高校3年生だ。

 そして、今は傘を持っていないこの状況で、どうやって家に帰るか悩んでいる最中である。

 朝の天気予報では雨なんて言っていなかったのに...

 お天気キャスターのお姉さんに恨み言を呟きつつ、今とれる手段を考える。


 取れる手段は3つ。

 1つ、親に連絡する。ただし、先程連絡したのだが連絡がつかないという絶望的な状況である。

 2つ、誰かの傘に入れてもらう。そして、思う。誰の傘に入れてもらうつもりなのだろう、俺は。近くには友達どころか、生徒1人さえ見かけない。みんな、もう帰ってしまったのだろうか。


 「やっぱり、これしかないのかぁ…」


 そして、取りたくなかった3つ目の手段。


 全力疾走で帰る。


 そして両膝を思いっきり叩いて立ち上がり、覚悟を決めて駆け出した。

 







 このとき、もう少し待っていたら、あるいは誰かに傘を借りたりしていたら、コンビニで傘を買っていたら…


 こんなことには、なっていなかったかもしれない。










 ザーザーと音を立てて降っている雨が俺の顔を濡らし、地面を濡らし、俺からとめどなく流れている血を流していく。


 俺は道路に仰向けに倒れている。

 

 視界の端では俺をはねたトラックがガードレールに激突し煙を上げている。


 

 なんで、こうなったのだろう。


 頭のなかでそんな疑問が繰り返し浮かんでくる。しかし、何を悔やもうがすでに遅く、徐々に体の感覚がなくなってくる。

 熱かったところがだんだん冷たくなり、そして何も感じなくなる。

 聞こえていた音がだんだん聞こえなくなる。

 見えていたのもがだんだん見えなくなっていく。

 自分がまだ生きているのか、死んでしまったのか、もうわからない。

 


 そして、華蓮の意識は闇に沈んだ。




























 「あ〜、やっぱ俺たちの子は超可愛いなぁ」


……


 「だって私たちの子供よ?可愛いのは当たり前じゃない」


…………


 「将来は俺みたいな立派な剣士になるかな?」


……………………?


 「私みたいな立派な魔法使いになるかもよ?」


……………………え?


 「じゃあ良いとこ取りして魔法剣士とか!」


 え?ちょ待てよ。


 「良いわね!魔法剣士!」


 ど、どゆこと?俺はさっきトラックに…



 「おぎゃぁぁぁぁあああぁぁぁあぁぁああ!!!」

 「え!?急にどうしたの!?」

 「嫌な夢でも見たんじゃないか?」

 「お腹すいたのかな?おしめじゃないし…」


 分からない、意味が分からない!

 確かに引かれた、その感覚は嫌でも離れない。気持ち悪さが胸を掻き毟る。

 そもそも、なぜ俺は今見知らぬ女性に抱かれているのだ?

 今の俺はどうなっているんだ?身体は自由に動かすことが出来ない、視界は霞み、喋ろうとしても声を出すたびに赤ん坊のような声しか出すことが出来ない…


 ()()()()()()()


 身体は自由に動かない。

 視界は霞み、聴覚だけが働いている。

 唯一見える自分の手であろうものを霞む視界で見てみると赤ん坊のように小さかった。


 あぁ、そうか。


 どうやら俺は、転生したらしい…


 そこで俺の思考は途切れた。







────────────────────────







 「…ふぅ。寝たわね」

 「やっぱり俺たちの子供だな!めっちゃ元気良い!」

 「元気良すぎるのも困りものだけどね」

 「いやいや、子供は元気なのが1番さ。…この子には幸せに育って欲しいしな」

 「そうね。幸せを感じられるようしっかりと育ててあげないとね!」

 「あぁ!なんせこの子は俺たちアールヴァング家の長男なんだからな!」


 そう言って、俺は我が子の頭を優しく撫でる。小さくて、触ったら壊れてしまいそうなその頭を、そうっと、傷つけないように…大切に…







────────────────────────







 あれから約3年経った。


 これまでの間に色々整理して分かったことがある。


 まず前世、俺は佐倉華蓮として生きていた。歳は18歳の健全な男子高校生だった。


 そして、下校中に歩道に突っ込んできたトラックに引かれて死んだ。


 そう、死んだのだ。あの死の感覚は今でも忘れることが出来ない。思い出すだけで吐き気がこみ上げてくる。


 しかし、目を覚ました。次の人生が与えられた。今までにあれこれ調べて分かった。転生したのだ。しかも、ただの転生ではなく異世界とつくものの。

 異世界転生のことやその後の情報収集のなど、比較的冷静に対応できているのは前世でこういう異世界ファンタジー系のサブカルチャーにはまっていたからである。オタクバンザイ。

 

 話を戻すが、この世界は異世界だった。

 世界には魔物が跋扈し、少数ながらも人間以外の人種が存在し、もちろん、魔法も存在する世界。

 今まで小説などでしか見ていなかった異世界に自分が迷い込んだのだ。


 では、俺の今の立ち位置を再度確認していこう。


 俺はアールヴァング家の長男、ロイス・アールヴァングとして約3年前に生を受けた。


 家はのどかな田舎に建っていて 他の家より少し大きめだ。


 父の名はグレイス・アールヴァング。この国の近衛騎士団の団長らしいが普段の雰囲気からするにそんな欠片微塵も感じない。俺に対してはとてもだだ甘である。


 母の名はローレイア・アールヴァング。母はこの国の宮廷魔術師らしい。母が魔法を使うとこは見たことあるし、父に時々見せるドSっぽい表情からその可能性は極めて高いと言える。


 そして、罵られて悦ぶ父よ…しっかりしてください。

 もうひとつ、2人でハッスルするのならちゃんと息子が寝たのを確認してからにしてください。寝たくても寝れません…


 そして、異世界転生といったらチート能力だが、これがまだ確認できていない。それはなぜかと言うと、この国の言葉や文字は日本語ではなかったからだ。

 何も読めないし、言語はなんとか覚えたが文字を完全に理解したのもここ最近だったので手付かずのままだったのだ。


 あと、この国についてだが俺がいる国はガーヴェン王国というらしい。詳しいことはもっと大きくなってからでいいだろう。


 実は明日でちょうど3歳なのだ。この国には3の倍数の歳に誕生日パーティーをするらしい。理由は知らないが。


 そして、明日を機に鍛え始めようと思っている。何事もやり始めが肝心だ。小さい頃から鍛えていればある程度できるようになるし、才能の有無やそれこそチート能力が判明するかもしれない。なので明日から本格的に父と母に訓練を頼もうと思っている。


 あの駄々甘夫婦が許してくれるかどうかは別の話だが…


お久しぶりです、倉瀬です。

やっと投稿することが出来ました。いつまでたっても投稿できなかったのはひとえに仕事が忙しかったからです(`・∀・´)エッヘン!!

ゴメンナサイ・・・

これからはなるべく週1ペースで投稿していきたいと思いますのでよろしくお願い致します。

あ、あと文字数が少ないのはご愛嬌というとこでどうか(汗)

感想や指摘ありましたらどんどん下さい!お待ちしております。

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