洗顔
甘噛みで紹介したハナ。
よく私に懐いていて可愛いんですよね。
毛繕いをよくしてました。
顔もよく洗ってました。
迷信として猫の洗顔で耳の裏まで洗うと翌日雨だとか。
しかしよく顔を洗う猫に対しては意味はない。
ハナは翌日に降っても降らなくても顔を、そして耳を、中から裏まで丁寧に洗ってましたから。
そんなハナ。
ハナの奇麗好きは留まるところを知りません。
外猫なんで帰ってくると砂が付いてます。
肉球の間にも。
それをハナは手(前足)の指を開いて、じゃんけんのパーのようにし、指の間まで舐めとります。
右手も左手も、後ろ足も。もちろん左右両方。
体を舐めればお腹も背中もぺろぺろと。
尻尾も忘れず、キャンディーのように手で握って、ぺろぺろと。
猫って奇麗好きなんだなあって思っていました。
他の猫はそこまでしません。
しかしハナは寝てるときに突然起き上がって、ぺろぺろと。10分ほど。
膝の上で人の顎を蹴り上げ、お腹をぺろぺろ。
他の猫は、毛繕いを見かける方が珍しい。
回数もそうだが一回の時間も半端ない。
他の猫が1分もしないし。
そして仕上がる、その毛並みは空気を孕んで極上に。
人の髪のように寝ている髪をスプレーとかでふわっとした手入れを、常にしている感じか。
その弊害が毛繕いした周囲だ。
布団の上だと、シーツが上が開いてるタイプで、間に砂が大量に。
椅子の上だと隙間に砂利が……
あと引っ付き虫とかね。
ハナは、よく体舐めてるから喉が渇くのか、それとも鍛えられているのか、よく水を長時間飲んでいます。
ある朝、私が洗顔していると、隣に気配を感じました。音や温もり?
気にせず手桶で水を貯めていました。
しかし、音が聞こえます。
――ぺろぺろぺろぺろ。
薄っすら目を開けるとハナが手桶から水を舐めてました。
仕方ないので、待ってると。
――ぺろぺろぺろぺろ。
なかなか終わらない……
――ぺろぺろぺろぺろ。
長い……
朝から疲れる一日でした。