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第4話 村にいる鬼、全員ぶち殺してやる

評価、感想、気軽にどうぞ!

誤字・脱字等ございましたら、教えていただけると幸いです。

読んでくださりありがとうございます!


窓の向こうで化け物が村人を喰らっていた。

この家からかなり離れたところに化け物がいたのだけど、俺にははっきり見えた。

人間が喰われていく瞬間を……


気がつくと、涎が垂れていた。

人間が化け物に喰われているというに、俺はおいしそうだと本気で思ってしまった。

本能が、あれを欲しがっている。

自分でも怖いほどに……。

急いで俺は涎をふき取った。

あんな事をしては駄目だと必死に自分に言い聞かせ、鞄を持って部屋を飛び出した。


「あら!?ラスティー。どうしたの?そんなに慌てて」

部屋を出たとたんに俺はママさんにぶつかった。

ママさんが不思議そうに首を傾げている。

俺はママさんをおいしそうだと思っていない事に一部ほっとした。

ママさんは化け物が暴れていることに気づいていないらしい。

「変な化け物が暴れてる!早く逃げないと駄目だよ!!」

俺は必死になって叫んだ。


「なんですって?それは本当?」

ママさんが驚いて聞き返してきた。

「本当だよ!窓から見えたんだ!」

ママさんは真剣に俺の話を聞いてくれた。

窓から外の様子を確認したママさんの顔がさっと青ざめる。

「わかったわ。急いでナナとライムを連れて森に逃げるわよ」

「うん!」



俺はライムの部屋のドアを手荒く開けた。

「大変だよ!化け物が村を襲ってる!」

「は?何を言ってんだ…」

ドカンッ!!

また爆発音がした。

しかも今のはさっきよりも近い。


「……な、なんだ!?」

「だから、化け物が来てるんだよ!早く逃げないと!」

俺の慌てぶりと今の爆発音でライムは信じてくれたようだ。

「わ、わかった。母さんはどこだ!?」

「えっと、ナナちゃんを捜しに行ってる!」


俺がそう言うと、ライムは壁をガンッと叩いた。

「なんだって!?ナナはさっき出かけていったぞ」

ライムの顔が引き攣った。

流石はシスコン。

「きっと、大丈夫だよ!だから逃げよう!」

俺はライムを連れて部屋から飛び出した。




「ナナ、一体何処なの?」

その頃ママさんはナナの向った店まで走っていた。さっきから何度か爆発音と悲鳴とが聞こえてきている。

けれどもそれは反対方向だ。

村の人たちは何事かと騒いでいる。

まだこの辺りには何か化け物がいることに気が付いていない様だった。

「おねがい、早く見つかって!」


ママさんが息も絶え絶えに走っていると、前にナナの姿があった。

「ナナっ!!」

必死の形相でママさんがナナに駆け寄る。

「あれ?ママ。さっきから何が起こっているの?」

ナナは何が起こっているのかわかっていないようだ。

「そんな説明は後よ。まずは逃げましょう」

急いで安全な場所に向かおうとママさんがナナを引っ張った。


刹那、すぐ目の前の店が爆風と共に吹きとんだ。

周りにいる人たちが何事かと集まってくる。

「μgжτpξπ?」

爆発した店からそんな意味の分からない言葉を言う化け物が姿を現した。

額から角を生やし、真っ赤な目をした化け物が不気味な笑みをこぼす。


「ひ、人喰い鬼だ!!」

「逃げろー!!」

「きゃぁああ!!」 

村人たちはその化け物を見ると叫び声をあげながら走り去っていく。


「$wζ*ρφ??」

化け物、人喰い鬼は赤い目で楽しそうにそんな人間を眺め、近くで転んでいた若者の首を掴んだ。

若者は苦しそうにもがく。

目が焦点にあわず、ぐるぐる回ったかと思うと白目をむいた。

そんな若者の様子をしばらく眺めると人喰い鬼はその若者の首を噛みちぎった。

血があふれだし、人喰い鬼は返り血を浴びたが、それすらも楽しそうに不気味に笑っていた。


「ママっ!」

「早く!」

ママさんとナナは人ごみに紛れて反対方向に逃げていた。

人喰い鬼は村の人間を喰らっている。

今のうちに逃げなければ逃げ切れない。


人喰い鬼は若者を喰らったあと、地面を軽く跳んだ。

だが、それは軽くといえるものではなかった。

その軽い跳びで人の上を大きく飛び越えると、逃げる人々の前に着地した。

「ひ、ひいっ!?」

「こ、こっちに来た!?」


「νγзюλυδ!」

逃げる村人のなかで遅れた者、運が悪かった者が次々に喰われていく。

ママさんとナナはそのなかで逃げるのが精一杯だった。

涎を垂らした人喰い鬼が人間を喰らっていく。



「はあ、はあ、はあ、ここまでくれば大丈夫かな?」

「まあな。けど、化け物がこっちに来るかもしれないし、油断は出来ないね」

俺とライムは村の外れの森の中で息を潜めていた。

村を見ると、二匹の化け物が暴れていた。


「あの化け物は……何?」

俺は何となく察していたがライムに訊ねた。

「人喰い鬼だよ。人間と似たような格好してるくせに人間を喰らって生きてるんだ。話す言葉は気味が悪い。それに幼い子供を躊躇いもなく喰らっていくんだ」

ライムが唇をかみしめる。

その顔に見えるのは人喰い鬼に対する憎悪だ。

……小さい子供を躊躇なくって俺、絶対無理無理無理!


「お前だってペロッと食べられるぞ」

「こ、怖いな……。ママさん大丈夫かな」

「……大丈夫って言ったのおまえだろ。今更心配しても…」

ライムも強がっているようだけれど、本当はすごく心配なはずだ。

ライムにとって、かけがえのない家族なのだから。



村人たちはみんな散り散りに森の中に逃げ込んでいき、村にいるのは逃げ遅れた人たちだけとなった。その中に、ママさんとナナがいる事を俺達は知らなかった。



「オヤ?コンナ所ニニンゲンガイルナンテ、運ガイイナ」

俺の後ろから、そんな声が聞こえた。

「はっ!ライム、後ろ」

「ちっ、こいつ人喰い鬼だ。やばいぞ」

俺とライムが後ろを振り返るとそこには人喰い鬼が立っていた。


人喰い鬼は角がなければ人間とほとんど変わらない姿をしていた。

二十歳ほどの大柄な青年の姿の人喰い鬼は、俺を見ると首を傾げた。

「ン?ナンダ?オマエ、ニンゲンジャナイダロ。オレノ言葉ワカルヨナ」

「っ!?な、何で……」

「早く逃げるぞ、こんな意味不明な事を言ってる隙にでも!」

ライムには何を言っているのか分からないらしかった。


「待テ、オマエ何故ニンゲンノ言葉ヲ話セル?」

逃げ出した先にさっきの人喰い鬼が現れる。

「なっ!?早い」

「な、何でって言われても……あっ」

俺は思わず人喰い鬼に言葉を返しかけた。

人喰い鬼は、俺が日本語を話しているから意味は分からないだろうがさっきので通じているのが分かってしまったようだ。


人喰い鬼が俺に手を伸ばしてきた。

「ま、待てっ!!」

ライムが止めようとするが、俺を掴もうとする手と反対の手で軽く吹き飛ばされた。

「ライムっ!!」

ライムの体が地面にたたきつけられる。

死んだ様に動かなくなってしまったがライムは気絶しただけのようだ。


「ホウ?ニンゲンノ心配ヲスルノカ。ソレトモオマエノ獲物カ?」

俺は、人喰い鬼に胸倉を掴まれた。

鞄がずり落ちて、中に入っていたナナの手鏡が地面に落ちる。

「くっ……ライムを獲物扱いするな!」

「何ヲ言ッテルノカ、ワカラナイ。鬼ノ言葉ヲ話セ。アノ獲物、俺ニ寄コセヨ。餓鬼」

ライムを喰う?ライムをお前なんかに……


その時、俺の中の何かがぷつりと切れた。

「オ前ミタイナ奴ニ……」

「ヨウヤク話シタカ。オマエモ鬼ナラ年上ノ言ウ事ハ聞ケヨ」

「ソンナ事、絶対シネエ!テメエナンカブッ殺ス!!」

俺は今まで抑えていた何かをこいつにブッ放した。

それは俺の中に溜まっていた大量の魔力だった。

ドッカァァアアアン!!


今までにない爆発音を立てて俺の目の前が吹き飛んだ。

そして、同時にさっきの人喰い鬼の気配が消滅した。

俺の目の前が爆発の煙から晴れたとき、目の前はクレーターのようにへこみ、草木がその一帯吹き飛んでいた。


「村にいる鬼、全員ぶち殺してやる」

力が湧き出てくる。

ライムを傷つけた。村の人たちを傷つけた鬼を俺は許せない。

俺は村の方を向いた。

まだ鬼が人間を追いかけている。

人喰い鬼に俺は敵意をむけた。


「……ラス…テ…ィ……?」

後ろからライムの声が聞こえた。

さっきの爆発で目が覚めたようだ。

「お、お前……な、なんだよ……その…姿」

ライムの声は震えていた。


地面に落ちて、一部がひび割れてしまったナナの手鏡に映っていたのは、人喰い鬼と同じ赤い目、角を生やした俺だった。

赤い瞳が冷たく光っている。

ああ、俺も同じ化け物だ。


「……ごめん、騙すつもりはなかったんだ」

俺はライムの方に振り返らずに言った。

振り返って言う勇気がなかった。

「……さよなら」

これでいい、どうせ一緒にいれないんだから。


俺は地を蹴り、そこから跳び上がった。

ライムがどんな顔でこっちを見ているのか見ていない。


A:やっほー!Aだ!あとがきの時間が始まるぜ!

B:どうもBです。今更ですが、読み飛ばしてもらって大丈夫ですので……

A:はあ?俺の出番を読み飛ばすだと……!?

B:だってこれはただの作者の趣味だ。

A:俺たちは作者の趣味のためにあとがきでタダ働きしてんのかよ!?

B:まあ、そうなるな。

A:畜生!作者ぁぁああ!!アルバイト代寄こせぇぇええい!!

B:何故に金を請求!?

A:ふっ、俺は金が命なんだ!!

B:じゃあ、お金を払ったら何でもするのか?

A:おうよ!

B:何でもか……?(邪悪な笑み)

A:あ!体は売らないから!!絶対!!

B:そんな事しねーよ馬鹿!

A:じゃあ何だよ。

B:この作品の評価を一週間以内に一ポイント以上あげる。

A:……無理。

B:即答かよ。まあ、評価が欲しいって欲望丸見えだしな。

A:何なら感想でもいいんじゃね?

B:よし、文句を書いて送りまくろう。

A:たぶん次の日に公園で寂しく石を蹴ってるだろうな!

B:その様子を写真に撮って脅しに使うのはどうだ?

A:それいい!本編に出せ~って念を送る。

B:ふははははは!

A:がははははは!

     ……続く?

B:一万円やるからAよ、宣伝をどうぞ。

A:何っ!?感想や評価を待ってるよ!気軽に送ってね♪

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