第1話 転生したら人喰い鬼の子供だった
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「……ここは何処だろう」
俺が目覚めたのは奇妙に光り輝く巨大樹の下だった。
その時、俺は自分の身体に違和感を覚えた。
「……あれ?何か変だ」
俺の体が、いつもよりずっと軽く感じるのだ。
俺は自分の手を見た。
小さな子供の手だ。
だが、そんなはずはない。
俺は、普通に学校に通う高校生のはずなのだ。
「何が、どうなって……」
その時、俺は思い出した。
学校の帰り道、運悪く電車のホームから落ちたことを。
「え?……俺、死んだんだっけ?じゃあ、これって…」
俺は辺りを見回す。
とても、地球のどこかとは言い難い不思議な景色だった。
奇妙な泣き声が聞こえたので空を見上げると虹色の鳥が飛んでいた。
木々の上には目玉が幾つもある何らかの獣。
よくゲームに出てくるような魔物みたいな生き物がそこらじゅうにうじゃうじゃいるのだ。
「ま、まさか……異世界転生!?」
俺の胸は高鳴っていた。
異世界転生でチート能力を手に入れて世界を救う!
漫画やライトノベルを読み漁って、俺もそうなればな~なんて考えていたこともあったな。
まあ、前世がオタクだったし。
「よーし!そうとなりゃさっそく……何しよーか?」
勢いに任せて見たものの、俺がどんな状況なのかまだいま一つ分からない。
「せめて女神が出てきてくれたらな~」
そんな事を言っていると巨大樹が輝きだした。
「うわっ!?なんだ?」
俺は驚いて巨大樹を凝視する。
『うわっ、なんて失礼な。女神ちゃん泣いちゃうぞ』
現れたのは長髪の金髪碧眼の美少女だった。
普通の人間とは違う神的なオーラが溢れている。
「すごいけど胸ないな……」
俺はその少女に興味を失い、溜め息をつく。
『な!?私に対して何だ?最初から態度が失礼失礼失礼!!』
「女は胸がないと興味なし」
『貧乳ロリっ子だって人気だろ!?』
「ふーん……しゃべり方がそれじゃね~せめてじゃを語尾に付けるなら…」
『ああーもう!いちいち注文が多いぞ!……て、そんな事より何か困ってないか?』
女神が俺に聞いてくる。
「いいえ、結構です。お帰り下さい」
困っていることと言っても特にあるわけじゃないし。
今はこの世界の事を知りたいとは思うけれど、女神から全部聞いてしまっては面白みがない!
『出て来いと言ったのはお前だろ?何だその態度は!!』
すると女神は頬を膨らませて俺を睨んでくる。
「怒るとはげるよ?」
『何!?』
これに女神は自分の髪を確認した。
そのくらいで禿げるわけないだろ。バーカ
『全く!お前を転生させたのはこの私なんだぞ!ありがたく思え!』
「ヘーソーナンダー」
女神は棒読みで答える俺にいらついているようだが、次には真剣な表情で俺を見た。
『だが、残念なことにお前は人ではない』
俺はこの言葉を聞いて自分の体をもう一度確認した。
どこから見ても人間の子供の体である。
『見たところでわからんよ。お前は人にまぎれ込み、人を喰らう人喰い鬼なんだから』
「は?」
俺はこの瞬間とんでもないものに転生させられた気がした。
『あ、時間だ。今日こそは天界の食堂でカレーパンをゲットだ!のがせん』
女神は何故か腕に付けている腕時計を確認して慌てた様子を見せた。
「どっかの学食かよ」
『さらばだ、ラスティー君。また、会いたかったら呼ぶといいぞ』
「え、ラスティーって?」
『お前の新名前だ!さらば~』
それを言い残すと女神は光と共に消え去った。
「ついでみたいに名前を言うんじゃねえ!」
そして、ほとんど何も聞かされないまま女神は去っていった。
あれ?女神が何で腕時計持ってるんだ……?
:*:*:*:*:*:*
「はあ、はあ、はあ、どっち行けばいいんだろ?」
俺はあの後、とりあえず森から抜け出そうと道も分からず歩き続けていた。
「もう、2時間は絶対経ってるのに……っていうか、この世界も地球と同じ時間経過するのか?」
独り言を言いながらも足は止めない。
「っあ、はあ、はあ……おっと危ない」
俺は何かにつまずき、バランスを崩した。
小さいこの体は何かと動かしにくい。
ガサゴソガサッ
「ん?何か音がしたような……」
俺が足元を見ると、そこには蛇のようで蛇でない奇妙な生き物が三つの目をギラギラさせながら此方を睨んできていた。毒でもありそうなどす黒い斑点に血の様な赤い目。噛まれたら一発アウトみたいなやつが牙を俺に向けていた。
その蛇の体をよく見ると、踏まれたような跡が……
―――あ、それ俺か、なんかごめん。
「ゲームなんかじゃ雑魚っぽいけど俺、今子供だから!能力分んないから!経験値いらないから!!」
「シャ――!!」
蛇(?)はいきなり俺に向かって飛びかかる。
俺はとっさに半歩下がると、全速力で駆けだした。
「全力逃走~!……て、ついてくるなぁあああ!!」
蛇(?)は俺の後を追いかけてきている。
三つの赤い目が俺に殺気を送ってきている。
っていうかこいつ本当に蛇かよ!?
慣れない山道を転びそうになりながら走り抜ける。
その時俺は気づいた。
走る速度がおかしいくらいに速い事に……
ザザッ
俺は急に立ち止まると後ろを振り返る。
蛇野郎が俺目掛けて突っ込んできた。
「動きが……見える!」
俺は蛇野郎の体を両手でつかむと力いっぱい握りつぶした。
蛇野郎は奇怪な叫び声を上げ、口から血反吐を吐きだす。
「き、気持ち悪~!!」
その感触に思わず目を逸らす。
そして、ぱたりと動かなくなった。
「……死んだ?」
蛇は黒い霧となって消えていった。
「ふう。危なかった~」
ここからは足元にも気を配らないとな。
俺が一息ついたとき、遠くの方でまた何かの音が聞こえてきた。
また何か化け物が襲いかかって来るのかと身構えるが、それは誰かの足音のようだった。
「早く村に帰ろうよ。お兄ちゃん」
「よし、早いとこ帰って遊ぶか!」
俺の耳がその声を聞いた。
確かに人の声だ。
人肌が恋しくなったのか、気付けば自然にその声の方に歩いていた。
「わーい!お兄ちゃん大好き!」
声はだんだんはっきり聞こえてくる。
だが、姿は見えない。
「何処に……うわっ!?」
俺が木を通り過ぎたとき、横から来ていた誰かとぶつかった。
「おわっ!?」
ぶつかった相手は先ほどの声の主だった。
歳にして十代前半程の少年と幼稚園児ぐらいの少女が俺を見て驚いていた。
二人は兄妹らしく、同じ茶色の髪に青空のように透き通った青い目をしている。
どちらかというと西洋風な顔つきをしていた。
「危ないだろ……ん?お前見かけない顔だな」
「あ、いやその……旅の者で……」
俺は、話すことを何も考えていなかったことに今更気がついた。
「そんなはずないだろ?お前歳は?妹のナナより小さいのに旅なんて」
少年が俺を探る様にじっとこちらを見てくる。
ぎくっと体が強張る。
体が子供だってこと忘れてた!!というか、俺そんなに小さいの!?
「ママとはぐれちゃったの?」
少女が優しく訊ねてくる。
「そ、そうなんだ!はぐれちゃって」
冷汗が頬をつたう。
「お兄ちゃん、困ってるみたいだよ?村に連れて行ってあげよ?」
「ん、ナナが言うなら。ま、そのまま放っておくのも可哀想だしな」
どうやら、俺は親とはぐれたことになったらしく、村に連れて行ってくれるそうだ。
こんな変な森から出られると思うと安堵のため息がでた。
「私はナナ、こっちはお兄ちゃんのライム。君は?」
少女が俺に向かって笑う。
「お、俺は…ラスティー」
初めて名乗ったけど、違和感しかない……
「妹に惚れたら殺すからな」
「は、はあ……?」
いやいや、俺、こんな餓鬼には興味ないから!ロリっ子としては成立するかもしれないけど、幼稚園行ってます~って年齢じゃねえ?小さすぎんのは恋愛要素に入らねえよ!!
第一に女は胸だ!!
ん、待てよ、異世界ならエルフいるんじゃね?
うぉぉおおお!!何か燃えてきたぁぁあ!!
前世、日本の男子高校生。オタク
今世、異世界の人喰い鬼。子供
俺はこの世界でどうやって生きていこうか……
B:どうも皆さん初めまして、又はまた会いましたね!
A:わははは!作者よ、思い知るがいい!俺たちはあとがき欄を支配し始めているのだ!
B:はい、読者の皆様。馬鹿は放っておきましょう。
A:てめえ!俺抜きでしゃべってんじゃねえよ!
B:さて、「転生したら人喰い鬼だったけど、人間生活送りたい」を読んでくださりありがとうございます。
A:おいこら!こんな作者の話の宣伝なんてして何になる!
B:字足らずな所がございましたらすいません。面白い話になるよう頑張っていきたいです。
A:なぁぁああああ!!無視すんじゃねえ!
B:うるさいぞ。まずは宣伝が大事なんだ!
A:んなこと知るかよ!
B:宣伝しないと、この話を読んでくれる人がいない。
A:あとがきで宣伝しても意味ねえだろ……
B:読んでくれる人がいなくなれば俺たちは消える!
A:あああああああ!!そうだった!
B:消えないためにもまずは宣伝だぁぁあ!!
A:イエッサー!!
B:少しでも多くの方に面白いと言っていただけるように努力…
A:そんなもん堅苦しいわ!!俺が見本を見せてやる!
B:なっ……馬鹿にそんな事が出来るのか……?
A:あの~、このお話とっても面白いの。見てくれたら花子、嬉しい♪
B:ブハッ!だははははははは!!!そういえば、お前ロリっ子だったな
A:なんだよ!折角本気モードで上目づかいしたのに
B:うん。やめろ。男口調やめたらもてるだろお前
A:あ?男どもに何でモテたがらなきゃいけねえんだよ?
B:……。
……続く?
A:いや~、あとがきが長いな!
B:お前のせいな。