プロローグ
初投稿です。
ー勇者と魔王ー
この世界に於ける超越者であり人間と魔物の頂点でバランスを司る調節者。
それは正にこの世界の人間と魔物の対立を縮図で表したような存在。
ー黒と白ー
俺こと【漆黒のレイ】は西の都・ノウダランの王城、王の私室に居た。
玉座に座る、その人物ーーガウル王ーーに呼ばれて馳せ参じたからだ。
茶色の短髪、法衣のようなものの上からでも分かる鍛えられた体、王に相応しい威厳のある角ばった顔。
だが、なんというか人なつっこい笑顔でこちらを見ている。
「ガッハハハ、よく来たな。【漆黒のレイ】」
俺は、王の御前にて片膝をつき少し俯いた最敬礼の姿勢を取った。
無防備な首筋を見せるこの動作は、”何時でも首を刎ねて構わない”という意思表示だ。
無理も無い。王の私室で天上人と言える王と二人きり。
幾ら希少な”黒”属性使いとは言えど、異質な待遇だ。
『この度は、私の様な平民に謁見の機会を・・・』
「まぁ、休め。」『は!』
挨拶は王の言葉に遮られた。緊張が走る。もっとも、ガウル王は自然体の様だ。
咄嗟に短い返事をしたが、どうしてよいか分かなかった。
だから俯いた姿勢は崩さない。まだ顔を上げよとは命令を下されていない。
「…あぁ…面倒くせぇな。命令、そこに座れ、話をする。」『は!』
見たことも無い豪華な椅子、そこを指されて顎で促される。
ここまでくれば顔を上げ座らねば無礼だ。
「よし、じゃ話すぞ。俺の私室でする話だ。意味は分かるな。」『…は!』
少しガウル王の声のトーンが落ちる。
非公式、他言無用。俺も16歳だ、当然理解している。
「先日、魔王復活の神託が下されたのは知っているな??」
『存じております』
当然だ。この世界にすむ人間なら誰でも知っている。
「ありゃあな、ウソだ!ついでに言うと、この世界には神託を下す神なんか居ねえ!!」
『…』
あー俺フリーズしちゃったわ。理解不能だわ。
声をあげていたならフェ!?とかファ!?という間抜けな声になっていただろう。
ガウル王は重いのか軽いのか分からないトーンで言葉を続ける。
「…神を信じろって言う俺が、神は居ないなんて言えば…こうなるよな…まぁいいそのまま聞け。
神託ってのはな、俺たち偉〜い人がな、神を語って都合よく言葉を届けてるだけだ。」
偉〜い人て。フリーズした脳ではよくわからん角度からその言葉だけ刺さった。
「んでだ。今回の神託だ。
”魔王復活。勇者は従者と共に東を向かい之を討滅すべし”
まぁ、全部がウソじゃねえ。事実、お前にも勇者として東に向かって貰う。」
ひと呼吸、間が空いた。いや、”魔が開いた”
「魔王復活がウソだ。勇者が魔王になるんだ。お前は、勇者も魔王も殺せ」
あーもうめちゃくちゃだよ。