第4章
クリスを仲間にした最弱勇者一行はついに魔王の収める領地へと入るが、あまりのアクアの弱さに対策を練る事となる。
そんな中、クリスから渡された指輪を使ってアクアは若干まともに戦えるようになるのであった。
第4章
クリス城から北へと向かえばすぐに魔王たちの支配する領土に入れる。
かつて日本といわれた国は現在二国間に分離、真中から南北に分断、ちょうど埼玉といわれていた場所から半分上が魔王が統治する国、その下半部南寄りがアホ国王の支配する国となっており、魔王城は埼玉の上、栃木県の宇都宮と呼ばれていた場所に立てたらしいので、私たちは現在、埼玉の少し上、辺りにある大きな村ヘイルムと呼ばれる場所に来ていた。
(クリス)「で、勝てるのか?」
(アクア)「唐突だよクリス・・・」
勝てるのか、というクリスの言葉は私にとっては正直プレッシャーにしかなっていない、なにせ今の私は足手まといにしかなっていないのだから。
(クライン)「剣ぐらい振れないと話にならんぞ」
(アクア)「ぶー。わかってるわよ、意地悪なんだからクラインは」
(ヒカリ)「でも、そのままですとクゥちゃんより役立たずに」
(クゥ)「クピ?」
(クライン)「とどめだな」
ヒカリの一言が私の心に突き刺さり、クリスがそんなことを言うものだから、ホントどうしたものかと、考えていると。
(クライン)「鍛えるか?」
(アクア)「無理、無理、私、運動どころか、体力が余りあるほうじゃないし。それに、こういうのって一朝一夕でどうにかなるわけじゃないでしょ」
(クライン)「ほう、最弱勇者もそれはわかるのか・・・・しかし、そうなるとどうするか」
(ヒカリ)「主人公が役立たず」
ヒカリさん、それは言っちゃ嫌だよ~。などと泣き言を言ってはいるが、現実問題私がまともに戦えないので、あながちヒカリさんの指摘は間違いでもない。
(クリス)「あ、そうですねぇ・・・・・少し待ってください・・・・・」
(アクア)「な、なになに、何か名案?」
クリスが何か魔法を使い出し魔方陣を出すと、魔方陣に右手を突き入れる。
なにやら魔法陣に手を突っ込んで何かをあさっているようにも見える。というか村のど真ん中でそんなことをしているものだから、注目の的になっている。
(クリス)「これ! そうこれです!」
(アクア)「あ~・・・・・」
その手にあるものを見て私はその場から逃げたくなった。
クリスの手にはR18と書かれた何かが握られており、パッケージもお察しの通りの物が描かれている・・・・・まぁここまで言えばもう何も言わなくても誰でも想像はつくだろうから、私みたいな乙女がそれを見て逃げたくなるのも間違いじゃない。
(クライン)「おい、それは・・・・・」
(ヒカリ)「へ、変態さんです、クリスさん」
(クリス)「え?・・・・・あ、間違えた。えーと・・・・」
いえ、もう結構です。
そういいたい気持ちをこらえながら、少しは期待しつつ待っていると、赤いクリスタルのようなものが印象的な指輪が出てきた。
どうやら今度はまともらしい。
でも、先ほどのR18のせいで村の人たちの視線が冷ややかなものになっているような気がするのは、私だけだろうか。
(アクア)「何それ、綺麗」
(クリス)「これはですね・・・・・とりあえずつけてください」
(アクア)「え・・・・・これって。たとえば、呪いの指輪で、これを付けていた魔王が復活しないように、とある山に捨てに行く話とかの・・・・・ではないよね?」
(クリス)「違います」
(アクア)「・・・・・怪しいけど・・・・・まぁ」
恐る恐るではあるが、呪いの指輪? を付けてみるが、これといった変化は何も無く、突然力があふれ出すとか、突然光が放たれ変身するとかも無く、ただそこにあるだけの綺麗な指輪というだけだった。
(アクア)「何も起こらないけど?」
(クリス)「まず、それを右手にはめたら。右手を前にかざし意識を右手に集中する」
私は言われたようにすると、右手を中心にしていきなり魔方陣が展開され、私はそれにびっくりして頭の中真っ白になってしまった。
(アクア)「こここ、これ。私、魔法なんて使えないのに、な、なに?!」
もう何をどう言ってて、何がどうなっているのかまったくわからないまま、言葉がめちゃくちゃで話しまくっていた。
(クリス)「落ち着け・・・・良いかそしたら、右手に集中して、そこにこう何かが集まるイメージを頭の中に描いて」
もうわけがわからなくなっている中、それでも必死に言われたとおりにすると、私の魔方陣を中心として淡いピンク色の光が集まり、それはどんどんと膨らんでいったので、もう頭の中真っ白のパニック状態になってしまった。
(アクア)「あ、あわ、こ、これ。どうするの!」
(クリス)「その状態になったら、その光が自分を包むイメージを頭に描け」
(クライン)「おい、これって魔法じゃないのか・・・・・初心者に仕えるのか?」
(ヒカリ)「そもそも、魔法。もしくはそれに属する力そのものが適正がありますから・・・・無理なような気がするのですが」
私が必死にクリスの言うがままにがんばっている最中に、クラインとヒカリが余計な事を言うものだから、心も体も頭もパニックで、私どうなっちゃうのよ。などと心で悲鳴を上げながらも、体が何かになじんでいき、淡い光が全身を包み体がなにやら軽くなる感覚があった。
(アクア)「あんたたち、も少し状況考えてよ!」
(クライン)「あ、何の話だ?」
(ヒカリ)「さぁ、おトイレ我慢しているんですか?」
(アクア)「ああもぉ!」
私は、この二人はどうでもいいか、言っても無駄だし、と思いながらほうけていいると。
(クリス)「そんなことより、剣抜いてみ」
(アクア)「剣? まぁいいけど・・・・・何これ軽い!」
私は言われるがままに、剣を鞘から抜くと、あの重たくてずっしりして、持ち上げるだけでも手首が痛くなるような重さが、剣を鞘から抜くまでの動作、抜いてからの重みがまったくもって感じなくなっていた。
(クリス)「この指輪は。魔法の使えない人が一時的に魔法を使用できるものでもあり、また、魔力増幅の役割も担った貴重なもの、だがしかし、問題がある」
(ヒカリ)「問題?」
(クリス)「魔法を使ったことがない人が使うと・・・・・」
そういっているそばから、魔法の効力が切れたかと思うと、全身を激痛と疲労が同時に襲ってきて、その場に座り込んでしまった。
(アクア)「な・・・・・なにこ・・・・れ・・・・」
(クライン)「揺り戻しか」
(クリス)「クラちゃんよく知ってるねぇ。そう、この国の言葉で言えば揺り戻し。力を使うということは、その分エネルギーを消費する、消費するとそれを補給しなくてはいけません。人で言うところの、食事、睡眠、などがそれに当たるわけなんだけど・・・・・普段魔法使いや、魔法を使える人はそれなりに体が態様できるのでたいして問題はありません。
しかし、まったくの初心者、適用能力がない人が使うと、ごらんのとうり使用後は動けないほどの疲労に襲われます」
(クゥ)「クピピピ!」
(アクア)「だ、大丈夫よ・・・・・」
私のそばに心配そうにクゥが寄ってくるので、私がそう言うと、元気そうに飛び跳ねてくれはしたけど。正直動けない。お腹すいた。眠い。の三連コンボがかなりキツイ。
(クリス)「へばってますねぇ、まぁ仕方ないですけど。つまりずるはいけないと言う事ですよ」
一理あるけどねヒカリさん。
今はそういうことを言っている場合じゃないのよ、剣が触れるならそれにこしたことないんだし。
(クライン)「しっかし、よくこんなもん持ってたな」
(クリス)「いえいえ、おおよそ200年前にしまいこんでそのままだったものですから~」
(3人)「「「・・・・・・」」」
今この人なんていった。200年がどうとか・・・・・・。
(アクア)「あの、あなた何歳?」
(クリス)「忘れました。間違いなく1000年は生きてるかなぁ」
いやいや、生きてるかなぁ、っていう話じゃないでしょ。
(ヒカリ)「何でそんなに・・・・・・あれですか、人魚のお肉がどうのって言う?」
(クリス)「あれま、この時代でも知ってる人がいるなんてねぇ。そうそれ、人魚のお肉で不老になりましたとさ」
(クライン)「いやいや、不老でも死ぬだろ普通」
クラインの言うことはもっともだ。ヒカリの人魚がどうの、という話がどんな話かは非常に気になるけど、今はそれはおいといて、不老でも普通は寿命で御臨終になるのが世界のルールだから。
(クリス)「いやね、人って老いないと、致命的な傷とか病気にならない限り生きていられるみたいだよ」
(ヒカリ)「つまり変人は死なないと」
ヒカリさん、思っていてもそれは言っちゃだめよ。
(クライン)「しかし、致命的な傷を体に受ければ危ないということだと・・・・・良いのか俺たちについてきて。正直危険だぞ」
(クリス)「ヒカリ君が言うとうり、私は変人だから無敵なのだよ!」
(アクア)「自分で変人とか言ってるしクリス」
(クライン)「言うな、触れるな、触るな。これ以上は危険だアクア」
クラインがクリスから少し距離を置きながら私にそう言い、私も少し距離をとる中ヒカリとクゥが。
(ヒカリ)「クゥさん、変人さんは無敵だそうですよ。R18を世間の皆様の前でプレイできるらしいですよ」
(クゥ)「クピピィ・・・・・・」
(クリス)「何を言うかねヒカリ君。損なのは朝飯前だ!」
天然と変体・・・・・二人そろうと手がつけられないというのは、このときになって始めて発覚した大問題だった。
大問題というのは、周りの目が明らかに冷たいのに、この二人はまったく気にすることなく大声で高々と思ったことを口にしているということだ。
(アクア)「あ、頭が・・・・・」
(クライン)「お前が集めたんだろう」
(アクア)「私のせいなの?・・・・・・ずいぶん冷静ねクライン」
(クライン)「お前は俺を甘く見ている。あんなのはましだ。本当にましなんだぞ!」
突然、クラインが私に向かって二人を指差しながら身を乗り出し、私の両肩をつかみながら言う。その目がなんだか悲惨な目をしていたので、私は一瞬何を言って良いのかよくわからなくなってしまった。
(アクア)「そ、それって・・・・リステアちゃんたち?」
(クライン)「たち・・・・・・達で住めば俺はここにいないわ、良いかよく効け。毎日毎日、私のところに来る女の子を片っ端から襲い、止めに入ろうとすればアリスとグラに羽交い絞めにされ拘束され、さらにはさらし者にされて、餌、という容量でさらにし者にされ、女の子たちを集め。
またある日は、お前など消えてしまえ。などといきなり怒り出したリステアが俺の命を本気で狙ってきたり。
リステアの命令だからと、アリスとグラが二人係で俺を消しにかかったりと・・・・」
(アクア)「あー、いい、もう良いから」
これは本当にとんでもない扱いを受けていたらしい、幼馴染も楽ではないようだ。
(アクア)「そ、そんなことよりね・・・・・お、お腹すいた」
(クライン)「なら立て、そこらへんの宿で今日は休む」
(アクア)「あ、えーと・・・・・動けないんだけど」
(クライン)「・・・・・・けっ」
舌打ちを打ちながらも、私に背を向けた。どうやらおんぶしてくれるらしい。
(アクア)「変なところ触らないでよ」
(クライン)「ありえんだろ・・・・・俺は巨乳派だ」
(アクア)「何よそれ、私が貧乳だとでも言いたいわけ。はっはぁ~、なんやかんやでリステアが好きなんだ~」
(クライン)「な、何でそうなるんだ!?」
(アクア)「だって彼女巨乳だし、可愛いし、少し変わってるけど良い子じゃない」
(クライン)「あほな事言ってないで、ほれ」
何やかんや言いながらも、クラインは私を背負ってくれたけど、なんだかうまくはぐらかされたような気がしなくもない。
(クライン)「おい、そこの天然と変人」
(ヒカリ)「何よ・・・・」
(クリス)「何だね美男子よ・・・・」
二人ともそれで振り返るのはどうかと思うけど、などと思っていると、二人して私たちを交互に見ながら顔を見合わせ、同時ににやりといやらしい笑みを浮かべると。
(ヒカリ・クリス)「「ご結婚ですか?」」
(アクア・クライン)「「違うわ!」」
どうしておんぶされているだけで結婚につながるのか、もうなんだか本気で人選間違ったんじゃないだろうかと、今更ながらに私は心の中で少し後悔していた。
次章また違った展開になる予定です。




