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この日の撮影を終えた頃にはすっかり日は暮れ辺りは真っ暗になっていた。
一行は小型のテントを2つ張り身を寄せ会うようにして寝ることにした。
その辺の草むらでは虫が鳴き回り耳を塞いでも聞こえてくる程だった。
月明かりも木々の葉に遮られ、灯りを消すと文字通り真っ暗になる。
数時間後、ケイは目を覚ました。
元々、夜中に目を覚ましやすい体質だ。
明日も仕事が有るがこの調子では身体がもつか心配になった。
その時、外で物音が聞こえた。
それは、虫の鳴き声に遮られることなく真っ直ぐとケイの耳に届いた。
隣ではアヤとレナが寝息を発てている。
一度身体を起こす。
また、音がする。
ケイは外に何かが居ると確信した。
自分の荷物を漁って小型のビデオカメラを引っ張り出す。
撮影とは別のプライベートの品だ。
スイッチを入れると小さな画面に光が灯った。
這い出すようにテントから出る。
そして、ケイは物音がした方向に歩いていった。




