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「ねぇ、ここ何かある!」
アヤが言った。
「何だ?」
イオリがアヤに近づいた。
アヤが取っ手を指差す。
「何だ……これ」
サキトが押さえていた机がバキバキと割れていた。
「限界だ!」
サキトが叫ぶ。
イオリが取っ手に手をかけて、手前に引いた。
床が開きいた。
階段が続いている。
地下に行けるようだ。
「皆!ここに入ろう!」
イオリが言った。
「何だそれ?」
ユウタが訊いた。
「さぁ、でも、ここにいたら死ぬぞ!」
イオリがそう言って中に入った。
皆、それに続いた。
最後のタイチが床を閉めた。
階段を降りていくと、廊下に出た。
薄暗い。
何かの研究所の様だ。
「何だここ?」
ユウタが呟いた。
廊下の両サイドには部屋があった。
その中の一部屋に入る。
かび臭い臭いが立ち込めていた。
机や椅子や様々な書類が散乱する部屋だった。
サキトが銃を構える。
「何だ?ここ?」
ユウタが言った。
「ん?」
アヤが1つの大学ノートを手に取った。
『犠牲者』
と、表紙に書かれている。
ぱらぱらとめくってみる。
そこには、おびただしい数の人の名前がかて書かれていた。
青野良太郎・若林彰・富永守・和田連・団野叶多・榊原有子・佐伯玲美……
そして、ノートの一番最後に、こう書かれていた。
『俺は人殺しだ。最低だ。こんなことするんじゃ無かった。済みません済みません済みません済みません済みません済みません済みません済みません済みません済みません』
そして、最後に
『タイチ』
と、書かれていた。




