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ユウタ達はケイを捜していた。
もう、一時間弱は歩いている。
ケイは見つからない。
太陽が容赦なく照らしつける。
「ん?」
突然、コウタが声をあげた。
「どうした?」
サキトが訊いた。
「あれ、ケイのカメラじゃないか?」
コウタが樹の根を指差しながら言う。
そこには、確かにビデオカメラがあった。
サキトが根に近よりカメラに手を伸ばす。
「うん、確かにケイのだ」
サキトがカメラを見つめなが頷いた。
「じゃあ、ここを通ったのかな?」
イオリが首を傾げながら言う。
「カメラの映像を見たらケイがどこに行ったか解るかも」
レナが提案する。
「確かに」
サキトがそう言ってビデオカメラの映像を再生する。
そこには、森の中を駆け回る恐らくケイが録ったと思われる映像があった。
『ハァ……ハァ……確かここら辺に……』
カメラのスピーカー越しにケイの声が聞こえる。
「何をしてるの?」
アヤが疑問を洩らした。
レナが人差し指を口元に当てて、静かにとアヤに促した。
そこには、驚愕の映像が映っていた。




