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フィーカスのショートショートストーリー

多すぎるスーパーの買い物袋

作者: フィーカス

 私は一人暮らしをしていたが、とある事故により左手を骨折してしまった。

 しかしながら、厳しいわが懐事情から、自炊をやめるわけにはいかない。

 左腕がギプス状態の不自由な格好で、今日もエコバック片手にスーパー行った。


 いつもであればかなり安い業務用スーパーへ自転車で向かうのだが、この腕では自転車の操作もままならない。仕方ないので、最近出来た近くのスーパーで済ますことにした。

 ここのスーパーは品揃えがよいが、値段がやや高い。一日分であれば対して差がない気もするが、これが積み重なると大きな金額となる。だから、普段は量が多いが非常に安い業務用スーパーを利用しているわけだ。

 片手が使えないというのはやはり不自由で、商品を取るのにもいちいちかごを置かなければならない。しかも、たくさん買うともてなくなるので、一度に大量の買い物は出来ない。

 恐らく、二日に一回くらいは通わないといけないだろう。仕事の帰りに寄れる場所なので、苦にはならないが。

 あまり大掛かりな調理は出来ないため、ちょっと切って炒めるだけとか、少しだけの手間で食べられる献立及び食材にした。本当ならもっと凝った料理を作りたいところだが、これは左腕が完治するまでの我慢だ。


 さて、ある程度必要なものを買ったところでレジの前に立つ。夕刻時のため、買い物客が多い。

 もっとも、いつも並ぶのには慣れているから、苦にはならない。待ち時間は、レジの近くに貼ってあるチラシにでも目を通すことにしているのだ。

 しばらくすると、自分の番が来た。持っていた買い物かごをレジ台に乗せて手を離す。すると、店員が手際よく金額を読み上げながらバーコードを読み、空のかごにパズルを解くようにきれいに積み重ねていく。

 大方の金額が分かったところでポケットから財布を取り出す。やはり片手だと取り出しにくい。レジの合計金額を見て、千円札を三枚取り出す。後ろに客が三、四人並んでいるから、細かいのまで準備しようとすると迷惑になるだろうから、小銭は出さなかった。

 小銭とレシートを受け取り、さあバッグに商品をつめようと買い物かごを見て、少し驚いた。

 たかだか数点の商品なのに、買い物かごにレジ袋が五枚も入れてある。この量なら、普通は一枚か二枚で済むはずだ。しかも、客はエコバックを持っているというのに。

 そのことについて店員に聞こうとしたが、レジの処理に忙しそうだったため、買い物かごをサッカー(スーパーで買ったものを詰める台のこと)に移動し、エコバックに買ったものを詰め、レジ袋はそっとレジに返した。


 次の日も同じスーパーで買い物をしたが、レジを通すと買い物かごにレジ袋が十枚。この日も忙しそうだったため、問いただすのはやめた。

 さらに次の日もレジ袋が五枚も入っていた。いい加減どうなっているのかと思ったため、客がいなくなるタイミングを見計らってレジの人に聞いてみた。

「すみません、おとといも昨日も、レジ袋が大量に入ってたのですが、何故ですか?」

「ああ、ここのスーパーでは、レジ袋が欲しい場合、欲しい枚数分店員に指で示すことになっているのです。先ほどお客様は買い物かごを置いたとき、指を五本広げていましたから、五枚レジ袋が入っていたのではないですか?」

 なるほど。そういうことだったのか。

 この日はレジ袋をそっとレジに返し、帰宅することにした。

 次からはレジ袋が不要なことを、店員に告げることとしよう。

 今では1枚5円でレジ袋を買う時代。しかし、エコバック使うと万引きと間違えられそうで怖いですよね。

 レシートを受け取る習慣がない人は、エコバックを使うならレシートは受け取っておきましょう。

 いまどきこんなに大量にレジ袋くれるところってあるのでしょうか?まだ、レジ袋を課金してないところならありそうですが。


 ……ところでこのスーパー、幽霊でもいるんでしょうかね?

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― 新着の感想 ―
[一言] 落ちの後にまた落ちが・・・ なんで今なにも綺麗なオチが書けるのか不思議でならないです。 自作をお待ちしております。
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