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鉄血の王子 (戦記編)

【登場人物】

レオポルト・フリードリヒ・アルベルト

 オリエント・シルヴァー帝国の第三皇子。北方辺境軍・鉄血騎士団団長。

 深緑の軍服に黒のアスコットタイ、胸には赤と金のブローチ。

 戦場では武勇を誇るが、内には民を想う誠実な心を秘めている。

 異名:「緋色のデア・シャーラッハヴォルフ」。

アレクシス皇子(第一皇子)

 帝国宰相を兼ねる皇太子。冷静で高貴な理想主義者。

 帝国の未来を計算し、弟レオポルトを「危険な純粋さ」と評する。

フリードリヒ皇子(第二皇子)

 帝国軍参謀総長。戦略と魔導理論に通じる知略の人。

 兄弟の中で最も現実主義的であり、レオポルトとは戦術をめぐりしばしば衝突する。

エリオット・ヴァイス

 鉄血騎士団副団長。快活で豪胆な青年。

 レオポルトを「陛下より怖い」と笑いつつも、絶対の忠誠を誓う。

ルーディ・ハルツ

 鉄血騎士団軍医。魔導治癒と薬学の専門家。

 穏やかで皮肉屋。戦場で生きる者たちの苦悩を誰よりも理解している。

――東方の果て、雪と鉄に閉ざされた地。

 そこに、帝国最北の要塞都市ヴァルデン要塞があった。

 吹雪の中、黒銀の軍旗がはためく。

 旗に描かれたのは、双翼の鷲と紅の剣――鉄血騎士団の紋章である。

 その旗の下、三万の騎士が整然と並び、戦端の時を待っていた。

 最前線に立つ青年が、風を切る外套を翻す。

 深緑の軍服。黒のアスコットタイ。

 胸元の赤金のブローチが雪明かりを受けてきらめいた。

 ――レオポルト・フリードリヒ・アルベルト。

 オリエント・シルヴァー帝国第三皇子にして、鉄血騎士団長。

 若くして二度の北方戦役を制し、“北の鷲”と称される将であった。

 「敵は西の谷を越えて布陣中。兵数は我らの倍以上……」

 副団長エリオットが報告する。

 レオポルトは頷き、剣を抜いた。

 刃が青白く光り、魔導の刻印が淡く輝く。

 「ならば正面から叩く。恐れを知らぬ者こそ、帝国の盾だ」

 その声は吹雪を裂き、凍てつく空気に響く。

 兵たちは一斉に剣を掲げた。

 「鉄血に栄光を――!」

 号令と共に、騎士団が雪原を駆け抜ける。

 重装馬の蹄音が地を揺らし、黒い軍旗が嵐のように翻った。

 敵軍との激突――。

 剣と魔導弾が交差し、爆風が吹き荒れる。

 雪と血が舞い、視界が紅く染まった。

 レオポルトは前線に立ち続けた。

 敵将が呪詛の魔法を放つが、彼はそれを一閃で打ち払う。

 「帝国に刃を向ける者よ――滅びを受けよ」

 その一撃は雷鳴のように響き、敵陣を切り裂いた。

 兵たちが歓声を上げる中、彼はただ、静かに剣を下ろした。

 戦いの後、彼は凍りつく大地に立ち尽くす。

 勝利の報告を聞きながらも、どこか遠い眼差しをしていた。

 ――雪の向こう、帝都の空には、権力の影が伸びている。

 彼にはそれが見えていた。

 “勝つことだけが、帝国を救うとは限らない”。

 レオポルトはそう呟き、灰色の空を見上げた。

 吹雪が止むことのない北方で、彼の戦いは、まだ始まったばかりだった。

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