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0.プロローグ




真っ暗な部屋の中で、ピ・・・ピ・・・と私の鼓動が機械音となって聞こえてくる。


どんなに自分の鼓動を自分で感じようと思っても、私の身体は目以外は生まれてこの方、動いた試しがない。


生まれてこの方・・・か。


もうすぐ、時計の針が真上を指せば私も三十路・・・。


三十路か・・・。


青春も恋愛も小説やテレビでしか知れなかったな・・・。


つうっと頬に涙が伝う。



時刻は夜の11時52分。


・・・なんか、やたらと眠くなってきたな・・・。


今日新しい薬を投与してもらったから、その副作用かな。



・・・ん?なんか廊下が騒がしいな。


看護師さんが・・・たくさん・・・。え?私?


何人もの看護師が私の病室を見ては慌ててどこかへ走り出す。



あー・・・、もしかしてなんかやばいのかな、これ・・・。


だんだんと遅くなる機械音の私の鼓動を聞きながら、ぼんやりと天井を見上げた。



ああ・・・。もし転生とかあったら、青春も恋愛も絶対謳歌してやるのになあ・・・。



全身から力が抜けて目の前が真っ暗になった後に聞こえたのは、ピ――――と永遠になり続ける私の鼓動の音だった——。






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