最初の訪問者
そんな俺に、最初の訪問者がやってきた。
そいつらは地元の自警団で、いつの間にか出現していた俺を発見し、恐る恐る中を覗き込んでいた。
「むむっ! 侵入者だ!!」
エルが叫ぶ。
「エルンハイム様! お逃げください!」
よくわからないけど、執事がエルに抱きついて、そのまま持ち上げ、、、
ようとして、、
「妾に、、気安く触れるな!!」
「ぎゃふん!」
いつのもの様に蹴飛ばされていた。
「しかしエルンハイム様。このダンジョンは、入り口から二部屋目がもうボスの間です。騎士団とか来たら、10秒で攻略されてしまい、、、」
そんなことを言いながら、俺のマップを見た執事が「なんじゃこりゃぁぁー」と叫ぶ。
そのマップ上では、地下3階層、各階層の部屋数が10を超える迷宮が広がっていた。
「え、、なんじゃこれは、、いつの間に、、」
エルも呆然としながらマップを見ている。
マップの中では、侵入者が1層目の四つ目の部屋に侵入し、二階層への階段を発見したことが示されていた。
「素晴らしい! さすがはエルンハイム様でございます!」
執事が涙を流して拍手をしていた。
「あ、、いや、それ、、妾じゃ、、、」
「流石でございますぅぅー!!」
「まぁ、、いいか、、」
エルはなんとか納得した、、かと思いきや、、、
「知らぬ間に妾がやったのじゃろう。さすがは大魔王の血統ぞよ。ふふふふ、、、」
度を越した、、とんでもないアホだった。
どうでもいいから、モンスターを配置させてくれ、、、
そんか俺の願いも虚しく、、、
最初の訪問者たちは、二階層の入り口に設置した罠「毒沼」を渡りきれずに体力が尽き、入り口に戻されていた。
ピロリロリーン。
どうやら、今のでダンジョンポイントが少し増えた様だった。
モンスター召喚のため、ダンジョンポイントを少し温存していたが、今増えた分くらいは使ってもいいだろう。
そうして俺は、またいくつかの部屋と罠を増やしたのだった。