ダンジョンの拡張
「さて、、、」
石の椅子にふんぞり返りながら、エルが喋り始めた。
「そろそろ我がダンジョンを強化していかねばなるまい」
「はっ、エルンハイム様のおっしゃる通りです。そうしましょう」
インテリメガネで、青白い顔をした執事が答える。
だんだんわかってきたけど、、
こいつ、たいていこれしか言わないな。
「では、、とりあえずは部屋の数を増やそうかの」
エルがそう言って、手元にある冊子「ダンジョン大全」を開きながら宙に向かって叫ぶ。
「さぁ、我がダンジョンよ。この部屋の手前に、1つ部屋を増やせ。サイズは、、、中規模だ。コードは、、023069」
、、、、、
何も起きない。
「な、、なぜ何も起きんのじゃ? コード023069!!」
エルが困惑して叫ぶ。
ん、、なんか頭の中に数字入力欄が浮かんだ。
あー、、そう言うこと?
試しに、エルが叫んでいる023069をそこに入力する。
ゴゴゴゴゴゴと音を立てながら、エル達がいる部屋が後ろに移動し、入り口から遠ざかる。
そして、入り口との間に中規模な部屋が出現した。
「素晴らしいです。エルンハイム様」
「少し反応が鈍いな、、」
「はっ、エルンハイム様のおっしゃるとお、、、」
「うっさいわ!」
ガツンとエルに蹴飛ばされ、執事が転げる。
よく見ると執事は、エルに蹴られるたびにちょっとニヤついていた。
、、、キモ。
その後、エルはいくつかのコードを唱え、
俺がそれを入力すると、色々と俺に変化が起きた。
「ふふふふ、、なかなか良いではないか、、、」
そう言いながら、エルは不敵な笑みを浮かべるのであった。