管理人
ダンジョンになった俺は暇を待て余していた。
なんか、よくわからない僻地に出現させられ、一人ぼっち。
誰か話し相手が欲しいって思ったけど、、
いても意味ないことに気づいた。
なんせ俺、ダンジョンだし。
口、ついてないし、、、
喋れないし、、、
俺がしばらく暇を持て余してたら、管理人がやってきた。
「エルンハイム・リートデリッヒ・パパラッチ」
と言う長ったらしい名前の、魔族のお嬢様らしい。
長ったらしい名前なので、俺の中では「エル」と呼ぶことにした。
長い銀髪に、耳だか角だかよくわからんものを頭の両側から生やしている。
年齢は人間にすると18歳くらいに見えるが、魔族なので本当のところはわからない。
顔立ちは人間だった頃の俺の感覚からすると、かなり整っていて、、まぁ、美人だ。
「ザ・魔族」と言う感じの黒い水着みたいな衣装着てて、エロ可愛い。
こんな子を身体の中に迎え入れて、ちょっとドキドキ、、、しない。
なんせ俺、ダンジョンだし。
ドキドキする心臓とか、もうないし。
エルは到着早々超絶に高飛車な態度で、一緒に来た執事を足蹴にした。
「なにゆえ妾がこのような辺境に赴任せねばならぬのじゃ!?」
そう言ってさらに執事を殴りつけ、ついでに俺の壁をガンガン蹴りつける。
「エルンハイム様、おっしゃる通りでございます。しかし、ようは疎開でございます。もし万が一勇者達が魔王城に攻め込んで来た場合に備え、お嬢様の身を案じた魔王様が、、、」
「んなこと、知っておるわ!!」
またまた蹴り飛ばされ倒れ込む執事。
だんだんこいつが可哀想になってきた。
「あー、むしゃくしゃする。おいアレクセイ肩を揉め」
ダンジョンの最奥(と言っても1部屋目)にて、簡易な石の椅子に腰かけてエルが指示を出す。
アレクセイと呼ばれた執事は、黙って立ち上がり、エルの肩を揉み始めた。
なんだかよくわからないけど、俺はこれからこいつらに管理させる、、らしい。