ダークエルフ
そうして、エルが開いた『ダンジョン大全』により、いくつかのモンスター召喚コードを確認した俺は、早速各部屋にモンスターを配置した。
そして、自警団の通報で駆けつけた、ギルドの冒険家たちを次々に返り討ちにしていく。
そしてどうやら、罠やモンスターにはランクがあるらしい。
カス、ノーマル、レア、激レアと続き、最高ランク「至高」へと至る。
レア以上のモンスターを召喚するには、ダンジョンポイントとは別にダンジョンランクを上げなくてはならないらしい。
ちなみにこの俺のダンジョンランクは現在「ノーマル」
つまり、この俺はまだ、ノーマルランクの罠やモンスターまでしか召喚や設置ができないというわけだ。
そうとは知らず、エルは必死になって至高ランクのモンスター「ギガンティス」を召喚しようとコードを唱えまくっていた。
「なぜ出てこぬ! 妾を愚弄する気か!」
「はっ、エルンハイム様。その通りでございます!」
「、、、、、」
執事は見事に蹴飛ばされていた。
そこへ、
「ふふふ、、エル。元気そうだね」
という声がした。
「この声は、ゼフェルお兄様!」
エルの目が一瞬にしてハートマークに変わる。
ボスの間の入り口に、二つの影が立っている。
まさか、、この俺が侵入に気づかないとは、、、
衝撃を受けた俺は、、侵入者を見て、さらなる衝撃を受けた。
1人はエルと同じ銀髪のイケメン魔族、、、多分こいつがゼフェル。コイツはどうでもいい。
問題のもう1人は、、浅黒い肌をしたダークエルフの女性だった。
エルなんか目じゃないほどの、大人の魅力と深み、そしてエロを兼ねそろえたダークエルフのお姉さんに、、この俺のハートは完全に撃ち抜かれていた。
まぁ、俺にはハートとか(以下略
「エル、、最近はかなり頑張ってるみたいだね。辺境の地に強力なダンジョンが出現したと、、僕が潜伏する王都まで、噂が聞こえて来ているよ」
「そんな、恥ずかしいですわ」
クネクネしながら、恥ずかしがってみせているエル。
そして、そんな2人を燃える様な怒りの目で睨みつけている執事。
「今日は少し様子を見に来ただけさ。頑張ってね僕のエルンハイム」
そう言って、ゼフェルはダークエルフと共に去っていった。
「きゃー!」
頭から湯気を噴いて失神してるエルと、、
頭から湯気を噴いて怒り狂ってる執事。
この俺はとにかく、ダークエルフを俺のものにしたくなっていた。