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プロローグ
俺の名前は田中太郎。
名前は覚えなくていい。
なぜなら、もう死んだから。
そして、俺は転生するらしい。
目の前には、地獄の閻魔様だか、大魔王みたいな人がいて、俺のことを値踏みするような目でジロジロ見てくる。
「お前が転生するのは、、、」
ゴクリ
できれば、スライムとか、勇者とか、悪役令嬢とか、なんかそれっぽい物語が続きそうな感じのやつにしてほしい。
「お前が転生するのは、、、」
なんで言い直した?
早く言ってよ。
「お前が転生するのは、、、ダンジョンだ」
「、、、は?」
そのあと「管理人ですか?」と尋ねる俺に、頑なに「ダンジョンだ」と言い続ける魔王だか閻魔だかの偉そうなやつ。
「いや、、意味わかんねー!」
そんな叫びと共に、俺は光に包まれた。
そして、次に目覚めた時には、、
ダンジョンになっていた。