4-6 ※セリア視点 聖女式男の娘オスメス判定触手魔法
お姉ちゃんとリリーナさんはカイト君とドレイクさんにばかり気を取られていますが……まだまだですね。真の脅威に気づいていません。むしろその二人に関して放っておいても問題はないでしょう。真の問題……私たち『わからせシスターズ』にとっての真の脅威は……それに気が付いたのは私だけでありませんでした。
『セリアお姉ちゃん……ボクはあのパッチョとかいう奴の方が危ない気がする』
流石はフェリスちゃん。そうなのです……カイト君はパチョレックさんの美少女のような見た目のせいで庇護欲を刺激されてカワイイ弟ができた気分なのでしょうが……ああ、今の私には二つの分岐した未来が見えます。
ここはパチョレックさんが本当は女の子だった世界線――
『パッチョ……お前……女だったのか』
『か、カイ君……えへへ、バレちゃったね』
『なんで男のフリなんかしてたんだ?』
『実は××××(私には興味ありません)で……だから男のふりを……きゃあ!』
いきなりパチョレックさんを押し倒すカイト君……もう友達ではいられませんね♡
『今まで俺に嘘をついてたんだな……』
『ご、ごめん。許して……僕にできる事なら何でもするから』
『ああ、それじゃあ俺の女になってもらうぞ!』
そうして乱暴にパチョレックさん……いえパチョレックちゃんを脱がすカイト君。その圧倒的な男の迫力にパチョレックちゃんは抵抗できません
『カイ君……ダメ……お願い……』
『ふふふ、口ではそう言っても全く抵抗してないじゃないか』
『それは……カイ君なら……でも……男のフリをしないといけないの……』
『知るか!孕ませてメスだとわからせてやる!それでも男のフリを続けてみせろ』
『ダメ!あ、あああああああ!』
こうしてカイト君のメスになったパチョレックちゃん……それでも学園では男のフリをしていましたが、お腹はどんどん膨れていき……
『カイ君……もう誤魔化せないよぉ……』
『ふふふ、いい眺めだ。もう諦めて女として生きろ』
『う、うん……そうするしか……きゃうう』
完全にメスになったパチョレックちゃんをカイト君はお腹に気遣いながらも強引に抱き寄せてキスをしてから追加わからせ発動!
『よく言えたな。偉いぞ。褒美に愛をくれてやる』
『らめええ!安定期に入ったけど!あああああ!』
こうしてボテ腹妊婦男の娘を犯すカイト君……はあ……なんて濃厚で力強く支配的なわからせなんでしょう……この流れでパチョレックちゃんが『わからせシスターズ』に加入するなら私は許せるのですが……
こっちはパチョレックさんが本当に男だった世界線――
『パッチョ……お前、本当に男だったのか……』
ムラムラしてパチョレックさんを押し倒して脱がせて驚いているカイト君にパチョレックさんが可愛らしく憤慨して、
『もう!ずっと男だって言ってたでしょ!』
そうパチョレックさんは本当に男だったのです……しかし、カイト君のムラムラは収まりません……むしろボルテージが上がっていき……ああああ!なんてことでしょう!カイト君の中の新しい扉がひらかれてしまうのです!
『はあはあ……男にだって穴はあるんだよな……でも……』
息を荒くしながら何とか一線を越えまいとするカイト君……そんなカイト君を嘲笑うかのようにパチョレックさんが怪しく微笑むのです。
『カイ君♡ようこそ……男の世界へ♡』
こうして両刀使いになってしまうカイト君は男もいけるようになり……ああああ!いや!いやああああ!カイト君のハーレムは男子禁制!だって私のレズハーレムでもあるんです!そんな楽園を汚すなんて許しません!そうなるくらいなら……男なんて……カイト君以外の男なんていりません!むしろ滅ぼします!私がこの世を支配する大魔王となって男狩りを……正確には『竿狩り』を発布するのです!
そんな風に聖女が闇落ちしないためにもパチョレックさんを調査しなければなりませんね。彼……暫定的に男ということにしておきましょう……彼はBクラスで私と直接的な接点はありませんが、伝手はないわけではありません。私はパンパンッと手を叩いて使えない下僕を呼び寄せます。
『はっ!聖女様、お呼びでしょうか』
私に呼び出されたのは、かつて私に欲情したあげくカイト君に嫉妬して絡むという大罪を犯し『わからせ』によって生まれ変わった豚脂のポクさん改めラドさん。私の聖属性の洗脳魔法が効きすぎて、今では学園内における私の使い魔のような存在です。
「ラドさん。あなたのクラスにいるパチョレックという人物の情報を教えなさい」
『セラ・パチョレックですか……今年編入してきた平民で、あまり周りとも馴染めていないので情報は……女子より男子に告白されているということしか……ぶひい!』
無能すぎて私に蹴られた脂肪の塊……使えない使い魔……それは純粋な魔……つまりは悪。聖女である私は見過ごせないので、わからせ教育をしなければ……とりあえず踏んであげましょう。
「ぶひい?あなたは豚のつもりですか?あなたは脂!生命ではないのです!カイト君のために、この世を滑らかにするための潤滑油!思いあがってはいけません!それがわかったら情報を集めてきなさい!」
『ありがとうございます!それでは!』
ちっ!私に踏まれて喜んでやがります……私は『わからされ専』なので、あんな脂で靴が汚れて不愉快になってしまいました。こうなったら私が直接調べなければ……しかし、私はカイト君以外の男のモノを見るのも触るのも嫌です。それなので私は最近練習を始めた木属性魔法を試すことにしました。
次の日の放課後――
ラドさんに調べさせて、パチョレックさんが王都のアパートに下宿していることが判明したので、その帰り道を襲います。
「さあ……頑張るんですよ『クズクズ』」
私は種を取り出してビーナスハンドで強化して拙い木属性魔法で植物の生長を促します。その植物は『クズクズ』という人間の女性だけに絡む特性のある蔦のエロ植物……本当は自分のプレイ用で調達して木属性魔法を練習していたんですけど、まさかこんなところで役に立つなんて……あ、パチョレックさんが人通りの少ない小道に……どうやらカイト君に魔法のアドバイスを受けた後のようで上機嫌です。
『やっぱりカイ君は凄いな……僕も負けてられないぞ』
……何だか私よりもヒロインムーブしてませんか?女なら許してあげますが……男だったら即わからせます。私はそれを判別するために成長したクズクズを投げつけました。
『うわあ!何!?何この植物!?むぐう……』
クズクズはパチョレックさんの頭の上に落ちると瞬く間に彼の口を塞いで亀甲縛りに……植物のくせにテクニシャンですね。あとは股の割れ目に蔓が責めてエロ展開に……そうなれば女であることは間違いないので、私が颯爽と救出するだけ……しかし様子がおかしいです。クズクズの動きが鈍い……股間に伸びかけた蔓の先端同士が男か女か話し合うように集まっている……こいつは……植物さえも惑わす男の娘!クズクズが襲わないということは男?しかし……レイプ目で意識を失いかけてグッタリした表情は完全にメス!今の私よりも圧倒的なヒロイン力を感じます!このままでは……私はカイト君の正妻という地位と聖女であるという設定が完全に崩壊してしまいます!しかたない……助けてあげますか……
「しぇあっ!聖女式斬撃拳!」
私はカイト君の世界に書物にある指先の力で相手を切り裂く『聖拳』を再現してクズクズをバラバラに……冷静になると自分でけしかけておいて酷いことをしてしまいましたが……まあ、私は聖女だからよし!おっと、うかうかしていられません。パチョレックさんが意識を取り戻しかけたので、私は慌てて撤収してしまい、目的は達成できずじまいでした。
そして翌日の朝一にパチョレックさんがSクラスの教室に――
まっすぐカイト君の元へ向かうので、私は昨日のことをカイト君にバラされてしまうのかとドキドキしましたが……
『カイ君!もっと僕を強くしてよ!昨日……帰りに野生の植物モンスターの襲われたけど何もできなくて……そんな僕を助けてくれた人が!意識が曖昧だったから顔も見れなかったけど、輝く手で植物を引き裂いて……雰囲気的にきっと心の綺麗な武闘家だと思う!僕はあの人に負けないくらい強くなって、いつかお礼を言いたい!』
んんん!?私だとバレなかったけど、若干話が面倒に……
カイト君は落ち着いた様子で対応してパチョレックさんを自分のクラスに帰らせたら、私の方をチラチラ……これは……勘付かれてますね。カイト君の目は私の不倫を疑った目ではありません。その目が私に静かに語りかけてくるのです。
『メス豚の分際で俺の友達にわからせなんて……お仕置きをしなくちゃな』
あああああ!いい!普通に罵られるよりも感じます!あの目!普段は優しいカイト君の冷たい目!好き!クールカイト君も好きいいい!仕方ありません……わからされちゃったのでパチョレックさんの調査は一時中止です。でも!私は男のハーレム入りは絶対に許しません!これからもパチョレックさんは要警戒です!