3-23 ※セリア視点 聖女の風呂レズ接待が王国の歴史を変える
はあ……わからせとは難しいものです……カイト君の風呂の素晴らしさわからせキャンペーンは大成功で反対派は撲滅され、我が家では入浴の習慣が定着してカイト君と自然にお風呂でプレイができるようになりました。お姉ちゃんはサウナで汗フェチライフを満喫し、パレット先生は洗体ソープ嬢プレイ、フェリスちゃんはローションマスターに……それに対して私はカイト君とどんなプレイを使用かと悩んでいて、まだ普通の混浴しか出来てない……そう!私はカイト君とのお風呂プレイを模索して忙しいのに……
『セリアお姉さま!お風呂って気持ちがいいですの!』
私は今、ルミナと二人きりでお風呂に……
何故こんなことになったかというと……全てはお父さんのせいです。
ほんの数日前、急にお父さんに呼び出されたて何事かと思ったら……
『すまんセリア!王命なんだ!引き受けてくれ!』
私は土下座する勢いのお父さんに手を合わせて頼み込まれました。
「はあ……王様に風呂のことが勘付かれちゃったんですね」
『ああ……私の肌艶があまりにもいいので問い詰められて……王に嘘を言う訳にもいかなかったのだ』
まさか『わからせの湯』の存在がお父さんの禿げ頭のせいで外部に漏れるとは……いえ、冷静に考えてみればツルツルのスキンヘッドで一番肌色面積が広いのはお父さんなんですから、肌のツヤツヤのアピール力が高いのは当たり前なのかも……言われてみるとお父さんの頭皮の輝きが前よりもピカピカした気がしないでもないです。
「仕方ないですね……つまり王様にバレて興味を持たれたけど、王様自ら来るわけにも行かないので、代わりにルミナ姫様がお忍びで風呂の視察に来るからその相手を当たり障りなくしろってことですか……」
こうしてルミナの家庭教師兼お姉さまとして思わぬ形でお風呂接待をすることが決定しました。
そして休日の今日――
ルミナのお忍び訪問は家族にも内密に行われました……というのも、お父さんが自分の禿げ頭のせいでバレたとは恥ずかしく言えないという後ろめたい理由です。ちょうど都合よくカイト君がチャッピーと遠くまで散歩に、お姉ちゃんとフェリスちゃんはお母さんに冒険者としての心得を学ぶためにエンシェントパレスにレベリングへ……
こうして私とお父さんの二人でルミナとマーリェンを出迎えることになりましたが、マーリェンは地下のバーが気に入ってお父さんを捕まえて管を巻いているので、私はルミナとマンツーマンで風呂を紹介しています。
『セリアお姉さま。どの水着がいいのでしょうか?』
ルミナは初めて見る水着に目を輝かせています……が私はせっかくなのであえて着させません。
「ルミナ。カイト君の世界の言葉に『裸の付き合い』というものがあるそうです。男女では慎むべきですが、同性同士ならば恥ずかしがらずに裸で入りましょう」
ふふふ、嘘は言ってません。正直、私がロイヤル女体を堪能したいだけですが、巻き込まれたのですからこれくらいの役得はあってもいいはずです!
そして純粋無垢なルミナは私の言葉を疑ったりしませんでした。
『はい……セリアお姉さまと……ルミナ……嬉しいですの』
お?ものわかりがいいですね。それでこそ私の教え子です。といっても、後は普通にお風呂に入ります。あまり過激なことをして王様に報告されたら『わからせの湯』が取り壊されてしまうかもしれませんからね。
こうしてルミナはお風呂を満喫していますが……どこか浮かない顔です。
「ルミナ、のぼせてしまいましたか?」
『いえ、そうではなく……やっぱりルミナは悪い子ですの……』
「いきなりどうしたんですか?」
『だって……ルミナ……いけないエッチな子ですの』
ん?んん?私は何も仕掛けてないのにルミナの方からエロモードに……いえ、抑えなければ……静まれ!私のレズ心!
「ふふふ、エッチじゃない人間なんていませんよ?」
『でも……でもルミナは……女の子が好きなんですの!男の人より女の人とラブラブしたいですの!』
ああああ!今回、私は悪くありません!いえ!それではいつもは私が悪いみたいになっちゃいます!とにかく!今はルミナが誘ってきてます!そんなイケないエッチな教え子のカウンセリングを開始です!
「それは……男が嫌いなんでか?」
『嫌いというか……ルミナ……お世継ぎを産むためのエッチ教育を受けてますの……それは教育係のメイドにエッチな絵を見せられての座学ですの……殿方を喜ばせる方法……興奮させるエッチな台詞と喘ぎ声……そして妊娠しやすい体位など……ルミナの脳内は王家伝統のエロ知識で一杯ですの!』
はあはあ……王族式エッチ教育……響きがエロすぎます!私は興奮して黙って相槌を打つことしかできません。
『ルミナは真面目にエッチな女になろうと努力しましたが……そのメイドの趣味の女同士のエッチ絵がうっかりルミナの教材に紛れていて……ルミナはそれ見て以来……ああ!セリアお姉さま!』
ルミナが私に抱きついて……湯船で裸のレズっ気のある女が二人……何も起きないはずかありません!
「ルミナ……ああ、可哀想に……そんなに悩んでいたんですね」
『はい……ルミナは殿方と子作りのために体を交わらせるよりも……女同士で清らかで美しい愛を育みたいですの』
涙ながらに訴えかけるお姫様……私は額にキスをして慰めました。
「ルミナ。気持ちは嬉しいのですが、私はカイト君のメス豚……ルミナの恋人になることはできません」
『う、うう……やっぱり……悲しいですの』
「だから……これから起こることは『ただの姉妹のスキンシップ』です♡」
『セリアお姉さま♡ルミナをお姉さまの妹だとわからせを♡』
こうして姉妹のお風呂遊びを……王族のプライベートのことなので詳細は伏せますが、健全で美しい百合行為にルミナの欲求不満は随分解消されたみたいでした。そしてお風呂も気に入って……いえ、その目はもはや教信者……わからされた人間特有の澄んだ目をしていました。
『ルミナ……わかりましたの!お風呂なら自然に女同士で裸に!お風呂は男女でいかがわしい事をする場でなく、美しい楽園!健康的で文化的な施設ですの!至急王宮にも……いえ、国中にお風呂をつくるですの!全国民と共有すること!風呂の素晴らしさをわからせることが王族の務めですの!』
お風呂上りのルミナはコーヒー牛乳を一気飲みして高らかに宣言すると、マーリェンを連れてダッシュで王宮に戻って、王様に直談判したそうです。
こうして後日、カイト君には『王宮のお風呂建築』命令が下りました。結局、お父さんのハゲ頭のせいで『わからせの湯』が外部に漏れたことは露見してしまい、いよいよカイト君にツルツルの頭が上がらなくなってしまいました。
しかし、思わぬ形でお風呂の認識が徐々に改善していき、カイト君の異世界にお風呂の素晴らしさをわからせは成功――カイト君発案の男女を別々にする健全で衛生的な銭湯が全国普及したことにより、下層階級の環境も改善することに……これが『お風呂革命』の始まりであり、ルミナはのちに『お風呂文化の母』あるいは『百合泡姫』として歴史に名を遺すのですが……それはまた別の話です。
何はともあれカイト君は宮廷召喚士として順調なスタートを切りました。となると、次は学園生活を充実させないとですね!学園でもイベントの季節が近づいています!さあ、カイト君!風呂文化のわからせの次は、学園のメスとオスにわからせ文化の普及を頑張りましょう!