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3-5 ※セリア視点 第二回わかシス会議 議題:カイト君昇天接待プロジェクト

 カイト君が正式に宮廷召喚士になるための叙任式へ……もちろん喜ばしいことですが胸騒ぎがします。ということで、わかシス会議の開幕です!


『カイトのお祝いの内容を決めるだけなのに随分と大袈裟ね』


 お姉ちゃんはメスとして成長していますが、まだまだ鈍いですね……


「お姉ちゃん……カイト君が叙任式だけですんなり帰ってくると思ってるの?」


『……たぶん何かやらかすわね』


「やらかすんじゃないの!わからすの!絶対に新しいメスを!力か、優しさか、エロさか……どういうパターンかは分かりませんが、宮廷のとびきりのメスを見てカイト君が何もしないわけないんです!」


 私の圧倒的な正論と正妻力に皆は納得したみたいですね……あ、フェリスちゃんが小さく手を上げました。


『セリアお姉ちゃんはカイちゃんがハーレムメンバーを増やすのを楽しみにしてたのに……今回はどうしてそんなに焦ってるの?』


 流石は私の妹です。いい質問ですね。


「もちろん私はカイト君が素晴らしい女をわからせてハーレムに加えるのは大歓迎です。でも……もしそれが王族となると話が変ってきます」


 私の言葉に皆ビクッとしました……メスの本能が危機を察知したのです。


「そう……もしカイト君が王族……あるいはそれに準ずる身分の高い女性をハーレムに入れてしまうと私達のパワーバランスが……これまでのようにカイト君を平等に接してもらうことが難しくなるんです!」


 私の力説に皆が頷く……そしてパレット先生が冷静に分析と解説をしてくれます。


『確かにそうですね……これまではセリアさんが正妻として調整してくれていますが、王族がハーレムに加われば間違いなく正妻の立場に……そうするとカイトさんを独占するだけではなく、王族関係者としての振る舞いを強要……つまり特殊なプレイを禁ずることが予想されます』


 パレット先生が女教師らしく眼鏡をクイッとさせて解説を終えると、お姉ちゃんとフェリスちゃんが……壊れちゃいました。


『いやあああ!私はカイトのお姉ちゃんなの!私から大事な弟を!幸せな姉弟の時間を奪わないでええええ!』


『やだよ……ボクはもっとカイちゃんにお仕置きしてもらうのに……まだなの……緊迫も、目隠しも、腹パンも、首絞めも、三角木馬も、蠟燭も、媚薬漬けも、野外露出も……ノーマルなプレイだけなんて……うううぅぅぅ』


 かわいそうに……メスとしての喜びを奪われる恐怖におびえてます……これはこれで興奮しますけど、今はそんな場合ではありません。


「ですから、帰ってきたカイト君に極上のおもてなしをしましょう!生温い手抜きなお祝いだと『はあ……これなら王宮に入り浸ってメイドを全員わからせて御奉仕させながら孕ませるか』なんてことになりかねません」


 こうして私達は一丸になって『カイト君昇天接待プロジェクト』が始動!


『でも……私達……正直なところカイトより料理は上手くないし……マッサージもカイトの方が上手なのよね』


 ん?お姉ちゃん……さりげなくカイト君にマッサージしてもらってるってマウントとってきてますよね?ああああ!羨ましいいいいいい!私もギリギリのところをサスサスして欲しいのにいい!ずるいずるいずるいよおおおお……ふう……今日の所は見逃してあげましょう。今の私達は仲間割れをしている時間などないのです。


「ふふふ……こんなこともあろうかと私は古文書から過去の渡り人の接待術を調べてあります。そして禁止級接待術を……さあ一肌脱いでもらいます!」


 そして私が用意した接待プランに資料と衣装を皆に見せると……


『ちょっと!?こんなの変態じゃない!?カイトに引かれちゃう!』


『これが古文書の内容ですか……こんなのバレたら教師はクビ間違いなしですね』


『こんなエッチなの……昔のドラゴノート家時代でもなかったよ……』


 流石にこの異世界式のエロエロ接待に戸惑いを隠せないようですが、ゆっくり気持ちの準備をさせる時間はありません。


「今更なにを日和ってるんですか!カイト君を……カイト君が王族に取られてもいいの!?」


 この私の檄に皆のやる気スイッチ……いえ、メスイッチがON!


『わ、わかったわ!こんなのカイトのお姉ちゃんである私にしかできないもの!』


『私も覚悟を決めました……これで教師をクビになったら、むしろカイトさんのために時間を割くことも……んほお!』


『セリアお姉ちゃん!ボクはやるよ!カイちゃんに求められたら、もっとハードなプレイだってやっちゃうもんね!』


 うううぅ……感動です……やはり私達は最高の仲間……わからせシスターズです!




 こうして私達が本気の接待の準備を終えると――


『ただいま……なんだか疲れちゃったよ』


 カイト君が帰ってきましたけど、本当に疲れた様子で……ん?スンスン……これは……メス!濃厚なメスの匂い!おそらくサカリの付いた獣人の匂いです!しかも……わかります……これはマーキング……同業のものだけがわかるように……敵も私と同類のメス……それに隠れて高貴なメスの匂いも……ビーナスハンドで嗅覚を極大強化できる私でなきゃ見逃しちゃいます。


「カイト君、お疲れ様です……何かあったんですか?」


『まあ……色々ね』


 カイト君に濁されましたが……伝わります!カイト君の心配かけまいとする優しさが!愛が!そんな私達はカイト君をもてなす……一次会の開始です!


「それではカイト君の宮廷召喚士就任を祝して乾杯!」


 私が音頭をとってベルリオーズ家の食堂でお祝いをします。今はお父さんとお母さんもいますから、まだまだノーマルなちょっと豪勢な夕食……ですがこれは好都合……調査開始!


「お父さん。叙任式はどうでした?」


『ああ、まあ……無事に終わったよ』


 ふふふ……お父さんは嘘が下手です。ちょっとカマをかけてみましょう。


「そうなんですか?てっきり、獣人の女の人と何かあったと……」


 私は軽いジャブのつもりでしたがクリーンヒット!お父さんはビックリしてグラスのお酒を零しかけました。


『な!?カイトから聞いたのか?』


「やっぱり……何かあったんですね」


『いや……機密事項にも関係するから……落ち着いたら話すから安心しなさい』


 くっ!上手いこと言ってはぐらかされてしまいました……と諦めかけたら思わぬ援軍が……


『あらあら~、王宮で獣人の女なんてルミナ姫の護衛のマーリェンくらいしか……あなた……まさか浮気?』


 お母さんはニコニコしながらお父さんを威圧……この二人のステータスは互角ですが、実はタイマンならお母さんの方が強いんです。というよりも、お母さんの固有スキル『ペインルーラー』は対人戦闘では最強クラスの能力――攻撃が掠っただけで劇痛で動けなくなります……お母さんに確実に勝てるのなんてカイト君くらいでしょうね。そんな力関係もあって、お父さんはお母さんに頭が上がりません。浮気なんてもっての他です。


『ち、違う!今回は私ではなくてカイトが襲われかけたんだ!』


 はいいい!?早速聞き捨てならない言葉がお父さんの口から飛び出してきました。


「お父さん……詳しい話を……」


 私とお母さんが詰め寄るとお父さんは観念して話しました。


「つまり……お父さんのせいでカイト君がルミナ姫様の魚料理をつくる王命が下って、実際に姫様に会いに行ったら護衛のマーリェンという獣人に気に入られてしまったと」


『そ、そういうことだ。マーリェンはレベル50の獣人族の女性で、自分より強い男としか子供をつくることができないからカイトに……以前、私が狙われた時はマリアに助けてられてな』


「しかも……カイト君の料理の腕が気に入られて、ルミナ姫様の専属料理にスカウトされるなんて……」


 ああああ!やっぱり私の勘は当たってました!獣人のメスだけじゃなくて姫様もわからせるなんて!カイト君素敵すぎいいいい!出会って速攻でロイヤル胃袋を鷲掴み!でもだめ!今回はダメです!専属料理人なんかになったら、次は専属執事、そして専属ボディガード、さらには夜のパートナー、最終的には結婚!私には見えちゃうんです!それだけはダメええええ!ルミナ姫様に正妻の座を奪われちゃいます!

 しかし、カイト君はそんな私の気も知らないですっかり酔っぱらってチャッピーをモフモフしてます。


『チャッピー……はあ……同じケモ耳でも、お前は大人しくて本当にいい子だなあ』


『ワウワウッ』


 獣人のメスにロックオンされたストレスをチャッピーで解消していますが……ふふふ、安心してください。本当の宴はこれから……私の部屋で二次会を……究極の接待でカイト君を極楽の世界へ……私達抜きでいられない体にしてみせます!

おかげさまで7万PVを突破できました。

昼前には3-6を投稿する予定です。

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