2-8 ※リューネ視点 覚醒――秘密の姉弟イメージプレイ
私がドアを開けるとカイトがホッとしたような表情をしていた。
『よかった……リューネは真面目だから思いつめて……とりあえず落ち着いたみたいだね……』
ああ……カイトはやっぱり優しい……こんな変態偽お姉ちゃんを心配してくれてる……それなのに私は朝から――
「カイト♡ほら、ア~ン♡」
『あ、ありがとうリューネお姉ちゃん。俺もお返しに出来立ての特製スープを……ア~ン……どう?』
「もちろん美味しい♡カイトが作った料理をカイトが食べさせてくれるなんて最高よ♡」
演技がバレてないと思って、カイトが朝食に解毒剤を入れてたなんてこれっぽっちも気づかなかった。そして、パパにカイトの看病を頼まれた時は舞い上がっていた。
カイトと家で二人きり♡嬉しい♡嬉しい♡カイトにいっぱい御奉仕♡
それなのに……
『喉が痛いからリューネお姉ちゃんが作ったハチミツレモンが飲みたいなあ』
「ハチミツレモンね?すぐに作ってくるから動いちゃダメよ♡」
そう言ってキッチンに入った瞬間に魔が差した。
「ただのハチミツレモンじゃあ……そうだ、カイトは疲れてるから……ぐっすり眠れるように隠し味を……」
そんな独り言の言い訳をしながら睡眠薬を……私はお姉ちゃん失格だね……だってこれからすることは……看病じゃなくて……弟と睡眠プレイすることで頭がいっぱい……
「お姉ちゃんの愛情タップリだからしっかり飲んでね♡」
私の邪悪な企みがバレないように最高の笑顔でカイトに飲ませた。
『あ、あれ……何だかんだ眠く……』
私を信頼しきっていたカイトはゴクゴクと飲んで倒れこむ……ごめんね……ごめんね……だけど……お姉ちゃんがいっぱい気持ち良くしてあげるから……
「疲れてるのよ……お姉ちゃんが傍にいるから、安心して眠りなさい」
無防備で可愛いカイトの寝顔を見るとゾクゾクして笑いが止まらなかった。
小さな寝息をたてて眠る愛しい弟……家には二人だけ……この状況が私の狂気を駆り立てた。
「カイト……お姉ちゃんとチュウしよ♡」
返事をするはずのないカイトに語りかけてキスをすると……甘い!ハチミツレモンじゃなくカイトの唇が甘い!さらにカイトの涎もペロペロ!舌ではなく脳にガツンとくる味!
これで私のセーフティは完全に解除された。
「はあはあ……寝込みを襲っちゃってごめんね……お詫びにお姉ちゃんが温めてあげるね♡」
私は無意識のうちにするりとカイトの布団に侵入してカイトに絡みつき……
はあ♡はあ♡カイトの体♡召喚士なのに逞しい♡カイトの指ペロペロ♡首筋クンクンしてチュッチュ♡耳をハムハム♡あああ♡もっと♡もっと♡
我慢できずにカイトの上半身を脱がせると、私は姉ではなく一匹に淫獣に……
はうん♡カイトの体すごい♡ぱっと見は細いのに♡脱ぐと筋肉が引き締まってる♡可愛いのにカッコイイ♡割れてる腹筋をお姉ちゃんがナデナデしちゃう♡カイトしゅき♡お姉ちゃんの体も触って♡ううん♡もっともっと……
こうして私がエッチなお姉ちゃんではなく睡眠レイパーになろうとした瞬間――
『ちょ!な、何してるんだよ!?』
あばばば!どうしよう!カイトが起きちゃった!いくら薬が効いてる演技でも変態だってことには変わりないし……そうだ!こうなったら開き直って『うふふ♡エッチなお姉ちゃんのエロエロ看病大作戦』で乗り切ろう!
「カイトが苦しそうだからお姉ちゃんが人肌で温めてあげたよ♡」
私らしくないメス全開のノリでカイトを騙そうとしたけど……無理だった……カイトはとっくに演技だって気づいていた……そうとも知らずに私は……恥ずかしくて部屋に引きこもったけど……そうね……いつまでもこれじゃ仕方ない……私はカイトを部屋に入れて洗いざらい白状した。
『そ、そうだったのか……あ、あはは……いやあ、でもリューネは悪くないよ。薬のせいだから仕方ない。確かにビックリはしたけど、俺はリューネのことを軽蔑したり嫌いになんかならないよ』
カイトは精一杯フォローしてくれるけど、素直になれない私は再び可愛くないことを言ってしまう。
「……噓つき」
『いや、噓じゃないって』
「薬が効いたフリしてお姉ちゃんぶった睡眠レイプ未遂犯を軽蔑しないわけがないでしょ!それに……嫌いじゃないなら、どうして夜に私の部屋に来ないのよ!」
『だって……リューネが卒業までそういうのはしないって言ったらしいから……』
その通り……全部自分が悪いのにカイトに八つ当たりしちゃった……
「どうせ……私は他の三人より可愛くないからでしょ?自分でもわかって……」
『そんなことないよ!』
「え?」
『リューネは可愛いよ。そりゃ、他の三人みたいにイチャイチャできないけど、真面目で根は優しく……俺には勿体ないくらい魅力的な女の子で……ずっと我慢してるんだよ』
ああん♡カイトが私を真っ直ぐ見て言ってくれてる……そうよ、私も勇気ださなくちゃ!
「私も本当はカイトともっと……カイト……来て」
やっぱり口に出すのは恥ずかしい……だから私はベッドで仰向けになって両手を広げて受け入れ態勢に……
そうするとカイトは、いつもの優しいだけの男じゃなくなった。
『リューネ……可愛すぎるよ!』
嬉しい!カイトは私に覆いかぶさるようにして強引にキスしてくれる!これが本当の私のファーストキス!さっきのはノーカン!チュッ♡ンチュ♡あああん♡さっきとは比べ物にならないくらい美味しい♡何よりカイトが私を求めてくれるのが嬉しい!もっと♡もっともっともっと……いつの間にかディープキス!カイトの舌が私の中に!たくさん味わって!ああ、カイトの唾液!チュルル♡カイトの口の中は最高!私の舌が溶けちゃう!
でも……これだけ愛し合ったのに……私はまだ素直になれない……両想いってわかったのに……やっぱりカイトが弟だったら……そうだ!
「ぷはっ♡はあ♡はあ♡カイト♡お願いがあるの♡」
『ふう、ふう……どうしたの?』
「あのね……二人だけの時は……私を『リューネお姉ちゃん』って呼んで欲しいの……そして、私はカイトを弟として可愛がりたい」
流石にカイトは驚いてる……もう薬を言い訳にできない……でも……私はカイトにわからされちゃったの……私は優等生でも何でもない……婚約者を弟に見立てて妄想している変態魔法剣士だって……そんな私を……
『わかったよ……リューネお姉ちゃん』
あああん♡カイトは受け入れてくれた♡今日からカイトは私の弟♡秘密の姉弟関係♡私はエッチなお姉ちゃん♡カイトは私の弟で世界一強くてカッコイイけど甘えん坊で可愛い最高の婚約者♡
「カイト♡好き♡好き♡大好き♡愛してる♡お姉ちゃんにいっぱい愛して♡」
『リューネお姉ちゃん……愛してる』
こうして私達姉弟は昼間から抱き合ってキスをしまくる。皆は学園で真面目に授業を受けているのに、私達は仮病とその看病でズル休みしてイチャイチャ。私は二度と優等生なんて名乗れないわね……その代わり♡正式にカイトのお姉ちゃんに♡あああん♡人生で最高の日♡
私達は時間も忘れて互いを求め合っていたけど、もうすぐタイムリミット……皆の帰宅時間が迫っていた。
「カイト……そろそろ皆帰ってきちゃうよ」
『そうだね……この辺にして……リューネお姉ちゃんが治ったことにしないとね』
名残惜しそうにカイトがベッドから立ち上がると、私はどうしようもなく寂しくて抱き着いた。
「いや!いや!もっとカイトを甘やかしたい!ずっとカイトのお姉ちゃんでいさせて!」
私の方がカイトに甘えちゃった。お姉ちゃんというより女の顔で……
そんなダメダメな私にカイトが優しく頭を撫でてくれる。
『大丈夫。これからも二人きりの時は、俺はリューネお姉ちゃんの弟だよ』
「うん♡」
ちょろい私はイチコロ。こうしてカイトのリューネお姉ちゃんから普段の真面目優等生モードに切り替えるとセリアとフェリスが帰って来た。
『お姉ちゃん、治っちゃったの!?』
「何が『治っちゃったの!?』」なのよ。あんた達が私に薬を盛ったんでしょ?」
正直怒ってはない……むしろ感謝してるけど、怒ってるポーズだけはとる。
すると、フェリスが素直に謝ってきた。
『リューネちゃん、ごめん。まさかあんなに効いちゃうなんて……』
「ったく、もう二度とするんじゃないわよ」
これでフェリスはよし!問題はセリアで……
『うふふ……でも、おかげでカイト君とイイ感じになれたみたいでよかったね』
「そういう問題じゃないでしょ!」
『それで……いつ治ったの?』
その時のセリアの目を見て私はゾッとした……セリアは気づいてたんだ……薬の効果が切れてたこと……私が朝から演技をしてたこと……この女……私の妹は……あんたは最高の妹よ!ありがとう!やっぱあんたは聖女!セリアのおかげで私はカイトのお姉ちゃんになれた!家族はやっぱり大切な存在!
そして新しい家族……最愛の弟が夕飯の後に私にそっと耳打ちしてきた。
『リューネ……今夜、部屋に行っていい?俺……リューネともっと……』
「仕方ないわね……それじゃあ火曜日は私がカイトの相手をしてあげる……でも頼み方が違うでしょ?」
私は顔がニヤけないよう必死に我慢して姉の威厳を出すと、聡明な弟は私の意図をくみ取ってくれた。
『リューネお姉ちゃん。俺……お姉ちゃんともっと一緒にいたい』
もう♡弟の頼みだから♡私はカイトのお姉ちゃんだから♡当然♡
「ええ♡お姉ちゃんが♡カイトを♡た~くさん♡可愛がってあげるからよ♡」
こうして火曜日は私のカイト当番――カイトのお姉ちゃんデイになった♡
運営から修正が認められたので、連載を再開いたします。
初投稿ということで、本番の直接描写意外なら大丈夫だと思ってノクターンギリギリだと思っていましたが、余裕でアウトだったみたいです。今後は運営の指導に従い、キスとボディタッチまでのエッチ描写に留めますが、ヒロイン達の変態性は維持して最後まで書き切ろうと思います。(変態宣言)
今後書こうと思っていた「異世界昼ドラ」や「県立少子化対策TS高校物語――幼馴染の代わりに女体化して学園のエッチ当番になったらチ〇ポに完全敗北」とかは初めからノクターンでやって、なろうではギャグ中心のものを連載することで使い分けていこうと思います。