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2-3 ※パレット視点 女教師と男子生徒のお家お泊まりデート♡

『今日、カイトちゃんにパレットちゃんのお家にお泊りするよう言っておいたから頑張ってね~』


 お義母様に相談して次の日にいきなり言われた私は喜びより先に焦りが……


「ええ!?いきなりすぎます!」


『あら、そうかしら~?水曜日はパレットちゃんがカイトちゃんを好きにできる日って聞いたけど~』


 お義母様がそこまで把握していたのは想定外でした……きっとセリアさんが根回ししてくれたのでしょう。


『それにパレットちゃんだけ別の場所に住んでるんだから、これくらいしなくちゃ帳尻が合わないわ~』


 そう言ってお義母様は自分の授業へ行ってしまいました。

 そんな混乱状態の私に他の婚約者達がアドバイスをくれます。

 最初に私のところに飛んできてくれたのはセリアさん。


『パレット先生。カイト君が手料理を振る舞うって言ってましたから、ご飯の準備はしなくて大丈夫です。掃除だけ頑張ってください』


 ふむふむ……これで部屋の掃除に専念できますね。

 そして、私の光魔法の授業に出席したリューネさんからも耳寄り情報。


『先生。今朝、カイトに「女性の家に何を持っていけばいいか?」を聞かれて、咄嗟に「花なんかいいんじゃないかしら」って答えちゃったので、花瓶を用意した方がいいと思います』


 この情報は助かりました。花瓶なんて家に無いので、帰りにカワイイものを買っておきましょう。

 そして、放課後にフェリスさんも職員室に来てくれました。


『にしし♪カイちゃんは自然なのが好きだから香水とかいらないよ♡』


 お゛お゛おおおお!凄く悩んでいたポイントだったので助かります。大人ぶって高い香水使うつもりでした……あっぶねえ……くっさい年増女になってしまうところでした。

 こうして皆のアドバイスを貰った私は定時ちょうどでダッシュで帰宅。途中の雑貨屋さんで花瓶だけ買って自宅マンションに――


 ここからが本当の戦いの始まりです。

 まずは掃除ですけど……おぎゃああああ!こんな汚い部屋カイトさんに見せられない!働いている独身女性の家が綺麗なわけがないじゃないですか!とりあえず見える範囲さえ汚くなければそれでいい!私は恋愛教本や大人の玩具などを全てクローゼットにぶち込みました。それから洗浄魔法で部屋中を綺麗にします……魔導士でよかったと心底思った瞬間でした。

 これでとりあえずカイトさんを呼べる状態になりましたが、改めて自分の部屋を見ると切ないですね……何の小物もなくて、カーテンの柄も無地で無味乾燥。一応セミダブルのベッドで予備の枕なんかもあって、お泊まりの準備は大丈夫ですけど……念のため、ベッド周りに毛なんかが落ちてないかチェックしました。


 こうして準備が整った直後にノックする音が――


『パレット先生、カイトです。マリアさんから聞いてると思いますけど、お邪魔してよろしいですか?』


 うおおおおお!婚約者が!男が!私の家に!やばいやばいやばい……緊張で心臓が飛び出そう!落ち着かなくちゃ。冷静になるのよパレット。何回もシミュレーションしてきたじゃない。頑張れ私!

 私は大人の女の余裕をアピールしながらドアを開けました。そこには愛しい婚約者が花束を持っている。う、ううううう……夢にまで見た光景……冷静に考えれば男から花なんてもらったことありません。今まではそんなの食べられないし下らないなんて思ってましたが……嬉しい……凄く嬉しいです。きっと、どの花がいいか悩んで選んでくれたと思うと泣けてきますね……でも大人の女を演じきります。


「いらっしゃいカイトさん。どうぞ上がってください」


 そう言って初めて男を家に入れて、花束を受け取り花瓶に……ほあ゛あああ!花貰った瞬間、顔が溶けちゃったああああ!だって嬉しすぎてイキかけた!好きいいいい!大好きいい!この花は押し花にして永久保存決定です!

 それからもスムーズでした。カイトさんが絶品手料理をアイテムボックスから出してくれて、二人で舌鼓を打ちます。はあ、最高に幸せ~~~。


 しかし、問題は食後……

 和やかに学園の事やベルリオーズ家での出来事などを話していたのですが、ふと会話が一瞬途切れたら、私は昨日のセクハラの事を思い出してしまいました。互いにあえて触れない感じだったけど、私は耐え切れず謝ってしまいました。


「昨日は……すいませんでした!あの時は頭がおかしくなっていて……」


 私が唐突に謝りだすとカイトさんは優しく対応してくれました。


『謝らないでください!俺の方こそ逃げちゃってごめんなさい!』


 そうしてしばらくの沈黙のあと……


『マリアさんから聞きました。他の男性から誘われてるって……しっかり相手しなくてはダメだって叱られました……』


「わ、私は全て断っております。決して浮気などしません」


『でも……こんなに欲求不満だと……』


「カイトさんにだけです!カイトさん以外の男なんて話しかけられるのも嫌です!」


『本当に俺なんかでいい?他にも婚約者がいるような男で……』


 今更すぎですよ?それを知ったうえで押し掛けたのは私なのに……でもこれは……カイトさんの優しさ……私の幸せを考えてくれている……そして私の幸せは……


「はい。カイトさん以外の男など考えられません」


 それを聞いたカイトさんは少しホッとしたように、大きく深呼吸してから、


『俺は……パレット先生を失いたくない。ワガママで自分勝手だってわかってるけど、パレット先生が他の男といるのを想像するだけで辛い』


 私は嬉しく泣きそうになりました。他の若くて美しい婚約者達と同列に扱ってくれている……その事実が何よりも嬉しいのです。

 しかし、あえて私はそれを表に出しません。


「ならば……証明してください」


 私がカイトさんに両手を広げると……おっほおおお!きたきたきたあああ!カイトさんが私に抱きついてくれました!成熟した女教師の体に、若い男子生徒の引き締まった熱い体が食い込む!熱い抱擁!正直苦しい!でも、これがいい!本当に誰にも渡したくないというカイトさんの愛が!独占欲が!男の本能が伝わってきます!

 そしてトドメ――カイトさんが至近距離で私を見つめて、


『パレット先生。改めて……俺の女になってください』


 カイトさんの言葉に私はキスで応えます……うっしゃああああ!26歳にしてファーストキス!甘い!年下男子の唇は甘露!極上スイーツ!チュチュチュウウ!

 そんな高揚感で私は特上男子を食べようとしましたが、考えが甘かったのです。そう、食べられるのはむしろ私の方でした……

 チュルウウウ!?吸われる!カイトさんに食べられる!うひょおおおお!マジですか!?私が美味しいのですか!?年上女教師の唇の味はいかがですか!?うお゛お゛おお!夢中で吸ってる!かわいい!かわいい!愛しすぎる!ひええええええ!舌!?もうディープキス!?私の口内が犯される!10才近く年下婚約者に!自分の生徒に!びやあ゛あ゛あああ!脳が!背徳的快感で!頭が幸せ成分ドバドバでおかしくなるうううう!クチュウ!ジュルルウ!ムチュ!プッハ!ンムウウウウ!息継ぎ出来ない!溺れる!溺れる!キスに!カイトさんに!んほおおおおおおお!

 こうして完全に出来上がった私たちは、ベッドになだれ込み……もちろん一線は超えません!だって、私は教師ですから!その代わり26年男と関われなかった分……一生分のキスをしました。


 そして私たちは同じベッドで同じ朝を迎え――


「おはようございます、カイトさん」


『んん~、おはよ……パレット……』


 愛しのカイトさんからの不意な呼び捨てに子宮がうずきました。


「カイトさん……まだ体が火照って……このままでは、また学園でムラムラしてしまいそうです……」


『まったく……パレット先生は本当にエッチな女教師なんだね』


「はい……ですから……お得意のわからせを……」


 こうして私達は朝からたくさんキス!

 そんな最高の朝の後はしばしの別れ……私は早出をして校門で手荷物検査。カイトさんは一旦ベルリオーズ家に帰ってから登校です。


 そして、堅物女教師モードに切り替えた私は真面目に仕事します。


「こら、学業に不要なモノの持ち込みは禁止ですよ」


 私に注意された女子二人組は愚痴をこぼしていました。


『婚約者ができて丸くなったって噂だったのに全然違うじゃん』


『ほんと、やっぱりクソ真面目な堅物女教師だね~』


 クソ真面目?

 堅物女教師?

 ふ、ふは、ふははははは!全然違います!

 私はクソ真面目ではなくド変態。

 堅物女教師ではなく淫乱女教師。

 偉そうに手荷物検査なんてやっていますが、現に私はいけないモノを学園内に持ち込んでいますからね……

 え?どこに?なにを?

 そ・れ・は……私の首筋に♡カイトさんのキスマーク♡

 んほおおおおお!襟をめくったら一発アウト!愛の証拠を学園内に持ち込んでいる!ヤッバ!エロ女!淫乱女!教師失格!でもサイッコオオオオ!女として最高に幸せ!


 そんな幸せをくれた人……愛しい婚約者が登校してきました。

 お゛ほおおお♡極上の男が、SS級最高級美少女三人を引き連れているのを見ると、私もその一員という優越感に身震いしてしまいます。

 そして私のところに駆け寄ってきました。


『パレット先生、今朝ベルリオーズ家の人達と話し合って、これから毎週水曜日はパレット先生のお家に泊まりたいんだけど……いいですか?』


 い゛よっしゃああああ!ダメなわけあるかああああ!これから毎週水曜日はカイトさんデイ!


「ええ、楽しみに待ってますよ」


 こうして水曜日は確定で……足りねええええ!毎日!毎時間!毎分!毎秒!キスしたい!

 しかし、それは現実的ではありません。でも……いつでもイチャつける場所を学園内に用意しておきましょう。そのために私は自慢の結界を使います。隠蔽結界、防音結界、不可視結界……私の全ての結界魔法のテクニックを駆使して、二人だけの秘密の部屋を用意しますから……カイトさん……私があなたの女だとわからせてくださいね♡

おかげさまで2万PV達成できました。ありがとうございます。

次回はフェリス回になります。


追記 2021/10/11

運営に怒られたので修正しました。

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