1-13 ※パレット視点 婚活女教師のメス堕ちとビクトリーロード
急に決まった編入試験――学校の短期休暇終盤に押し付けられました。
本当は今頃、街コンに行って……やめましょう。今回もたぶんハズレ。
はあ……それにしても何で私の周りにいい男っていないのでしょう……
私は別に贅沢を言ってるわけではないのです。
私が求めているのは、下記の六か条。
一、最低限の家柄。
二、恥ずかしくない学歴。
三、安定した職業。
四、無借金で安心できる資産。
五、いざという時に頼れるくらいの強さ。
六、そこそこの見た目と身長。
あと細かいところをいうと、程々の社交性はあるけど家庭を大事にして、うるさい姑がいなくて、私にすごく優しいけど、大事な時には引っ張ってくれれば……
そんなナイーブな気持ちで転入生を待つべく、校庭に立っていると、私を呼ぶ声がします。
『あ、パレット先生。もしかして先生が編入試験の試験官ですか?』
声の主は私の教え子のリューネさん。才能豊かな真面目な優等生で、私と同じ光属性の魔法適正があるので、授業終わりに質問にくる勉強熱心な女子生徒です。
休みの日はいつも家で勉強していると聞いてましたが、なんでここに?
そんな彼女の後ろには四人と一匹のフェンリル。そのうちの一人に妹のセリアさんがいて、いよいよ状況がわかりません。
「ええ……リューネさん、それにセリアさんも……どうしてお二人が?」
それに答えたのはセリアさん……って、あなた本当にセリアさん?
美神の如き絶対の美貌、【聖女】という恋愛カースト最強ジョブ、天才的な回復魔法の使い手で学園のマドンナ的存在。しかし、男には笑顔で塩対応を貫く鉄の女。
そんな彼女がメスの顔になって、男の子と腕を組んで、胸を押し付けながら、
『えへへ、それは私達の未来の夫であるカイト君の試験を応援にきたからです』
「ええ!?お二人の婚約者だったのですか?わ、私なんかまだ独身なのに……」
取り乱して余計なことまで言ってしまいました。
いや、だって想像してたのと正反対で脳がパニックですよ。
カイトさんは良くも悪くも普通の男の子にしか見えませんし……
とてもS級冒険者という雰囲気がないから信じられません。
でもリューネさんとセリアさんが簡単に男に騙されるとも考えられないし……
って!後ろの二人『最強夫婦』の異名を持つ有名冒険者じゃないですか!
『セイントオーガ』こと【聖騎士】ピピンと『鞭の女帝』【テイマー】のマリア?
ひょええええ!アルムスさん達が憧れてたS級冒険者が何でこんなところに!?
そういえば、その夫婦は実は名門貴族だって噂が……ああ、そういうことですか。
聞かなくても見ればわかります。リューネさん達のご両親だったのですね……
そして肝心のカイトさんを採点しなおします。
顔は……うん、悪くない。むしろ私の好みです。年下男子もイケル年になりました。
体も……ほうほう、ガッシリ引き締まってます。若いくせに指がエロイですねえ。
受け答えを普通にできるのも高評価。いい意味で冒険者らしくないです。
見た目と第一印象は81点。まあ合格ってところですか。
でも、さっきから私の胸をチラチラ見ちゃってますねえ……
男は自分の視線に無頓着。女は、そういうのに敏感なのですよ?
まあ、若い頃は嫌でしたけど、最近は正直悪い気がしないですけどね。
陥没乳首以外はS級の私のたわわ……年頃の男の子には目の毒なのはわかります。
でも見るだけですよ?触っていいのは、私の伴侶になる未来の夫だけですから。
ふふふ、このお預けしてる優越感が私の女としてのプライドを回復させます。
さて、婚活マイスターの時間はここまで。真面目に編入試験を始めましょう。
魔法演習場にて、ベルリオーズ家の方々が観客席で応援しながら試験開始。
と言っても推薦なので魔法の実技だけです。
ちゃっちゃと終わらせてエステに行かないと……独身女性は忙しいのです。
「では、編入試験を始めます。カイトさん、あなたが使える魔法を教えてください」
『俺は【召喚士】なので戦闘魔法は支援魔法と召喚魔法しか使えません』
召喚士……ですか、ちょっと期待外れですね。
まあ、婚活ポイント-10点で許してあげましょう。
「なるほど……では召喚魔法を披露してくだい」
するとカイトさんは固有スキルの使用許可を求めてきました。
変わった子ですねえ……そんな事を言われたのは初めてです。
そして、いざ召喚したと思ったら、ちっちゃい可愛いハリネズミ。
ひどい肩透かし……あと、独身女性に愛玩動物見せるのやめてください。
ペット飼ったら結婚できなくなる確信があるから遠ざけてるのですよ。
まあ、私の事情は置いといて、これじゃあBクラスに編入ってとこですね。
しかし、これは惨劇の序章にすぎませんでした。
『やっぱり召喚する順番は干支がいいよな……次はコウベ』
順番?もう召喚したではないですか……って、何ですかその禍々しい召喚獣!?
美味しいダシがとれる?いや、それより何故2体同時に召喚できるのですか?
固有スキル【ゾディアック】そんなスキル私は聞いたこともありません。
「ぜ、全属性?12体?同時?」
自分で言っていて意味が分かりません。そんな召喚士知りません。
しかしカイトさんは本当に12体同時に召喚獣を呼んで私を包囲しました。
『で、召喚しましたけど、これで終わりですか?』
「えっと……本当は魔法の威力を確かめるために結界魔法を張った私に攻撃してもらう予定だったのですけど……」
試験官の務めを果たそうと説明する私ですが、正直逃げ出したい。
私の高級リップクリームでプルプルの唇が震えています。
私のリーサルウェポンのオッパイも小刻みにポヨポヨ、震源地の膝がガクガク。
カイトさんに殺気が無いのはわかっています。それでも圧倒的絶望感――
最初の判断ミスは、あのハリネズミの召喚獣の可愛さに騙された事。
私の周りの12体の召喚獣全てがS級モンスター相当の能力を有しています。
え?何でそんな事が分かるのか?
それは冒険者時代にS級モンスターから逃げ出した苦い経験からです。
対峙した瞬間に明確な死のイメージが脳に焼き付くあの感覚……
今それが私を完全包囲して12倍で体を突き刺す――冷や汗が止まりません。
編入生、教え子、その保護者……その人たちの目も気にせず叫んでいました。
「ひいいいいい!絶対無理!死ぬ!これ絶対死ぬやつじゃないですかああ!玉の輿狙って王都の貴族学園の女教師になったのにいいい!ズタズタにされて召喚獣に食い殺されるうううう!何でもしますから!私のオッパイ好きにしていいですから!命だけはあああ!」
人間、死の恐怖を感じると子孫を残そうという本能が働いて性欲が強くなる。
そう、今の私です。無意識に情けない台詞を吐いて目の前の少年に命乞いするのと同時に、その少年――いや、この男が美味しそうで仕方ないのです。
食べたい!目の前の10代の若い肌がピカピカして眩しい! いえ違います。婚活のくせで捕食者目線……その愚かさを……わからされた! ほら!私を見ろ!26年熟成未使用の女体だぞ!この胸が好きなんだろ!?ただし食いついたら絶対離さないからな!この若い男は私のものだ!おい!なに澄ました顔してんだ!男だって私と同じで年中ムラムラだろ!?くだらない屁理屈なんか要らない!死ぬ前にこの男に抱き着きたいいい!
そんな女教師の職務を放棄した私にカイトさんは困惑していた。
『え、ええええ……俺そんなやばい奴じゃないですよ。じゃあ、一体だけで手加減して攻撃しますから、好きな召喚獣選んでください』
ふううっ、ふうううう。カイトさんの声が子宮に響いて少し落ち着きました。
試験官なのに、年上なのに……私はカイトさんにリードされている。
ダメ……冷静になるのよパレット・ポルンカ。
ギラギラすると男は逃げていく……もう何回も失敗したでしょ?
この男をものにするためにも年上の余裕を見せなければ……
冷静になろうとしている脳は一番弱そうで無害そうな羊の召喚獣を指名した。
でも、違います。これは私の子宮が出した選択です。
羊の召喚獣の立派な角を見た時、思い出したのは毎晩私を慰めてくれる恋人。
夜の愛棒『イボイボエクスカリバー3号』を彷彿とさせて自然と指が向かう。
そして、その選択は正解だったようです。
『はい、メルなら大丈夫ですよ。あんまり戦闘向きじゃないですから』
ふ、ふはははは……やっぱり女は頭より直感で考えた方が正しいのです。
私は火照っている胸をなでおろすと、集中して魔力を練りました。
私の十八番『光の五重結界』を発動して女魔導士としての腕を見せつける。
A級冒険者と言っても結界魔法だけならS級にも引けを取りません。
流石のカイトさんも少し困った様子……私って年下男子を困らせる罪な女。
その直後に私はわからされのです。罪な女ではなく、弱く愚かで醜い女だと。
S級冒険者の格……否、本物の男の圧倒的な暴によって。
カイトさんは召喚獣に『リロ・ガオ・ケレナ』三分咲き、と変な指示を出す。
リロ・ガオ・ケレナ?26年間、魔法一筋で生きてきた私も知らない魔法。
そもそも木属性魔法は攻撃手段が乏しい支援よりの魔法系統のはず……
攻撃系の木属性魔法を完璧に使いこなせるのはエルフくらい……
ん?これって古代エルフ語の魔法?しかし、現代のエルフでも難しい代物……
そんな私は目の前で急成長する樹木に思考停止。やっぱりこんな魔法知りません。
あれ?ピピンさんが私に結界張ってる?結果、私は六枚の結界で守られる。
でも、圧倒的な魔力……いや、カイトさんという破格の男の前では無力でした。
気づいたときには全ての結界が破壊され、蔓や幹の触手が私を襲います。
「ひぎいい!私の結界がああ!いやっ!蔓が絡んで!?ぎゃああああ!」
私は自分でも信じられないような汚い悲鳴をあげていました。
植物の洪水と死の恐怖に飲まれた私はあっという間に衣服を剥ぎ取られる。
そして、胸がバルンと揺れて剥き出しに……そんな私の胸が何本もの蔓に縛り上げられました。潰れるくらい締め上げられたので、痛みと快感が同時に襲ってきました。
それは胸だけではありません。幹に足を絡めとられて逆さ吊りにされていた私に別の蔓が襲い掛かりました。その蔓にもう片方の足が引っ張られて、私は大開脚を強いられ、逆さ釣りの刑と又裂きの刑を同時執行。それに私の処女膜が耐えられず、少し裂けたのがわかります
はははは、言葉にするとまるで哀れなヒロインですが、実際の私の様子は……
お゛お゛っ!おほおお!締め付けすごいいいい!ふうっ!ぬ゛ふうう!とれちゃうううう!むり゛!むりいい!んほおおお!お゛うっ!そこはダメえええ!ひいぃっ!あ゛ぐうううう!それ以上は!だめええええ!股がさけるうう!ひぎいいいい!私の処女膜があ!おぼおお!おっほおおおお!お゛おおん!んごおおいい!んぉっ!はおおお!植物魔法で殺されるう!だすげでえええ!お゛わるううう!処女なのにいい!女として終わっちゃうううう!
死の恐怖が最高のスパイスになって汚い声をあげていました。
ようやく植物の成長が止まった時には、もう以前の生娘だった私はいません。
太くたくましい大樹の頂上で蔓で緊縛されて大股開いて逆さ磔の26才。
身に着けているのは眼鏡とショーツのみ……端から見たらとんでもない変態女。
これが年下男子の手加減植物魔法によってわからされた女の末路でした。
そんなひどい状態の私はマリアさんと従魔のフェンリルによって救出されました。
ピピンさんは何かを察したのか、少し離れた場所で背中を向けてくれています。
マリアさんが「あ、あらあら~」と少し引き気味な笑顔で私に回復魔法と浄化魔法をかけてから、外套を貸してくれました。そんな露出狂みたいな恰好の私は木の下に降りて、カイトさん達と合流しましたが、まだ正気を失っています。
「穢された……年下の……転入生に……服を剝ぎ取られ……縛られて……吊るされて……晒されて……うううう、お嫁にいけない」
そんなレイプ被害者みたいな私にカイトさんが試験の合否を聞いてくる。
はああ!?私をしっかり見やがれ!!試験どころじゃねえだろおお!?
そんな怒りが私の目を覚まさせました。
「合格に決まってます!というより、何を学ぶ気ですか!?ま、まさか……このエロ魔法で女性を襲うために学園に!?」
『ち、違いますよ。この魔法は先生に実力をわかってもらおうと……』
わかってもらう!?わからせるの間違いだろおおおお!このケダモノ!
しかし、こんなに強いのに女との口喧嘩は明らかに弱々しい……
自身が処女だからわかる……カイトさんは童貞だ!新品食べ頃男子だ!
しかも冷静に分析すると私の理想の夫像に合致しまくる。
高スペ未使用男子が目の前に……この事実が私を婚活モードにチェンジさせる。
「はっ!つまり私を教師失格だと、わからせて手籠めにするつもりで……わかりました。では、カイトさん責任とってください!レディを脱がして辱めたんですから当然ですよね!?」
そこから私は推して押して押しまくる。
精神的わからせレイプ及び処女膜破損による損害賠償請求も行いました。
それなのに……男は私の処女膜なんか興味ないのですか?
ひどすぎる……26年守った私のメスバリアの価値なんてそんなもの……
周りの反応も生暖かいものでした。
そんな私に味方してくれる……女の子扱いしてくれる……セリアさん……
わからされた!この聖女こそが理想の女性!女としての格が違いすぎる!
目の前の彼女は、女神さえも凌駕する美貌
――神々しい輝きを纏った白金の髪
――穢れなき白さの透き通った肌
――曇りなき蒼天の如き澄んだ青い瞳
――天界の果実のように柔らかく甘そうな桃色の唇
――全人類の希望を体現した完璧な肢体
その美しさにばかり目を奪われてしまいますが、彼女の素晴らしさの根源はその心にあるのですね……
10近く年上の私を母のように優しく包んでくれる。
私のような行き遅れ女の心の痛みを感じ取ってくれる。
私と違い、一切の邪念の無い心の持ち主。
それなのに……そんな彼女の胸に顔を埋め……聖女の香りを嗅ぐと……
女なのに、教え子なのに、聖女なのに……彼女に欲情してしまう!
それに気が付くと、取り返しが付かなくなる前に離れます。
聖女恐るべし。
こじらせすぎて、新しい扉を開けそうになった私は改めて、『カイトさんお嫁さん計画』を練ります。タイムリミットはカイトさんが召喚獣の紹介を終えるまで。
どうやって落とすかも大事ですが、結婚してからも大切です。
〇プラン1:王道女教師作戦
「ほら、カイトさん♡授業に集中しなくちゃダメだぞ♡え、私がエッチすぎて授業ができない?仕方ないですねえ……では二人だけで保健の授業を始めましょう♡」
うーん、王道すぎて引かれますねコレ。まさか結婚してからもこんな事やってたら、ただの変態ですし……もっと、こう、私の魔導士という特徴を活かしつつ……男子が好きそうな……
〇プラン2:魔法少女マジカルパレットちゃん
「私、魔法少女マジカルパレット♪今日も街の平和を……出たわね怪人ウネウネ触手男!私の結界魔法で……んほおお♡お゛うっ♡あ゛あああ♡あへえええええ♡」
キッツ!何ですかこのプラン?年齢的にも……最後負けてアへ顔だし……
ダメ、もっとマシなプランを……淫乱女教師秘密のABC……はわわドジっ子巨乳の眼鏡にぶっかけ……ハードボンテージ・淫らな果実を搾り取る……
んなああああ!男の好みを研究するために買ったエロ本のタイトルばかり頭に浮かんでくるうう!もっと、ましな奴!ノーマルな奴を!
そんな風にピンク色で沸騰する私の頭に突如ある情景が――
ここは学園を卒業したカイトさんの屋敷の執務室。
書類仕事に追われるカイトさんと隣で控える秘書の私の姿が……
「旦那様、いったん休憩されてはいかがですか」
『大丈夫だよパレット先生……あっ!』
「ふふ、もう私は先生ではないですよ、旦那様」
『ごめん、パレットは今は俺の奥さんで秘書なんだよね。まだ慣れてなくて……』
「……やはり、私のような年増の押しかけ女房は受け入れられませんか?」
『違う、そうじゃない!幸せすぎて信じられないって意味だよ』
「口で言われも信じられません」
『ど、どうすれば信じてくれるの?』
私は何も言わず旦那様の執務机に乗ってM字開脚……
これだ!これしかない!これは妄想ではなく未来予知!そういう魔法です!
そして私はこのプランで押し切った。
ピピンさんとマリアさん、未来の義両親に認めさせて外堀ヨシ!
リューネさんは私の本気っぷりに降伏して無抵抗でした。
そしてセリアさんは応援してくれている。本当に聖女。流石は正妻。
最後にカイトさんこと旦那様……私の婚活奥義フルコンボに完全敗北!
『そ、そこまで言われたら……わかりました』
勝った!ついに私は夫を手に入れた!しかも、26年の人生で最高の男!
そして、私は旦那様の入学のアドバイスする。すっごい妻しています。
ああ、ついに夫を……これまでの道程は長いものでした。
ははは、ルイズ!へっぽこ魔導士のアルベルトを寝取ってくれてありがとう。
≪穢れなき光刃≫の皆!心配かけたけど、私は今幸せにやってます。
こんな私を受け入れてくれたベルリオーズ家の皆様!誠心誠意お仕えします。
そして、カイトさん……旦那様!
ああ、出会ってくれて……生まれてきてくれて、ありがとうございます。
自分より年下の男……旦那様は……やはり可愛い……それは否定できない。
でも、強く才能に溢れていて女性に優しい……私は神を信じております。
この人に仕えるために私は生まれてきたのだとわからされた時――
私の本当の人生の始まりです。