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5-4 ※セリア視点 鼓膜破壊集中法でテストを乗り越えたムラムラ聖女は宝玉をアナル拡張ボールと誤認する

 テスト……筆記試験って言葉を聞くと……うっぷ!おええええ!ゲホッ!ゲホッ!コポォ……はあ……はあ……拒絶反応で吐き気が……もうお分かりでしょうが、私の数少ない欠点は……そうですよ!勉強が苦手なんです!皆それを知ると意外そうな顔をするんですけど……清らかな聖女というイメージのせいで勝手に勉強ができると勘違いされてるんです。おまけにお姉ちゃんがいつも満点とっちゃうから余計に……うう、辛いです……

 そんな私の気持ちなんて無視して試験が始まります。


『それでは始めてください』


 試験監督の先生の合図で皆が問題用紙をペラッとめくってカリカリとペンで答案を埋めていきます。


 カリカリカリカリ……カリカリカリカリカリカリ……


 キイイイイ!この音が大っ嫌いなんです!私にとっては集中を阻害するデバフ魔法!獣人並みに耳がいい私は音に敏感なんですよ。

 そのせいで夜な夜な隣のお姉ちゃんの部屋からのエッチな音が耳に……


『チュパッ……ケホッケホッ……カイト……カイト……お姉ちゃん……頑張って練習するから……楽しみにしててね……ジュルル!グポッ!』


 もう……お姉ちゃんはエッチすぎです。そっちの方面も勉強熱心で、学園卒業後のカイト君との本番に備えて夜な夜な玩具で喉をトレーニング。処女なのに騒音級爆音口淫習得済みヒロイン街道を驀進して……そのおかげで私までムラムラしてテスト勉強に集中できなかったじゃないですか!

 しかし、こんなエロ騒音被害も無効化できる技を私は持っています。それはテストの集中力を高めるために編み出した奥義……ズバリ『鼓膜破壊集中法』です!最初は耳栓を試したんですけど、音を完全に遮断できませんし、何より『穴に異物を挿入する』という行為に興奮してしまってムラムラしちゃうので、気がついた時にはこの奥義を会得していました。


 それではやりますよ……両耳にビンタする感じで……パンッ!

 はい……これで完了……私は自分で自分の鼓膜を破壊……簡単に治せるとはいえ……ふふふ……ちょっと変態みたいですね……自分の膜を破壊する行為が病み付きに……って!ダメです!今はテストに集中しないと!このテストはトラギア王国古代史……かび臭い知識を暗記する私の苦手教科……特に偉人の名前とその功績を覚えるのが本当に嫌いで……しかし、今の私の超集中力なら大丈夫です。


Q:ペルロ・ロンバーズによって改正された法律を答えよ

 確かセクハラ顔のバーコードハゲの肖像画のオッサンでしたね……そうだ!自分のメイドと結婚するために『王国貴族婚姻法第8条』を改正して身分の違う者との婚姻を条件付きで認めさせたんですよね。そのメイドは若い男と駆け落ちしたってオチがついたので有名です……では次!



Q:王国創設に尽力した『巌窟の聖女』の名前を答えよ

 私にとってのラッキー問題が来ました!答えは『アグル・ルンガールー』です!これは同世代の有名な不屈の聖女『キオヴァス・シスカ』を答えさせようとする引掛け問題ですね。しかし私には通用しません。アグル・ルンガールーは一般的にはマイナーですが、エロ界隈では『聖女式アナルプレイ入門』の著者として有名で、その本は私の愛読書ですから……


 こんな感じでエロ知識とリンクさせながら問題を解いて、なんとか試験を乗り切りました。これで残すは模擬パーティー実習試験だけ……その準備期間も兼ねて学園はしばらく追試や補講期間になりますけど何をしましょうか……そんな事を考えていたら鼓膜を治すのを忘れていました。それを忘れるくらい……あああああ!ムラムラするうううう!カイト君!カイトくーーーん!テスト期間中は夜の生活を自粛なんて酷いです!けど……ふふふ、お預けされたからこそ燃える……やっぱりカイト君は最高に私の扱いが上手ですね♡今の私の脳内は毒々しいくらいピンク一色♡だって♡だって♡私は他のわからせシスターズと違って引っ込み思案で清楚だからカイト君とオーソドックスなプレイしか出来てないんです……今度こそハードなプレイに持ち込んで……妄想が止まりません!

あ、そろそろ教室……カイト君の声が早く聞きたい……そう思って鼓膜を修復した瞬間でした。


『大事な話をするから、今晩リューネの部屋に行くね』


 お姉ちゃんの耳元で囁くカイト君……それを聞いて頷くお姉ちゃん……二人とも真剣な表情……お姉ちゃんの顔はいつものドスケベお姉ちゃんモードではありません……少女が大人になる瞬間の……ああ……やっぱりお姉ちゃんに先を越されちゃいました……あれだけ努力してたんだから当然ですね……きっと今晩二人は……やる……正妻である私を差し置いて……悔しいです……でも……それがカイト君の選択なら受け入れます……だって私は愛の聖女ですから……

 こうして変態淫乱聖女から悲劇のヒロイン系聖女になった私はその役割を果たすため二人の背中を押しました。


「カイト君……お姉ちゃん……二人がどんな決断をしても私も応援してるから……ファイトです!」


 うう……私ってやっぱり涙の似合う聖女です……言った直後に耐えられずに女の子走りで駆け出して学園の屋上で泣きながら夕日を眺めました。ふふふ、甘酸っぱい青春です……でもやっぱり気になるので、夜にお姉ちゃんの部屋に入ってくカイト君をストーキングすると……


『何だかもったいぶったような事してごめんね。でも、リューネの一生に関わることだから、落ち着いて二人で話せるようにと思って』


『私の一生に関わる事?』


 いやああああ!やっぱり嫌です!聞きたくない!深夜に男女が密室で一生に関わる事を話し合うなんて!怖くて聞けません!私は再び自分の鼓膜を破壊して音をシャットアウト!それでもカイト君は何か喋ってます……聞くのは怖いけど気になります……もしかしたら正妻をお姉ちゃんに……そんなの耐えられない……そう思った次の瞬間でした。カイト君はアイテムボックスから大量の球を……それを見て驚愕して震えるお姉ちゃん……こ、これは……『聖女式アナルプレイ入門』で見たアナル拡張ボール?

 そうか……そうだったんですね……私が早とちりしてしまいましたが、二人は新しいプレイに挑戦するために真剣な話し合いを……それがアナル関係なら納得です。確かに一生に関わる問題ですからね。

 それでも私はまだビクビク怯えていたので、鼓膜を少しだけ修復すると途切れ途切れで会話が聞こえてきます……


『ふふふ、子供っぽいわよね。それに私って欲張りでカッコつけたがりだから、両方できたらカッコイイって単純な考えで迷わなかったわ』


『ははは、俺はそういうの好きだよ。変に打算的な理由よりもシンプルで分かりやすくて』


 子供っぽい?確かに両方の穴を使えたらカッコイイですけど、それは大人だよ、お姉ちゃん!でもカイト君はそういうのが好きって……私も『聖女式アナルプレイ入門』を読み込んで勉強しないと……


『でも……いい加減大人にならなくちゃいけないのかもね。小さい頃の憧れにこだわって成長が止まってたら、私だけじゃなくて周りにも迷惑が……』


 お姉ちゃん……そんなに小さい頃からアナルプレイに興味が……でも私達に気を使ってたんですね……


『それは違うよリューネ』


『え?』


『俺はそうやって諦めることが大人になる事とは思わないよ。それに誰もリューネ(のアナル)が弱いとか迷惑だなんて思ってないし、俺は普段の不器用だけど頑張り屋なリューネが好きで応援したい』


 くうっ……アナルプレイの話し合いでこんなにいい雰囲気になれるなんて羨ましいです。私なんてカイト君とは今でもオーソドックスなハグとキスしかしてないのに……お?二人が抱き合ったと思ったらお姉ちゃんの目が輝きました。


『え!?本当に!?イク!絶対にイクわ!』


 あんなの入れればイクに決まってるじゃないですか!


『そうか……リューネの今の実力なら……でも少し早い気も……』


『……危険なのね?』


『うん……でも俺一人でイクって言ったら……』


 カイト君一人でイク?まさかあのボールはカイトが自分で……そ、そんな……一人でアナルを……いえ、男性だから前立腺を開発してたというんですか……そんなの……


『ダメ!自分のこと何だから!私も一緒にイク!』


 そうですよね!やっぱりプレイは二人でイかないと……って!なんなんですかこの二人!いつの間に超変態カップルに!最高ですけど!お似合いですけど!これ以上は恥ずかしく聞いていられません!変態がうつっちゃいます!

 私は再び鼓膜を破壊して自分のベッドで丸くなりました。それでも隣の部屋で二人がイチャイチャしてるのは分かったので、ムラムラとシクシクする二つの感情を胸にふて寝しました。


 そして翌朝――

 何だかイマイチ寝付けなく調子が……とりあえず鼓膜を修復……でも完全に治すと隣の二人のエッチな音が聞こえてきそうなので、ちょっと難聴レベルでとどめておきました。

 すると凄く晴れやかな顔をしたお姉ちゃんが私のところに……昨日はさぞ盛り上がったんでしょうね……私は仲間はずれにされたのが悔しくてムッとした顔をしていると、お姉ちゃんからまさかの言葉が……


「セリア!お願いが……私とカイトと一緒にイッて欲しいところがあるの!」


 まさかのアナルプレイに参加要請!?我が耳を疑った私は鼓膜を完全修復して聞き直します。


「いいの?私も一緒にイって……」


「もちろんよ。今回の冒険にはセリアが必要なの」


 なるほど……やっぱり私の回復魔法なしでプレイするのは不安で冒険になっちゃいますよね。


「わかったよお姉ちゃん……それでどういう冒険的なプレイでイくの?」


『は?あんた何言ってるの?』


 あれ?ちょっと会話が嚙み合ってません?もしかしたら私の変態レベルが足りないんでしょうか?


「え?私がお姉ちゃんとカイト君の新しいところを開発するプレイのお手伝いするって話でしょ?昨日二人が『大事な話をする』っていうからどんなプレイに挑戦するのかハラハラしてたけど……大丈夫だよ!お姉ちゃんのアナルでもカイト君の前立腺でも、どんなところでイッても私がいるから!デリケートな部分の怪我でも私のビーナスハンドで一発で治せる!だから!早くプレイの詳細を教えて!予習しなくちゃ!学園のテストが終わったから思いっきり弾けようね♡」


 私は頑張って二人の変態レベルに合わせたつもりでしたけど、私を見るお姉ちゃんの目は……形容しがたい凄い目……そしていきなり怒りだしました。


『こんな妹に……こんな変態聖女に負けてられないわ!絶対に雷獣連峰で魔眼系のギフト宝玉を手に入れて強くなって見せるんだからね!』


 雷獣連峰?ギフト宝玉?あれ?あれれ?もしかして昨日の球はアナル拡張ボールじゃなかった?確かにキラキラして綺麗すぎる……欲求不満すぎて勘違いしちゃったみたいです……まあ、私も聖女とはいえ人間です。間違いは誰にでもあります。つまり……私の変態レベルはまだまだってことですね♪

おかげさまで14万PVを突破できました。

良ければブックマーク・高評価をよろしくお願いいたします。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 気が強いツンデレはアナルが弱いはエロゲでは常識ですね
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