4-15 ※セリア視点 SM令嬢誕生――わからせ鑑賞会が生んだ怪物
『カイト……カイト……しゅきいい』
『リューネ……お姉ちゃん……愛してる……不安にさせてごめんね』
私の隣のお姉ちゃんの部屋から二人の声が……いつになく熱く愛し合ってるようで『ビーナスハンド・耳をすませば』を使わずとも途切れ途切れではありますが甘い声が聞こえてきます。それを隠し撮りしていると思うと興奮のあまりなかなか寝付けませんでした。
そして翌朝、私は二人が朝食を食べている間にスフィアを回収して学園に……約束通り、リリーナさんと学園の空き部屋で鑑賞会を始めます。うす暗い資料室に映像スフィアが青白く輝いています……その光に照らされたリリーナさんの顔は興奮で赤くなっていました。
「リリーナさん……覚悟はできていますか?これを見たら引き返せなくなりますよ……それはお姉ちゃんに対する認識だけでなく、あなたの価値観も変わってしまうでしょう」
『もとより覚悟の上ですわ!それが私の「わからせ道」!』
ほう、いい面構えです……覚悟したメスの顔……いいでしょう……あなたを『わからせ』の世界に歓迎します。私は深呼吸してから映像スフィアを再生……それはお姉ちゃんが着替えるところから始まっていました。
『カイトって女好きだけど、意外と男っぽいのも……今日はこれに着替えようかな?』
ふふふ、好きな男のために精一杯オシャレする女の子……まだまだ正統派ヒロインムーブですが、学園では絶対に見せないメスの顔にリリーナさんは目を丸くしています。そしてお姉ちゃんは……ああああああ!いい!男装!もともとカッコイイ系のお姉ちゃんのピシッと決めた姿!サラシを巻いて胸を引き締めたお姉ちゃんは完璧な美少年!カイト君、ズルいです!私がこのお姉ちゃんとヤりたい!男装コスプレお姉ちゃんとガチンコ姉妹レズプレイ!お姉ちゃんに組み伏せられて強引に犯されるのも捨てがたいですが……やっぱり私がお姉ちゃんを無理矢理犯したい!男装女魔法剣士がズタズタにされる姿……ああ……エロすぎて芸術ですよ。くっころシチュでネットリ責めて快楽堕ちを……
そんな風に私がトリップしているとカイト君が登場……お、私の隣のリリーナさんの鼻息が荒い……ふふふ、隠し撮り映像と同時に発情している侯爵令嬢を同時鑑賞できるなんて私は贅沢ですね。おっと……スフィアに集中しないと……
『リューネどうしたの?急に男装なんかして……』
『たまにはこういうのも……お姉ちゃんのこういう恰好は似合わない?』
『そんなことない。今日のお姉ちゃんはカッコ良さも加わって素敵だよ』
『本当?お姉ちゃんに証明してみなs……んん♡カイト♡がっつきすぎ♡』
『お姉ちゃん!こんなの我慢するなんて無理』
カイト君登場からあっという間にディープキス!二人の舌がエッロい水音をたてながら絡み合ってるのがバッチリ撮れてます!そしてお姉ちゃんのメス顔も同様……それを見たリリーナさんはもうクラクラしてます。
『こ、こんな……本当にカイトさんのお姉ちゃんになりきって……これがあの優等生のリューネさん……これがわからせ……凄すぎますわ』
「何を言ってるんですか?こんなのは準備運動……わからせの本番はこれからです」
『そんな……あ!キスが終わってしまいましたわ!』
リリーナさんが残念そうに見つめる先ではキスは一旦終了。カイト君がお姉ちゃんに尋問タイム!
『ぷはあ……お姉ちゃんの男装は似合ってるけど……もしかして模擬パーティー実習に関係してる?』
『うん……カイトがドレイクやパチョレックとあんまりにも仲がいいから……もしかして男もいけるのかと……それが凄く不安で……もしそうなら、お姉ちゃんが欲求を満たしてあげようかと……』
『あはは、誤解だよ。俺は純度100%のノンケ……信じてもらえないかな?』
『ううん♡カイトの事を信じるよ♡だって私はカイトのお姉ちゃんだもん♡でも……疑っちゃったお姉ちゃんに……ダンジョンの勝負にまけたダメダメお姉ちゃんにこれでお仕置きして欲しいの』
お姉ちゃんがそう言って取り出したものは……あ、ああ……そんな……私だってまだなのに……SMプレイ用の荒縄と鞭……正統派緊縛SMプレイを……私もリリーナさんも言葉を失ってしまいました。
そんな私達を嘲笑うかのようにカイト君はお姉ちゃんを縛り上げます。そして吊るされたお姉ちゃんは……いえ、あれはもうお姉ちゃんでは……もはやメス豚でもない……芸術です……美の結晶……そしてカイト君がその緊縛わからされお姉ちゃんの背中に鞭を……そう……カイト君とセットでこの作品は完成するのです。
『ああ!あん!くうっ!もっと!もっとお仕置きして!弟を同性愛者と疑ったヘッポコお姉ちゃんに!メタルリザードを一匹も狩れなかったダメダメお姉ちゃんに!鞭を!痛みを!わからせを!あうう!気持ちいいい!』
変態ドM男装お姉ちゃんとその背中に鞭をあびせるカイト君……リリーナさんには刺激が強すぎたようです。めまいをおこして今にも昏倒しそうで……これじゃあ私が二人のプレイを集中して見れないじゃないですか!
「リリーナさん……初心者にはハード過ぎます……ここで一旦休憩を……」
『いえ、最後まで見届けますわ……ああ!リューネさんの背中が!サラシが!』
サラシ?あ、ああああ!お姉ちゃんの男装衣装の背中が破れて、サラシもほどけました!すると開放された胸がバルンと揺れて!エロすぎる!これは『くっころ男装女魔法剣士監禁凌辱!緊縛SMプレイでメス堕ちする!』で一本撮りたいです!いえ、下手に加工しないこっちの方が……実際、リリーナさんは大変気に入った様子です。
『はふぅ……凄すぎますわ。屈辱的な態勢で縛り上げられ……服はボロボロ……背中も真っ赤……これから女性の尊厳を奪うような凌辱をされるでしょうに……リューネさんの顔は……なんて幸せそうに……綺麗ですわ……』
その通り……これがわからせです。緊縛鞭打ちプレイでぐったりしたお姉ちゃんの表情は幸せいっぱいのアへ顔。キリッとした男装女魔法剣士の目はトロンとしていて、舌を突き出し涙と鼻水を垂れ流しながら、アヘアヘニコニコの絶頂アクメ顔!
そんなお姉ちゃんの縄をカイト君がほどいて……お姫様抱っこでベッドに移動……ああ、いよいよ最終章です。
『カイトォ……なんでほどいちゃったの?もっとお仕置きしてよぉ』
『もういい……お姉ちゃんは悪くない……同性愛者と疑われるような事をした俺が悪いんだ』
『そんなことない!カイトは悪くない!お姉ちゃんが悪いの!弟が悪いことしたらお姉ちゃんのせい!カイトはお姉ちゃんが守るの!』
『お姉ちゃん……お姉ちゃんだけにそんなことさせられないよ……俺はお姉ちゃんと全てを共有したいんだ。喜びも苦しみも……お姉ちゃんの全てが欲しいんだ』
その言葉を聞いたお姉ちゃんはポロポロ泣きながらカイト君と清らかなキスをします。
『カイト……カイト……しゅきいい』
『リューネ……お姉ちゃん……愛してる……不安にさせてごめんね』
そこからはベッドの上でキスをしながら抱き合う二人……その美しい愛の姿に私もリリーナさんも涙を流していました。
「ぐすん……お姉ちゃん……よかったね……最高に綺麗だよ……」
『本当ですわ……私……誤解しておりました。わからせとはただのエロ行為だと……でも、こんなに心揺さぶられる愛の形だったなんて……』
うんうん。リリーナさんもしっかり理解……わからされたようですね……わからせの素晴らしさを……
「ふふふ、それが理解できればリリーナさんもわからされ道に入門完了です。これからメス豚として精進を……」
しかし、私は見誤っていました。彼女のわからせ適正は私達とは逆だったのです。
『はい!私はこれから立派なわからせ士に……カイトさんのようになってみせますわ!』
「ええ!?そっちですか!?お姉ちゃんの姿を見てわからされの魅力に気付いたのではなかったんですか!?」
『確かにリューネさんは綺麗でしたが……リューネさんをあそこまで見事に調教するカイトさんに感服いたしました。飴と鞭を使い分け人を幸せにする……あれこそ理想の貴族のあり方!今日からカイトさんをカイト先生とお呼びしますわ!それでは早速弟子入りの挨拶してまいります!』
しまったああ!自分も周りもMばっかりだからリリーナさんも同類だと思い込んでました!一般的にSとMの比率は圧倒的にMが多いんです!Sの女王様になれる人は本当に希少で常に人手不足……って!そんな吞気な事言ってる場合ではありません!リリーナさんを……暴走侯爵令嬢を止めないと……あああ!遅かった!教室でお姉ちゃんと談笑しているカイト君に突撃しちゃいました!
『カイトさん!いえ、カイト先生!私を弟子にしてくださいませ!』
『え?いきなりどうしたの?先生と言っても俺とリリーナさんだと魔法も武術も系統が全然違うし……』
『そっちではありませんわ!わからせを教えてくださいませ!私も昨日のカイトさんとリューネさんのように緊縛SMプレイを!わからせ幸福イチャイチャプレイをできるようになりたいですわ!』
ぎゃあああ!あのポンコツ令嬢!教室でなんて事を大声で!いや、お姉ちゃんの前でそんな事言ったら……
『ちょっ!リリーナ!なんであんたがそのことを知ってんのよ!カイトとあのプレイしたのは昨日が初めてなのよ!』
『そ、それは……』
あのお馬鹿令嬢!チラチラこっちを見ないでください!そんな事したら……うあああ!お姉ちゃんとバッチリ目が合っちゃいました!
『セリアアア!あんた今度は何したのよおおお!』
「誤解なの!私は聖女としての務めを!わからせを布教しただけ!その教材がたまたまお姉ちゃんの男装緊縛お仕置き懇願SM姉弟イメージプレイだっただけ!リリーナさんもメス豚仲間にしようとしただけ!それがまさかこんな事になるなんて……」
『馬鹿!そんな丁寧に説明するんじゃないわよ!』
ああ……焦ってプレイ内容をクラスで公開してしまいました。そしてもう手遅れの様です……周りの視線と声がカイト君に突き刺さってます。
『カイトさん……最近少しは落ち着いたと思ったらリューネさんとそんな特殊なプレイを……』
『しかもそれを親友の婚約者に見せて弟子入りさせるなんて……まさかリリーナさんを寝取るつもりなのでは?』
『カイトさんがそんなノーマルな事……きっとドレイクさんと一緒に3Pを……』
『そんな……そんな事を「バラを愛でる会」の人達が認めるわけが……』
『ええ、これは一波乱ありますわ。そして私達にできることは……』
『うん。全力でカイトさんと距離をとりましょう』
こうしてリリーナさんがカイト君の弟子になったのと引き換えにカイト君と女子の距離は広がってしまいました……しかし、悪い事ばかりではありません。
リリーナさんとドレイクさんの仲がわからせによって深まったのです。二人は屋敷の地下室で秘密のお家デートを楽しんだそうで……
『ああ、リリーナ……こんなに芸術を理解しあえる日が来るなんて』
『ええ、ドレイク様……バラを咥えながら縛られているその姿……とても綺麗ですわ……でも……まだ足りませんわよ!』
『くはあ!素晴らしいよリリーナ!君の鞭は最高だ!』
『まだまだですわドレイク様!私にいい声を聞かせてくださいませ!』
こうして二人はSMライフを満喫するようになったとリリーナさんから報告が……めでたしめでたしですね♪
しかし、まだパチョレックさんの警戒は解けませんし、今回のダンジョン予行演習で自分たちの無力さを……いかにカイト君に頼り切りなのかをわからされました。本番の模擬パーティー実習試験の前に修行しないと……あ、もちろん真面目な修行ですよ!エッチな修行は……ほどほどに嗜みます♡
土日に書いた分は全部投稿したので明日からは今までのペースで投稿します。
これからもある程度ストックができたら休日に誤字脱字を確認しながら一斉投稿していくと思います。
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