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眼差しの少女  作者: 虜囚
目次
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騎馬・大太刀・巻藁切り

 そしてそのまだ拵えの無い大太刀を居合道場に持って行った。「拵えは?」と聞いたのは居合仲間である日本刀の拵え作りの若手の職人見習いである。


 「金が無いので自分で作る」と言ったら「いやタダで作ってやるよ。ハバキも付いているし」と言われたのでお言葉に甘えて作って貰うことにした。お礼は自作の色々の形の切り出しナイフ。右きき用、左きき用、刃が真ん中の左右対称の切り出しナイフとか。


 出来上がった拵えは、柄は黒紐の片手巻、鍔は家に有った駄目になった刀の鍔、鞘はつや黒の消し。ウレタン塗装であるが文句は言えない。野太刀としての見栄えも十分である。拵えは居合をするなら腰に差す刀の形(刃が上)で良いが、太刀(刃が下)として佩くなら金具が必要になる。幸い流鏑馬のときに親父が作った刀を金具を付けて太刀として佩いているので、馬上などで大太刀を着ける場合は、その金具を流用することにした。


 そして試し切りをした。切れ味は十分であった。


 この大太刀で居合抜きが十分出来るように自宅で練習を行い、居合道場で大太刀の居合抜きを披露した。


 疾走する騎馬からの大太刀による試し切りの話は、このとき居合道場にいた騎馬武者の会の連中からであった。

 

 「秋乃介くん、騎馬武者の会が地方の神社主催の武者祭りの出演を誘われているんだ。騎馬武者の会としては甲冑流鏑馬で出演しようと思うのだが、君は騎馬の大太刀での巻藁切りで出場してくれないか?、鎧はこちらで用意する。具足鎧なので動きやすいだろう。衣装は何時もの流鏑馬で着ているので十分だし」


 「何時ですか?」、「4月1日」


 「・・ちょうどその頃、小旅行しようと思ってるんです。兄貴から軽を貰ったので」


 「何処に?」、「信州の新月湖付近です」


 「おう、武者祭りを主催する神社はその近くだよ。馬は現地の乗馬クラブの人が用意してくれるので、我々はマイクロバスを借りて行く」


 「じゃあ現地で落ち合うので良いですか」、「いや、車を置いておくところが無いんだよな。だから途中で拾ってやるよ」


 「それなら大丈夫そうですけど、問題は練習する時間が無いことですね」、「大丈夫だろう、最近流鏑馬も的を外さなくなったし」


 ということで俺は騎馬・大太刀・巻藁切りで武者祭りに出演することになった。


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