第4話 運命の赤い糸
朱音の体の異変とは!Σ( ̄□ ̄;)
朝起きると朱音の体には異変が起きていた。
「なっ……なんだぁ?こりゃぁーー」
良くみると朱音の左手の掌から赤い糸のような物が出ている。
この糸のような物は触れる事も出来なければ絡まる訳でも無いのだが外に向かって飛び出していた。
不安にかられた朱音は急いで母を呼び、助けを求める。
「ちょっとお母さん。大変、早く来てぇー」
朱音の呼びだしに母が部屋へと駆けつける。
「もう朝から騒いでどうしたのよ」
朱音が自身の左手の掌を指差し、母に見せる。
「ほらこれ見て。この赤いの……いったい何だろうこれ?」
朱音が必死に母へアピールするが、不思議顔をし、困った顔の母。
「うーん。私には何も見えないけどなぁ……何かあるの」
「ほら、これだよこれ。この糸みたいなヤツ。外に向かって飛び出てるでしょ?」
朱音の言ってる事がわからないのか完全に飽きれ顔の母。
「私には何も見えないわよ。あんた寝惚けてるんじゃ無いの?ん?」
どうやらお母さんは完全に私の事を疑っているみたい。このあとお兄ちゃんにも見て貰ったが結果は同じであった。
どうやらこの赤い糸、他の人には見えない様だ。
朝食を終えた朱音はこの赤い糸の行先が気になり、好奇心で追ってみる事した。
赤い糸の様なものは恐ろしく長く伸びていた。いったいこれは何なんだろう?もしかしてこれが俗に言う運命の赤い糸とか呼ばれる代物なのか?
まあ男嫌いな私には完全に不要な物だが……面ぐらいは見てやっても良いかなと期待と不安を胸に糸を辿って行くと町の図書館に着く。
「意外と文系なヤツなのかな?」
そんな事を思いながら糸を辿って行く……すると目の前に突如、昨日の女幽霊が現れた。
どうやらこの赤い糸はルシエルの右の掌に繋がっているようだ。
「なっ……何であんたがここにいるのよ」
私が大声で叫ぶと、シーンとした図書館にザワつきが起こる。ルシエルも申し訳無さそうな顔で朱音に謝る。
「すっすみません。私、気付いたらここにいて……あの………その……」
朱音の声に反応した一人の男がこちらに向かってくる。良く見るとそれは空翔だった。
朝から爽やかな笑顔で思いっきり手を振りながら迫ってくる空翔だが朱音は冷たくあしらう。
「あっ目黒さんおはよ」
「おはようございませんでした。どうしてアンタまでいるのよ」
朱音の変な挨拶に思わず、空翔がツッこむ。
「だ~から何なのその挨拶?……流行りなの?」
「あっ……やっぱりルシエルは君に憑いてたんだね」
心配そうに言う空翔だったが言ってる事がおかしい……ルシエルは朱音ではなく空翔の所に行っていたはずなのに……。
そう思った朱音は空翔に勘違いだと伝える。
「ルシエルはアンタに憑いてるんでしょ」
「私の所には昨日来て無いし、ルシエルとも今ここで偶々会っただけだよ」
「まあ、立ち話もなんだから座って話すか」
相変わらず軽い感じの空翔にイライラしながらも大人しく図書室のソファーに座る朱音。
「まあ、ルシエルの件は良くわかんないけど……目黒さんは何しに図書館に来たの?」
「私は掌から出てるこの赤い糸を追って来たらここに着いたんだけど……って、ああぁーー」
朱音が驚愕し、再び叫んだ。
「なんか叫んでばっかりだな。今度はどうした?」
「あんたの右手からもほらっ赤い糸出てるよ」
叫ぶのも無理は無い。だって空翔の右の掌からも朱音と同じ様に赤い糸が出ていたのだから……いったいこれはなんなんだ?
朱音の指摘に空翔も驚いているようだ。
「げっ……なっなんだこれ?」
「でも触れないし絡まないし……何かすげぇ不思議だなこれ」
どうやら空翔にもこの糸は見えている様だ……。だが朱音の時とは違いどこか緊張感が無い空翔。
肝が据わっていると言うか軽いと言うか……どこか余裕があるように見えてしまう空翔に更にイライラする朱音。
空翔の糸を辿るとやはりルシエルの左の掌に繋がっている様だった。
ルシエルは二人の話を聞きながらジーとこちらの様子を伺っていた。
運命の赤い糸なんでしょうか(  ̄▽ ̄)
はたまたルシエルの呪いなのか!Σ( ̄□ ̄;)