第32話 父の友人
入って来たのは誰だろ(´・ω・`)
空翔の病室に入って来たのは品のある大人の綺麗な女性だった。
「初めまして空翔の母です」
(えっ?空翔君の……お母さん??)
「はっ……初めまして目黒 朱音と申します」
(空翔君のお母さん滅茶苦茶美人……そりゃ空翔君がイケメンなのも頷けるよ。でも……今はそんなんじゃなくて……)
「ごめんなさい。私を助ける為に空翔君、火事の小屋の中に入ってこんな事になっちゃって……全部私のせいなんです」
「話は先生から聞いてるわ。朱音さんが悪い訳じゃないんだし、そんなに自分を責めないで」
優しい空翔お母さんの言葉に朱音が涙する。
「ううぅぅ……でも……私の……私のせいで……ううぅぅ」
「先生も命に別状は無いって言ってくれてるし、この子なら大丈夫。強い子だもの」
「おっお母さん……」
泣いている朱音に対して優しく接してくれる空翔のお母さん。
「朱音さん良かったら空翔が目覚めるまで少しお話をしない?」
「……はい」
それから病室で朱音は空翔のお母さんと色んな話をした。
「空翔はね。夫の仕事の都合上、転校する事が多くて友達を作るのは得意だったんだけど、深く付き合うのが苦手な子だったの」
「えっ?」
(そっか……だからいつも誰にでも気さくに話すけど、あんまり深く付き合わず軽い印象が強かったんだぁ)
「女性関係もそう。外見は良いから声は沢山かけられるんだけど、みんな媚びを売って近付いてくるだけだってずっと嘆いてね」
「そうだったんだ……空翔君」
「でもね。今回の転校で決して媚びは売らず、対等になんでも話をしてくれる……そんな女性にやっと出会えたってあの子、本当に喜んでいてね……それが朱音さんだったのよ」
「えっ?わっ……私はただ……」
「私、その話を楽しそうにする空翔を見て本当に嬉しくて……少し羨ましくも思ったわ……ふふふ」
嬉しそうに空翔話をするお母さんだが朱音は少し照れていた。
「あっ……えっとすみません。こんな女性で……( >Д<;)」
「ちょっと頼りない息子だけど、空翔の事をこれからも宜しくお願いします」
「こっ……こちらこそ宜しくお願いします」
空翔のお母さんは優しくてやんわりとしたそんなお母さんだった。二人が話終わると病室にもう一人。いかにもチャラそうなちょいワル風の男性が入って来て朱音の方を見る。
「おぅ遅くなった。空翔は問題ないんだろ?瑠花。あれっそっちの子は?」
「空翔のガールフレンドの朱音さんです」
「ははは……こんなに可愛い彼女がいるなんてアイツもなかなか隅に置けないな」
「はっ初めまして……朱音と申します」
「空翔の父です。そんなに畏まらなくて良いよ。軽く軽ーく。しかし朱音ちゃんとどっかで会った事あるような気がするんだけど……」
頭を抱えて思い出そうとしている空翔のお父さん。空翔のお母さんがツッこむ。
「また誰かと勘違いしてるんじゃないですか?」
「うーんと……朱音ちゃん名字は?」
「目黒です」
何かを思い出した空翔のお父さん父。
「わかった思い出したよ。朱音ちゃんのお父さん大地って名前じゃないか?」
「はい。私の父は目黒 大地ですが……お父さんを知ってるんですか?」
「知ってるも何も俺は大地の大親友だからな。結婚式にも参加したんだぞ」
空翔のお母さんも話に入ってくる。
「まさか目黒君の娘さんだったなんて驚きね。私も同級生だったのよ」
「えっ?ほっ本当ですか?」
「しかしアイツ交通事故で意識戻らないままだから、朱音ちゃんも随分苦労しただろう?」
「ううぅぅ……ううぅぅ……はい」
それから空翔君のお父さんとお母さんから私のお父さんの学生時代の事や結婚式の事など色んな話を聞いた。
この時、朱音は初めてお父さんの子供で良かったと心の底から思う事が出来たのだった。
お母さんは理解ある人で人間が出来ていそうですね(´・ω・`)お父さんは軽い感じ(  ̄▽ ̄)
果してルシエルは無事なのか?
この後、思いもよらない展開でルシエルの正体に近づく事に……




