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ルシエルの白魔女 ʚ♡ɞ  作者: 春原☆アオイ・月代ユカイ
第四章 理想のカップル(キュンLV3)
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第30話 籠の鳥

リーダー木村の活躍はまだあるのか!Σ( ̄□ ̄;)

 夜になるとみんなで夕食の準備に取り掛かる。メニューはカレーであった。他の班はあまり料理をしたことが無いのか野菜の皮剥きや炒めるのに苦戦している。


 ウチの班はと言うと……やっぱり朱音が凄かった。さっと野菜を洗うと軽快なリズムで野菜を刻んで行く。朱音の料理の腕は他の班からも注目を浴びる事に……。


「朱音ちゃん料理上手」


「まっ……まさか朱音がこんなに料理上手だったなんて……」


「ふふふ……これくらい朝飯前よ」


 そんな朱音であったが、一人で大人数の物を作るのは流石に大変な様でヘルプを出す。


「ごめん。誰かそこの林檎を剥いてすりおろしてといてくれるかな」


 朱音の声に反応したのはまたもやリーダー木村(きむら)であった。林檎の皮をサッと剥くとあっと言う間にすりおろして行く木村……もはやコイツの才能は神がかっているとしか思えない。


 そしてご飯が完成。他の班のご飯を見てみると生煮えだったりとか焦げていたりとか失敗ばかりだったが、朱音達の班は完璧であった。


「いただきまーす」


 均一に切られた野菜に柔らかくとろける様なお肉……味付けも絶妙で最高の出来栄えであったと言える。みんなおかわりして食べたのは言うまでもない。


 そんな様子を温かく見守っていたルシエルだったが突如異変が起きた。いち早く気付いた空翔がルシエルに駆け寄る。


「ルシエル大丈夫か?」


「ごっごめんなさい。ちょっと無理し過ぎたみたいです」


 朱音もその状況を察し、すぐに空翔と離れる事にする。


 夕食後の自由時間に生徒達だけで肝試しを予定していたが、空翔と朱音は体調が優れないと言う事にして別々のロッジハウスで休む事にする。


 空翔に【LINK(リンク)】でメッセージを送る朱音。


朱音【ルシエルの事、気付かなくてごめん( ;∀;)】


空翔【気にするなよ大丈夫だからさ(´・ω・`)】


朱音【ルシエルに無理させちゃったよね(ノ_<。)】


空翔【大丈夫。今はゆっくりさせてあげよう( ;´・ω・`)】


朱音【明日には良くなるかな?( ;∀;)】


空翔【大丈夫。きっと良くなるよ(*´∀`*)】


朱音【空翔君ありがとう(´・ω・`)】


空翔【どういたしまして(^○^)】


朱音【空翔君……好きだよ(//∇//)】


空翔【俺も……好き(//∇//)】


 そんな感じで会えずともラブラブなやり取りをしていると他の女の子達が肝試しを終えて戻ってきた。


「朱音達もくれば良かったのにぃー」


「結構、楽しかったわよ」


「ごめん……次回は参加するよ」


 (はぁ肝試しやりたかったなぁ……でもルシエルの事を考えるとそうは言ってられないし、仕方無いよね)


 そんな事を思いながら就寝する朱音であったが……。真夜中に誰かが私を起こす声がする……声の主は遥(はるか)だった。


「ごめんね朱音。ちょっと今、大変な事になってて……」


「どうしたの遥?」


「最近、朱音と空翔君が不仲だって噂が立っている事を良いことにの2組の羽田(はだ)さんと4組の島津(しまづ)さんが空翔君を呼び出して告白するらしいの……空翔君の事だから大丈夫だとは思うけど、私、心配で……」


「あっありがとう遥。二人はどこにいるの?」


「たぶん集会場の裏のベンチだと思う。あそこなら先生達の死角になるし……」


「私、行ってくるよ」


「気をつけて行って来てね」


 集会場の裏のベンチまで行くと空翔と女子二人が話しているのを発見するがルシエルの体調が悪化すると思い、遠くから見守る事にする朱音。


 空翔は何かを一生懸命に説明しているが、女子二人は納得出来ないと言う顔で空翔に迫る。

 私が出て行ってしまえば済む話なのだがここは空翔君に任せるしかない。


 暫くすると二人は泣きながらその場から離れて行く。安心した私はロッジに戻るが途中で振られたばかりの二人に遭遇してしまう。


 すると羽田が私に声をかけてきた。


「あっ……朱音……なんでアンタがこんな所にいるのよ?」


「えっ?あっ……えっと私はちょっと眠れなくて散歩を……」


 今度は島津が私に迫る。


「まさか振られた私達を嘲笑(あざわら)いに来た訳じゃないでしょうね」


 二人の目は泣いていたのか真っ赤になっている。


「えっ?いやそんな事は……」


「アンタさえいなければ私は空翔君と付き合えてたのに……」


「……許さない。絶対に許さないんだからぁ」


 朱音を強引に引っ張って行く二人。


「えっ?ちょっ……どこに連れてくの?えっ……ちょっと嫌だ……やめてよ」


 朱音は離れにあった小さな小屋の中に一人閉じ込められてしまう。この小屋の窓は全て木で塞がれており。一つしかない扉は開かない様につっかえ棒を置かれてしまった。


「あっ開けて……開けてよ……お願い開けて………怖いよねぇ……開けてってば……」


 悲痛の叫びも虚しく誰も助けに来ない。スマホも置いて来ちゃったし、この小屋で一夜を過ごす覚悟をする朱音。膝を抱え座ったまま寝る事にした。


 運命の悪戯なのか、この日タバコを吸っている地元のおじさんが小屋の前でポイ捨てをする。するとみるみるうちに火が上がり、小屋を炎が包んでいった。


 寝ている朱音はパチパチと言う音で目が覚める。


「うーん。なんだろうこの音?……えっ?えっ?火?もっ燃えてる?えっ?やだっ……誰か助けて……助けて……」


 扉を叩き続ける朱音だが、扉付近で火が上がり奥へと逃げ込む朱音。絶体絶命のピンチ……。


朱音……絶体絶命の危機に……( ´;゜;∀;゜;)

どうなる次回

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