第29話 林間学校
林間学校懐かしいですなぁ( ̄▽ ̄)
そして林間学校の日。予定の時間になってみんなが続々と集まってくる。
朱音や空翔も時間になり到着するとルシエルが現れる。暫く会っていなかった事もあり、今日のルシエルは体調が良さそうだ。
「朱音さん空翔君おはようございます。林間学校ですよぉ楽しみですね」
久し振りにテンションの上がっているルシエルを見て安心する二人。実際のところ今日の林間学校を耐える為にルシエルの体調を整えて来たような所もあったので今までの努力が報われた瞬間でもあった。
そんな中、リーダー木村がみんなに言う。
「みんな聞いてくれ。これから俺達はバスと徒歩により、キャンプ地を目指す。体調が悪くなったらまずは俺に言ってくれ。先生を通し、どこかで休めるように手配するから。あと団体行動だから勝手な行動は避け、常に時間前行動を意識して動いてくれ。俺からは以上だ」
なっ……なんなんだこいつは?ただのヤンキーだと思ってけどリーダーにするとこんなにも変わるもんなのか?それとも意外と真面目な奴だったのか?何にせよ大抜擢だった事は間違いないだろう。
バスに乗り込む二人。席に着くと空翔は横の席でスッカリ眠っていた。今まで気付かなかったけど、空翔が眠っている間にはルシエルも消えている様だ。
キャンプ地の麓へ到着するとみんなで並んで歩き始める。
「空翔君。綺麗な場所だね」
「うん。凄く癒されるな」
朱音達の楽しそうな会話にルシエルも入ってくる。
「マイナスイオンたっぷりで癒されますね。良いところです」
幽霊にマイナスイオンが効くのかはさておき体調が良さそうなルシエル。暫く歩いてキャンプ地へと辿り着くと……空翔と朱音がその広さに驚く。
「結構広いんだな」
「うん。思っていたよりずっと広いわね」
そんな呑気な事を言っていると、リーダー木村が声をかけてきた。
「天王寺、朱音。この後、すぐに昼食だから荷物をおいたらすぐにここに集合だ。あんまり時間が無いから急いでくれよ」
この的確な指示……本当に名リーダーなのかも知れない。荷物を置いてからすぐに戻るとお昼ご飯がテーブルに並んでいた。
「いただきまーす」
みんなで一斉に食べ始める。大自然の中で食べるご飯は格別でより一層美味しく感じた。ルシエルもその様子を伺いながら気持ち良さそうに宙を漂っていた。
「ふふふ……森林浴……気持ち良いです」
昼食をを終えると体験学習の時間になった。今日行うのは流木や木の実で作るアートらしい。
早速、作り始める一同。暫くすると朱音の作品が完成した。
「よし出来た」
朱音の作品に空翔がツッこむ。
「そりゃ何を作ったんだ?」
「えっ?見ればわかるでしょ?猫よ」
「ごっごめん……どっからどう見ても芋虫にしか……」
空翔に馬鹿にされたのに腹を立てた朱音が今度はイチャモンをつける。
「そっ……そう言う空翔君こそ何を作ってんのよ」
「俺はジェット飛行機だ。どうだ極めてるだろ」
「ぷぷぷ……なんだかカカシにしか見えないわね」
「何をぉー」
二人のやり取りを見かねたリーダー木村が注意をしてくる。
「おい。二人共、みんな集中してやってるんだ。少し静かにしてくれないか」
反省する二人だったが、朱音が木村の作品にイチャモンをつけようと覗きこむ。
「そんな事言っちゃって……あんたはいったい何作ってんの?ほらっ見せてごらんなさいよ……えっ!?」
そこには精巧に組み合わされた流木が恐竜の骨格を見事に再現していた。こっ……これはいったい?……何かの悪い夢では?
「ティラノサウルス・レックスの骨格だ。極めるとはこう言う事を言うのだ」
「すっすげぇ精巧……」
「木村君ってこんな才能あったのね」
クラスの連中がみんな木村の作品を見に集まり、絶賛している。木村も自慢気にアピールしていた。今日の工作で木村の作品が最優秀賞に輝いた事は言うまでもない。
その後、朱音達は夕食の準備に取り掛かるのであった。
木村さん……凄すぎます!Σ( ̄□ ̄;)
次回、朱音に悲劇が降り注ぐ…人生最大のピンチ( >Д<;)…




