第27話 リーダー任命
林間学校の班のリーダーは誰だ!Σ( ̄□ ̄;)
午後になると週末行われる林間学校の説明があった。班分けは学年全体でバラバラに振り分けられたのだが……朱音と空翔はまさかの木村と同じ班になった。
「げっ……木村と同じ班なんだけど、なんか嫌だな。まあ空翔君も一緒だから大丈夫かな」
「朱音。もし、あいつが変な事してきたら俺に言えよ」
「うん任せた」
そして各班別れて話し合いをする事に……。
班は6人編成で男子3名女子3名の振り分けであった。朱音も空翔や木村達と一緒に打ち合わせする事になった。
「あれっ?木村髪切ったの?」
朱音が言うと木村が申し訳なさそうに答える。
「いや……あの時の反省って言うか……ケジメって事で丸めて来た。俺、どうかしてたんだ……本当にすまなかった」
あの木村が反省とは意外。まあ、あんだけヤンキーのリーダー格の人に言われてたら当然かと納得する朱音。
「木村も宜しくな。あの時の事は水に流して楽しくやろうぜ楽しく」
相変わらず能天気と言うか軽い感じの空翔に若干の不安を抱きながらも楽しみな朱音。
「ねぇねぇ朱音ちゃん。空翔君と付き合ってるって本当?」
「良いなぁー私も素敵な彼氏が欲しいー」
他の女子達は朱音と空翔の事でいっぱいだ。もう一人の男の子は影が薄いと言うか……何とも言えない雰囲気を醸し出していた。
班分けと言っても実際は体験学習と夕食作りだけで、帰ってきてからの発表資料作りがメインだ。
朱音の司会で写真係りやパンフレット回収係り等を決めていく。そして最後に残ったリーダー役はと言うと……。
「よし、だいたい決まったわね。後はウチの班のリーダーなんだけど……木村お願い出来るかな?」
まさかの提案に全員が「えっ?」って表情になる。なぜ朱音ではなく木村なのか?
「おっ……俺がリーダー?」
戸惑う木村達に朱音が説明する。
「ヤンキー達を纏めあげている貴方にはリーダーとしての資質があるはずだわ。きっと上手く纏めてくれるって私は信じてる」
朱音の言葉に俄然やる気の木村。他のメンバーも不安ながらも否定出来ずに決定する事になる。
空翔からなんで木村なの?小声で聞かれたのでコッソリ耳打ちをする。
「ああ言うヤツは何もやらせないと何もやらないから……責任ある事をやらせといた方が良いのよ」
なるほどと納得した空翔。木村は良いように朱音に踊らされるのであった。
放課後になり、空翔と一緒に帰宅する朱音。遥と仲直りした事を報告する。
「空翔君に報告なんだけどさ。今日、遥とようやく仲直り出来たんだ」
「良かったじゃん。朱音ずっと気にしてたもんな」
「もう一時はどうなる事かと思ってたけど……本当良かったよぉ」
明るい表情の朱音。本当に嬉しそうだ。
「これもみんなルシエルのお陰だよ。ありがとねルシエ……。あれっ?ルシエルいないよ?どこに行っちゃったのかしら?」
「そう言えばさっきから見掛けて無いよな」
恐る恐る赤い糸を辿ると道の隅に倒れ込んで苦しそうにしているルシエルがいた。
「るっ……ルシエル!?」
ルシエルの身にいったい何が?
ルシエルにいったい何が?(ノ_<。)




