第26話 復縁
朱音の家は複雑な心境の様ですね(ノ_<。)
翌日、学校へと向かう朱音。空翔との待ち合わせ場所に向かう。
「おはよ朱音」
「おはよ空翔君」
「おはようございます。お二人共」
朱音と空翔とルシエルの三人は仲良く登校。空翔は昨日、親子岩について色々調べてくれた様だが手掛かりは何も掴めなかったらしい。
「みんなおはよう」
「おはよう」
朱音と空翔が一緒に教室へ入り挨拶すると、みんなが挨拶を返してくれた。ただ一人、親友の遥を除いては……。
遥は朱音達をチラッと見るなり一人廊下へと走って行ってしまう。その様子をコッソリと覗いているルシエル。
遥は以前とは異なり、泣いたり怒ったりはしておらず、廊下の窓から空を見上げてはタメ息をついていた。その様子を見てルシエルは思う。
「今がきっと頃合いですね」
教室へ戻ると朱音を隅に呼び寄せるルシエル。
「朱音さん、お待たせしました。ようやく遥さんへ謝る頃合いになりましたよ」
「えっ?本当に?だけど、なんて謝れば良いんだろう。いざ話すとなると言葉が……」
「自分の気持ちを伝えれば良いんです。仲直りしたいと、今まで傷付けてしまった事を謝罪して……きっとわかってくれます」
「ありがとう。昼休みに誰かに頼んで遥を呼んでみるよ」
「ふふふ……頑張って下さいね」
そして昼休みになり、人通りの少ない音楽室前の廊下へ遥を呼び出す朱音。
「ごめん遥。こんな所に呼び出して……」
「いえ良いの。話って何かしら?」
「あの……ごめん遥。私、空翔君との事で遥の事いっぱい傷付けた。遥がこんなに辛い思いしてる中、私だけ良い思いをして……本当にすまなかったって思ってる。本当にごめんなさい」
「………」
何も言わずにただ聞いている遥。
「遥は私の事を嫌いだって言うかも知れないけど、私は……私はかけがえの無い親友である貴女を失いたくないの」
「……………」
泣きながら話を続ける朱音。
「今すぐになんて言わないから少しずつでもまた……グスッ……やり直して行けたらなって……私、思うの……ううぅぅ……グスッ……グスッ……」
「……ごっごめんね……身勝手な事ばっかり言っちゃって……グスッ……話はこれで終わりだから……」
朱音が教室へ戻ろうとすると遥が引き留める。顔を見上げると遥も泣いていた。
「待って朱音……グスッ……私……私も貴女の気持ちも考えずに……グスッ……自分の振られた事ばかりを考えて……グスッ……嫉妬して……貴女の事を沢山傷付けた……」
「わっ……私も……グスッ……親友の貴女を……グスッ……失いたくない……グスッ」
「今までごめんね……グスッ……朱音の幸せを……親友の幸せを願ってあげられ無くて……もう大丈夫だから……グスッ」
「うわぁぁん遥ぁー」
「ううぅぅ……朱音」
涙ながらに抱き合う二人。ようやく二人の関係が修復された瞬間であった。
教室へ手を繋ぎながら入って来た二人を見てルシエルもまた微笑んでいた。
仲直り出来て良かったですね(ノ_<。)




