第17話 リベンジ
完全に恋に落ちた朱音(//∇//)
ニヤニヤが止まりませんね( ̄▽ ̄)
翌日学校へ向かう朱音。教室で支度をしていると……遥達が登校してくる。
「おはよう。はる……」
朱音が挨拶しようとすると遥達は廊下へと出て行ってしまう。
「はぁーーやっぱりまだ怒ってるかぁ」
あの感じだと他の子達もウチラの事を知ってそうだし、なんか切ないな。そんな事を考えていると空翔が登校して来た。
「みんなおはよう」
空翔の元気な挨拶に数人が返す。席に着くと朱音にも挨拶してきた。
「よぅ。おはよ朱音」
「あっおはよ。昨日はありがとね」
朱音が小声で言うとうんうんと頷く空翔。するとルシエルが現れる。
「おはようございます。朱音さん空翔君。遥さん達はどうですか?」
首を横に振る朱音。
「まあ、まだ二日しか経って無いですからね。一週間ぐらいは様子をみましょうか」
「うん。そうだよね」
昼休み……この日は当然、遥達からも声がかからず、お昼も一人で食べる事になるのだが廊下で偶然、空翔が木村に声をかけられているのを発見する。
気付かれないように話を聞いて貰う様にルシエルにお願いする。
「よぉ天王寺君この前は色々とどうも。お陰様で俺の足はこんなだよ」
木村の足には包帯が巻かれており、松葉杖をついていた。
「自業自得だろう?でっ俺に何か用か?」
「いやーな。俺の慕ってるチーマーの兄貴分が、是非お前に会いたいって言うもんだからさ。放課後、ちょっと面貸せよ。もしバックレたり、チクったりすればお前の大切な朱音は回されてボロ雑巾みたいになって帰ってくるだろうけどな……ハハハ」
ルシエルの表情が真っ青になるのがわかった。朱音は空翔を誰もいない音楽室前の廊下に呼び出し話を聞く事にする。
「どうしたんだよ朱音。こんな所に呼び出して……誰かに見られたら問題になるぞ?」
朱音は強い眼差しで空翔をジーっとみている。
「さっき木村と何か話してたみたいけど、いったい何の話?」
「ハハハ……そんな大した話じゃないよ。気にすんなよそんな事」
隠そうとする空翔をよそに朱音がルシエルへ聞く。
「ルシエル教えて……木村は空翔君に何を話してたの?」
「空翔君はあのヤンキーの兄貴分の人に放課後、呼び出されています。きっと空翔君へ暴力を加えるのが目的だと思われます。逃げたり、誰かに助けを求めれば朱音さんに手をあげると脅して……」
「なにそれ木村のヤツ酷~い」
額に手を当てて不味いと言う表情の空翔。仕方無いと言う様な表情で朱音に話す。
「ちょっと殴られてくるだけだから心配すんなよ。イタチごっこになるし、今回俺は手は出ないけどな。でも万が一朱音が襲われる様な事になったら俺、死んでも守るから……それだけは約束するからさ」
空翔の言葉に朱音が泣き出す。
「ううぅぅ……私のせいなのに……どうして……どうして空翔君が……ごめんなさい……ううぅぅ……」
泣き出す朱音にハンカチを渡すと教室へと戻る空翔。
放課後、学校の裏門に凄まじいバイク音が鳴り響くと10人ぐらいのガタイの良いヤンキー達が空翔の前に立ちふさがる。
朱音も校舎裏からその様子を見ており、ルシエルはと言うとヤンキーの間近でその様子を見ていた。当然、空翔もそれには気付いている。
木村がガタイの良いヤンキーに声をかけた。
「チース。今日は自分の為にこんなに集まって頂きアザーッス」
「へへへ……まあ可愛い後輩が殺られたとあっちゃ黙っちゃいねぇよな」
「しっかし、お前がそこまで殺られるなんて珍しいよな」
「まあ、しっかりと焼き入れて二度と逆らえない様にしてやるからよぉ」
絶対絶命のピンチ……空翔も覚悟を決める。
「テメェが木村を殺ったヤツだな面見せろや」
リーダー格のヤツが空翔の胸ぐらを掴み顔を近付けると……何故か突然、笑い始めた。
「ハハハハ……お前、誰かと思ったら空翔じゃねぇか」
「えっ?もしかして祐介兄ちゃん?久し振りだね」
「本当に久し振りだよな。親父さんも元気なのか?ハハハ……」
「相変わらずピンピンしてるよ。あの親父……強さだけは本当に化物だからね……ははは」
ん?なんか楽しそうに話を始める空翔……様子がおかしい。
するとリーダー格の男が他のヤンキーに大声で言う。
「ハハハハ……みんな止めだ止め」
「祐介。コイツ誰なの?」
「ああコイツは極真空手時代の後輩で天王寺 空翔だ。全日本強化選手の合宿でも何度も一緒になっててなコイツの実力は本物。サシで殺りあったら誰も勝てないだろうよ……ちなみにコイツの親父はそこの会長さんだ」
「なんだよ。祐介さんの知り合いだったのかよ」
「それじゃあ仕方ねぇな。ズラかるか」
「しかし、あのヒョロヒョロそんなに強いのか?まあ別に良いけどな……」
ヤンキー達はみんなバイクへ跨がって行く。最後にリーダー格の人が空翔に声を掛ける。
「まさか空翔がこっちの学校にいたとはな。悪いな俺の後輩が迷惑かけちまったみたいで」
「いやいや……こちらこそありがとうございました。お陰で助かったよ」
そして……リーダー格のヤンキーが木村を呼ぶ。
「おい木村、お前は喧嘩する相手をよく考えろよバカヤロー。もし今後、空翔に手を出すような事があればその時は俺がキッチリ焼き入れてやるからな。じゃな」
ヤンキー達はバイクに乗って行ってしまう。木村は悔しそうにその場で膝をついていた。
空翔が帰ろうと正門まで向かうと朱音が待っていた。
「朱音、あんな近くにいたら危ないだろ?俺、マジでヒヤヒヤしたよ」
「ごめんなさい。でも私、心配で……でもでも、いざとなったら空翔君が守ってくれるって言ってたしぃ……」
そう言うと空翔の腕の袖を摘まんで恥ずかしそうに歩き始める朱音。
「ありがとね空翔君、格好良かったよ」そう心でお礼を言う朱音であった。
次回、朱音が空翔に恩返しをします( ≧∀≦)ノ
朱音の意外な才能が明らかに……( ̄▽ ̄)