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ルシエルの白魔女 ʚ♡ɞ  作者: 春原☆アオイ・月代ユカイ
第一章 知人~友人
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第11話 救世主

木村怖すぎます( TДT)

 ヤンキー木村(きむら)に強引に迫られる朱音(あかね)絶体絶命のピンチに……。


「ふざけないで。私があんたなんかと付き合う訳無いじゃないのよ……放しなさいよ」


 必死に抵抗する朱音だが男の力には敵わず、逃げられないでいる。

(無理無理無理、絶~対に無理。なんで私がこんな奴と……)

 そんな事を思っていると木村が強行手段に出る。


「じゃあ仕方無い。お前には体で分からせるしか無い様だな」


「えっ?ちょっ……ちょっと」


(なっ何をする気なのよコイツ。ヤバイ……本当にヤバイよこのままじゃ……誰か……誰か助けて……)


 激しく抵抗する朱音だが、そのまま体育館倉庫へ連れていかれてしまう。


 一方、昼休みが終わっても帰って来ない朱音が心配になり、捜索へと向かう空翔。


 赤い糸は体育館倉庫に向かって伸びていた。勿論、体育館倉庫の前には木村の舎弟が待機しており、誰も寄り付かない様に見張っている。

 空翔が木村の舎弟に話し掛けると………。


「あのこの辺に朱音って女の子がいると思うんだけど……知らないかな?」


「そんなの知る訳ねぇだろ。あんまりウゼぇとお前殺すからな」


 木村の舎弟が嘘をついているのは明確であったが、何をしているかもわからない以上、手は出せないと悩んでいると空翔の下にルシエルが飛んでくる。


「空翔君、大変です。この中で朱音さんがピンチです。急いで下さい早く」


 激しく取り乱しているルシエルに(ただ)ならぬ状況だと判断し、舎弟を振り切って中へと強行する空翔。


 一方、体育倉庫の中では泣いている朱音とその朱音を無理矢理押し倒しキスを迫ろうとしている。木村がいた。


「……グスッ……グスッ……グスッ……」


(なんで……なんで私がこんな奴と……。嫌だよ……誰か助けて……私のファーストキスをこんな奴に奪われたく無いよぉ……お願い……誰か助けて)


 朱音の悲痛の叫びが届いたのか体育館倉庫へとやってくる。泣いている朱音を見てぶちギレる空翔。


「テメェーー。こんなところで朱音に何してんだよ」


 普段は温厚であるはずの空翔がこの日初めてキレた。そんな空翔に気付いた木村も舎弟に指示を出す。


「たくっ……折角良い所だったのに邪魔しやがってこのウジ虫ヤローが……おい誰かソイツを押さえ付けとけよ。俺様と朱音の愛の営みって奴を間近で見せつけてやるよ」


 空翔の周りを2~3人の舎弟が囲む。状況からすると圧倒的に不利であったが……。


「……ううぅぅ……空翔君……助けて……グスッ……」


 空翔を後ろから掴みにかかる舎弟。だが次の瞬間、舎弟はそのまま倒れ込んでしまう。

 次々に襲いかかる舎弟共を物ともせずに払い除けると木村の胸ぐらを掴み上げて思いっきり顔面を殴りつけた。


「テッ……テメェやりやがったな」


 怒りの狂った木村が空翔に襲いかかるが、サッと避けるとえげつない威力のローキックを無言で木村に浴びせ続けて行く空翔。


「痛ててて……こっこいつめ……畜生……」


 次第に足が膨れ上がっていき倒れ込む木村の耳元で空翔が冷たく(ささや)く。


「二度と朱音に近付くんじゃねぇ。次やったらこんなもんじゃ済まねぇからな」


 その鋭い眼光と怒りに満ちた声にゾッとした木村はその場で黙り込んでしまう。


 木村を倒した空翔は急いで朱音あかねもとへと駆け寄った。


「朱音。遅くなってごめんな。恐い思いさせちゃったよな怪我とかは無かったか?」


「ううぅぅ……アイツに襲われて……私、恐かったよぉ……ううぅぅ……」


 空翔に抱き付く朱音。暫くして落ち着くと体育倉庫を出る二人。体育倉庫を出る前に朱音が木村の股間目掛けて思いっきりキックしたのは言うまでも無い。


 体育館倉庫を出ると誰もいない廊下で話をする二人と一人。


「ありがとう空翔君。でもどうしてここがわかったの?」


 朱音の疑問に対して空翔は申し訳無さそうに話す。


「昼休みが終わっても朱音が帰って来なかったから心配になって……悪いとは思ったけど、この糸を辿ったんだ。そうしたらルシエルが凄い勢いで飛んで来て朱音が危ないって知らせてくれてさ」


「ルシエルが……?」


(今まで私が煙たがってばかりいたのに……私の事を助けてくれたの?私、あんなに酷い事ばかり言ってたのに……)

 目が合うと少し照れくさそうなルシエル。


「ありがとう、ルシエル。貴女(あなた)のお陰で私、助かったわ……それと今まで冷たくしてごめんなさい」


 朱音のお礼と謝罪にも謙虚(けんきょ)な対応を見せるルシエル。


「あっいえいえ……朱音さんが無事だったならそれで良かったです」


 今回の件で二人には本当に助けられた……今度、何かお礼をしなければなと考える朱音であった。


トックン……トックン……トックン……この日から朱音の身にはある問題が起きる事となる。


朱音の股間キック痛そうです( >Д<;)

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