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ルシエルの白魔女 ʚ♡ɞ  作者: 春原☆アオイ・月代ユカイ
第一章 知人~友人
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第10話 ルシエルの歌

ルシエルは好奇心旺盛?(  ̄▽ ̄)

 授業の為、音楽室へ移動する朱音(あかね)達。音楽室に着くと色んな楽器を興味津々(きょうみしんしん)に見ているルシエルがいた。


「あっこれはフルート……こっちはホルン……あっサックスなんかもあるぅ……懐かしぃで……ハッ」


 テンション高めに楽器を見ているルシエルだったが……背中に熱い視線を感じ振り返ると朱音がジーっと見ていた。すぐに謝罪へと向かうルシエル。


「わっ私ったら……ごっごめんなさい。つい勝手な行動をしてしまって……」


 謝るルシエルに対して意外にも朱音は優しい言葉をかけた。


「授業が始まるまでなら好きにして良いわよ。そのかわり始まったら大人しくしている事」


「ありがとうございます私、嬉しいです」


 朱音の言葉にルシエルの目がキラキラと輝かせてテンション高めに楽器を見に行った。ルシエルは本当に楽器が好きそうだ。


「きゃーこれはメトロノーム。こっちにはトランペットもぉー凄い凄い……懐かしい」


(ルシエルは昔、何か楽器に精通していたのだろうか?……でもメトロノームとかってそんな大昔からある物じゃない様な気も……)


 そんな事を考えていると授業が始まる。先生が今日の授業について説明する。


「今日はこれから合唱コンクールの練習を行います。一度曲を聴いて貰いイメージしてから各パートに別れて練習しましょう。では伴奏を目黒(めぐろ)さんお願いしますね」


「はい」


 椅子に座るといつもとは違い淑やかな感じでピアノを奏でて行く朱音。

 綺麗で力強い演奏にクラスメート達は魅了されていく。その演奏力や表現力は圧倒的で聴く人を全て心を掴んで行くようであった。演奏が終わると……。


パチパチパチパチ………。


「すげぇー」


「流石は朱音ちゃん」


 演奏が終わるとクラスメートから拍手喝采の嵐。満更でもない様子の朱音に後ろからルシエルが話かけてくる。


「朱音さん。凄いです……こんな凄い演奏初めて聴いたかも知れません」


「まあ、これでもピアノコンクール関東大会の覇者だからね」


 得意気な朱音。空翔(あきと)もその演奏に魅了(みりょう)されたようでジーっと朱音の方を見ていた。


 それから各パート毎に別れて練習していると、ルシエルも混ざって歌っているのを発見する。


「あっあんた、また何やっ……」


 朱音がルシエルに注意しようとするが、その透き通る様な歌声に一生懸命なその表情に徐々に魅了され止められずにいる朱音。


 ルシエルの歌声は綺麗であるがどこか切なく哀しい歌声であり、鳥肌が立つと……涙が込み上げてくる。気が付くと床に座り込み泣いている朱音。


「……グスッ……グスッ……グスッ……」


 泣いている朱音を心配したクラスメートが寄ってくる。


「だっ大丈夫か朱音?」


「具合悪いなら休んでろよな」


 クラスメートの励ましに朱音は……。


「だっ……大丈夫大丈夫。ちょっと悲しい事を思い出しちゃっただけだから……ははは」


(しかし、あのルシエルの哀しい歌声はいったい何だったのだろう?何かルシエルの過去と関係があるのだろうか?)

 そんな事を思いながら授業を終える。


 放課後になり、朱音を空翔がこっそりと呼び出して隠れて話をする。


「朱音ってピアノ上手なんだな。あんなに上手い演奏聴いたの母さん以来だったよ」


「本当ですよ。朱音さんの演奏、本当に素敵でしたよ」


「そりゃーどーも」


 大絶賛の空翔とルシエルに満更でもない様子の朱音。今度はルシエルへと焦点が向いた。


「それにルシエル。お前も歌が上手いんだな」


「いっいやーー私なんてまだまだですぅ……」


 照れているルシエルだが朱音も絶賛する。


「私もビックリしたよ。あんなに歌上手いなんて……なんか鳥肌立って私、泣いちゃったもん」


「ああ……それでさっき泣いてたのか。確かに俺もウルウル来てたし、朱音の気持ちも分かる気がするよ」


 ルシエルは本当に不思議な幽霊だ。幽霊の癖に泣いたり笑ったり感受性が豊かだし、色んな物に興味津々だし、なんか普通の人よりも人間らしさがある。


 ルシエルの過去がわかってあげられたらあの哀しい歌声の意味も少しは分かるのだろうか?そんな事を考えながら下校する朱音であった。


 そして翌日のある事件が起きる……朱音にとってはトラウマになりそうなぐらいの大事件だ。


 昼休みが終わる頃に突然、朱音は誰かに呼び出されて教室を出ていく。

 呼び出したのは隣のクラスのヤンキー木村(きむら)であった。この日、木村は何人かの舎弟と共に朱音を体育館裏に呼び出していた。


「今、昼休み中なんだけど、こんな時間に呼び出すなんて迷惑よ……私に何の用?」


 怒り気味の朱音であったがこの日の木村は違った。目に血が迸り、怒りの表情で迫ってきた。


「お前、最近転校してきた空翔って奴と仲が良いみたいじゃねぇか。俺達には冷たいのにイケメンには優しいのか?あん?」


「べっ……別に仲が良い訳じゃ無いわよ。それにアンタなんかに関係無いでしょ」


 朱音の言葉で怒りの頂点へと達する木村。


「関係大ありなんだよ。俺の愛する朱音ちゃんをあんなどこの馬の骨ともわからないヒョロヒョロヤローに取られたとあっちゃ俺様のプライドが許さねぇだろ」


「そんな事、私の知ったこっちゃないわよ。もう私行くから……」


 立ち去ろうとする朱音の腕を強引に掴む木村。


「痛っ……ちょっと放しなさいよぉー」


 木村は朱音を睨みつけながらドスの効いた声でこう言った。


「おい朱音。お前、俺の女になれよ」


「えっ?」


絶体絶命……朱音の運命や如何に……。



朱音の意外な才能にビックリ!Σ( ̄□ ̄;)

ルシエルの歌は過去と関係があるのかな(  ̄▽ ̄)

木村は強引で嫌い( ´Д`)朱音はどうなるんっしょうか?

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