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武器屋

忘れていた鎧を届けにくるファリアがいたとはつゆしらず、人気が離れたところで周りに人がいないことを確認するとさっそく転移魔法を唱える北嶺


「さっさと終わらせないとな、早く寝たいし」


そう言って北嶺はさっそく手を掲げると魔法を唱え始めるのであった


「時限の扉よ理を離れて我をいく場所へと導けワールドトランスポート」


北嶺がそう唱えるとなにもなかったところに扉の形をしたものがみるみるうちに現れていくのであった


「よし、行くか」


北嶺は頭の中で考えた場所を決めるとその扉の先へといくのであった


「うわっまた来たか!お主びっくりさせよって!」


扉を開いた先にはすでに夜遅くなっているため、肘をかけて眠りこけていたところを突然来た北嶺がなにもないところから唐突もなく来たので驚く人物がそこにはいた。


「すいません、驚かせちゃって」


北嶺はペコリと謝罪の言葉と軽く頭を傾けるのである。

ちなみになぜ、北嶺が先程の魔法を使ったかというとこの通いなれた店は一つのところにあるわけではなく、毎日ランダムに転移する店であるからだ。

それゆえに一般冒険者にとってこの店『クーデルスミス』は伝説級の店となっている。それゆえにこの武器の売っているものはレジェンド級の武器が揃っているのも相まって、この世界では一つの神話的な物までなっている。


「くる前にメールを寄越せとあれほど毎回いっておるじゃろうに、お前は毎回毎回話を聞かないやつじゃな!」


プンスカプンスカと煙をあげるようにして怒るドワーフ族のおっさん


「すいません……おやっさん」

「別にそんなに気にすんなってワシにとっちゃ大事なお客様だから次回から気を付けてくれればいい、で?ワシになんのようだ」

「あの武器のメンテと鎧のメンテをお願いしたいのですが」


それを北嶺がいうと、おやっさんことクーデルバルトは驚きを込めていうのであった


「おぉ珍しいな北嶺、いつもは自分でメンテをするというのに、ここにくるときはオーダーメイドとかを頼むのかとおもっとったぞ」

「まぁ、そうですよね普段は自分でメンテをするんですが今回ばかりはちょっと厳しくて」

「そうか、もしかしてお前さんまた新たな未踏破のダンジョンを見つけたな」

「アハハ……正解です」


長年付き合ってきた仲だからというのもあるのだろうかクーデルバルトはニヤリとしながら北嶺がなにをしようかということがすぐにわかっていたのであった。

北嶺は苦笑いを込めてそれに返す


「だろうと思ったぞ。まぁいいだろう、メンテをしてやろうじゃないか、ほれっさっそく装備を見してくれ」


クーデルバルトは手をひょいとひょいと動かして、北嶺に装備を見してくれるように促す


「あっはい、えっとえっとコマンドオープン」

「おっまたこやつの固有魔法を使ったな」


北嶺はそう唱えると装備欄にあるものからメンテをしてほしい装備を選んでチェックをいれて取り出すのである。しかし……


「あれ?おかしいなファリアの装備がないな」

「どうしたんじゃ北嶺?ほれっさっさと出さないか」


そう言われても装備欄をくまなくスクロールさせて見ても中々見つからないことに悩む北嶺は焦り始めて、悩み悩んだあげく


「うーん……すいませんクーデルバルトさん」

「なんじゃ」


北嶺は申し訳なさそうそうに眉を困り顔のようにして


「ファリアの分を忘れてしまいました」

「またか!今すぐ取ってこい北嶺、その間にお主のやつをメンテしておくから、早く帰ってこなきゃ装備を返してやらないからな!」

「あっはい!本当にすいませんでしたー」


北嶺は自分のやってしまったことを恨みながら、急いで固有魔法とは違う一度来たことのある(ただしこの世界で設定されてる都市やダンジョンなど)汎用魔法『ポートアゴー』を唱えて戻るのであった。


そのころ、時を同じくしてファリアは宿屋を出て北嶺を探しているのであった。


「人気がないところ……人気がないところもぉー北嶺様はすぐ固有魔法を使っていなくなるからひどいですむぅー」


と頬を膨らめてひとりでに怒るファリア、人気のないところを探してもいないので次の場所に向かおうとしたその時!


「貴様が北嶺とかいう男の仲間か……」

「びくっ!もぉーなんですかーぐはっ」


黒い外套に身をつつんだものがそう言うとファリアの腹を軽く殴るのであった。

ファリアは殴られた衝撃で地に伏すのであった


「あっ……貴方……達は……何者なっんです……か?」


ファリアは意識を朦朧とさせながら黒い外套に身をつつむ二人に問いかける。

しかし、ファリアに応えるまでもなく黒い結晶を取り出すと唱えてその声の主に判断を促すのであった


主人マスター、北嶺とかいう男の仲間の身柄を確保しました、どうしますか主人マスター

「そうだな、生きているのであれば、殺すのは惜しいから戦力にしたまえ」

「はい、わかりましたついでにあの男はどうしましょうか?」

「あの男か……フフフ、アイツは……」


声の主は不敵な笑みを浮かべてしばし沈黙するのである、ファリアはその言葉の続きがわかっていた


「殺せ」

「了解しました主人マスターこの役目この私が引き受けましょう」


(危ないこのままでは北嶺様が!)


このままでは黒い外套に身をつつんだ者たちに殺られる。ファリアは意識を絶え絶えになりながらも自分でできることを考え、無我夢中で魔法を唱えるのである


「この……草木に生い茂る大地よ……この我を守り……たまえ……」

「くそっ何をしている!ストラクタード」

「くそ!コイツまだ意識があったのか!真なる魔の手よ今ここに解放せし……」


ストラクタードと呼ばれた者が唱えた時にはもう遅かった、そのときには既にファリアの方が早く魔法が完成していたのであった。

そして、ファリアが固有魔法『インステンクションガーデン』を発動させると周りには一瞬にして草木が生い茂りファリアの体をその者らから守るようにして覆いつくすのであった

黒い外套に身をつつんだ者達はそれを回避するために後ずさる


「どうした何かあったのかゼクセルアーツ」


主人マスターは突然聞こえたその音に何かを感じたのかゼクセルアーツと呼ばれた者に尋ねる。

そして、ゼクセルアーツは周りを見るが既にファリアはそこには何事もなかったかのようにいなくなっていた


「すいません、主人マスター、あと一歩のところで取り逃してしまいました」

「そうか、フフフあの仲間もまさか固有魔法があったとは……」

主人マスター、この失敗は必ず成功という形で返します」

「そうか、期待しているぞゼクセルアーツ」

「はっ」


そう言い終わると黒い結晶石に現れていた光がやむのであった。


「ゼクセルアーツ様、主人マスターはなんと?ぐっ」


ゼクセルアーツはストラクタードの首筋に対して紫の閃光を放ちて剣先を向けるのであった。


「次、さっきの過ちを犯したらお前を殺すからな……いいな……」

「はっ……この失敗は……もう二度と……犯しません」


自分の命が奪われてしまう気を感じながら、己の心にもう二度と過ちを繰り返さないということを心に刻むのであった。


「いくぞ!まだアイツは近くにいる気配を感じる、なんとしても探し出すぞいいな!」

「はっ!」


黒い外套に身をつつんだ者らは北嶺とファリアに迫るのであった。


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