未踏破ダンジョンの帰り
「いやー食った食ったゲプ」
「おいおい、食べ過ぎだぞ、ファリア」
「いいじゃないですか、言葉以上の働きをしたから当然です!」
「まっ確かにそうだな実際、活躍してたしな」
ニッコリと笑うファリアその顔はとても幸せそうなのだとわかる。
そして、お腹を満腹にさせてファリアは北嶺の方の上に座って一休みをしているのであった。
それは山盛りの高級ケーキを食べるぐらいに今日は活躍していたのだ。
おかげでギルドで得た大金は今のでパーになったのだった。
「未踏破のダンジョンであれだけ稼いだのにな……はぁー」
せめてこう言う金に使うのなら装備代とかもっとマシな方法で使えばよかったがまさか好きなだけ食べていいと言われてあんだけの袋一杯の大金を使うほどとは思いもしなかったからだ。
「まっ明日も行けばいいじゃないですか」
「まっ確かにそうだけどな……」
「今日は疲れましたふわぁぁ眠い、とりあえず宿屋に泊まりたいですねぇ〜」
「まぁそうだなとりあえず今日のところはいつもの宿屋に泊まって休もうか」
「そうですね……zzz」
「寝てしまったよ」
まぁあれだけ頑張ったし当然か……。
北嶺はファリアの頭を軽く撫でると通い慣れた宿屋に向かうのであった。
「ほっ」
ついでに彼は予備のお金が入った袋を持っていてよかったと安堵していた。
「あらおかえりなさい北嶺さん」
「あっいつもお世話になってますロザリアさん」
「いえいえ毎回泊まっていただきこちらも嬉しい限りです」
扉を開けると早速のいつもの温かい出迎えが北嶺達一行を待っているのであった。
北嶺もいつも通りの感謝の挨拶をする。
通い慣れているせいなのと、何よりも彼女ロザリアさんの美しさに疲れた体がどんな回復魔法よりも癒されるからだ。
「で、今日も一泊ここで泊まりたいのですがいいですか?」
「あっもちろんです、えっといつもの部屋の鍵ですねはい、どうぞ」
「ありがとうございます」
そう言って北嶺は泊まり慣れた宿屋の部屋に向かって部屋の中に入ると早速
「はぁー疲れたぁー」
装備は身につけたままそのままベッドにダイブするのであった。
北嶺も猫妖精と同じく未踏破の探索で疲れたがたまっていたのか入るなり横になってしまう。
そのせいで汚れてしまうがお手伝い妖精であるファリアがやってくれるだろうということで心おきなくダイブするのであった。ところが
「むにゃー!」
「あっ」
北嶺はすっかりファリアが自分の横で眠っていたことを忘れていたのだった。
ファリアは北嶺の肩から落ちると心臓に悪かったのか胸を押さえて
「もうなんで起こしてくれなかったんですかー!ひどいじゃないですか北嶺さん!」
プンプンと漫画でいう怒りに使われるのが出そうな感じで北嶺に怒っているのであった。
「ごめんファリアすっかり忘れていたよ、またケーキ奢ってやるからさ」
また同じように北嶺は謝罪のポーズをとってみせるが
「無理です、女の子は物につられるものだとは思わないでくださいね北嶺さん」
「だめかー」
どうやら女の子には通用しないということを今更になって痛感する北嶺。
「でも、よっぽど疲れていたんですね北嶺様」
「まー確かに俺でも久しぶりにあんなにヒヤヒヤしたのはあれ以来だったな」
アレ以来というのは魔王を討伐した以来ということで、現在この世界には魔王というものはいない世界で現在は平和が保たれているのである。
北嶺はあの時、注目の的になっていたため、あの時はあれやこれやで大変だったことを覚えている。
しかし、今はほそぼりもおさまりこうして未踏破のダンジョン探しを探して攻略するのが北嶺と猫妖精のファリアで旅をするのが日課なっている。
現在はここを拠点にしている。
なぜ、家を買わないのかというと北嶺は家事ができないもあるし泊まり慣れているし何しろ落ち着くからであるらしかった。
まぁ別の理由もそこにはあるのだが……
「あのー昔を懐かしむよりも先にシーツ汚れてので洗濯しましょうか北嶺様」
「ああーごめんごめんぼぉーとしてた頼むファリア」
「いえいえお手伝い妖精であるファリアの仕事の一つでもありますのでお構いなくー北嶺様、明日も未踏破のダンジョン明日こそは攻略しましょうね」
「だな、そんじゃ武器の手入れをしてもらいに行ってくる」
「えっなんでですか?いつもは北嶺様お一人で手入れをしてるのに」
「いや、これじゃ全然だめなんだよな、しかも俺ぐらいのスペックを持っていてもあのダンジョン、気を抜かない方がいいと思ったからなしかも俺よりもその道を行くプロにお願いした方が楽だしな」
「そういうものなのですか?」
「そういうものだ」
北嶺はそうだと顎を動かして話す
「あっちなみに鎧のメンテもしてもらうから、ファリアはどうする?」
それを言うと、ファリアは引いたような目で後ずさりをする
「げっもしかして、今頃になって鎧フェチときましたかゲゲゲ」
「どこかだよ!全然そういうのじゃないからなファリア」
「そうですか……ほっ」
「どんだけファリアは被害妄想をしてたんだよ」
「被害妄想じゃないですよこれは正当な危機管理能力ですぅー北嶺様!」
とプンプンと自分が正しいことを主張しているファリアにため息がでる。
いやらしさを含めて行ったわけじゃないのにと、北嶺は軽く不満を覚えるのである。
まぁファリアは妖精だから年は上だと思うが妖精界からしたら年頃の女の子らしいから仕方ないのだということで納得することにした。
「まぁファリア別にメンテをしないままでもいいならもう行くけど」
「お願いします、ちょっと魔法を唱えるので見ないでくださいね」
「別に長年いるから……」
「それでもです!」
「はい……」
またしても北嶺はファリアに言われて後ろを向くことにした。
なぜなのだろうと思ったがまぁ装備を変えるのは自分が服を着替える時と同じなのだろうと思うのだと北嶺はそう思うのであった。
「モーションセレクト」
同じようにしかし、違う呪文の言葉を唱えるとまた同じようにとはいかず代わりに軽快な効果音をかなでるのが連続で聞こえたのちそれがやむと
「おっ終わりました……北嶺様」
「おっ終わったか」
後ろを向くとちょっと顔を赤らめて北嶺に自分の装備を渡すのである
見ればボロボロになった装備がそこにあった。
「ボロボロじゃないか!」
北嶺は驚きの声を上げる
「あっあのほっ本当は北嶺様がお疲れだったようなので、寝静まった後に迷惑をかけないようにしたかったのですが」
どうやら、ファリアは自分のことよりも北嶺の様子からしてそれを気づかってそういうふざけた(多分ふざけていた)対応を取っていたらしいのだった。
「別に迷惑じゃないよ」
「本当にいいんですか!」
怒られると思っていたのか代わりに驚きの声を上げるファリア。
無論、元から怒る根拠などあるにはあったがそんなので怒っていたら長年の仲だから仕方ないものだという結論に至ったからだ。
「だってこれからもやっていくわけだし、別に迷惑じゃないよ実際俺もファリアのこと頼ってるし」
「北嶺様……」
そんなものは当たり前だと言う北嶺にちょっと頬を赤らめているファリア。
はっと我に返ってファリアは大慌てで自分が思っていたことを恥ずかしくなったのか
「べっ別に北嶺様が好きだからとかでボーとしてたわっわけじゃないですからねーこっこの変態!」
「まるっきり後半何言ってるかわからなかったよあははは……」
おちょくられた感がしたのかさらに慌てるファリアは物を掴んで北嶺目掛けて投げるのであった
「もう早く出て言ってくださいとにかく私が部屋を綺麗にしますから早くいつもの武器屋に行ってきてくださーい」
「うわわわ、というか物を投げないでくれー!」
北嶺は急いで外をでていつもの武器屋に向かうことにしたのだった。
しばらくして北嶺がいなくなったことを確認したファリアは
「もうからかわないでくださいよ……でも好きです北嶺様」
そんな仲間思いの北嶺にお手伝い妖精でありながらちょっと見直したファリアがいたのだった。
「それじゃあお掃除がんばるぞーあっ!」
どうやら、北嶺は慌てて行ってしまったのかファリアの装備を忘れているのであった。
「もう北嶺様ったら、届けて上げなきゃ」
ファリアはまだ北嶺はまだ近くにいるのだということを予測して急いで外に出るのであった。
「おいアイツが我々の領域に入った北嶺とかいう仲間の一人か?」
壁に隠れて黒い外套に身を包んだ一人が言う
「そうですね、我々の領域に備えていた映像式結晶でみる限り間違いありません」
もう一人がそう答える
「そうか、破壊されていた映像には間違いないのだな」
「はい、まさしくその通りかと。ですが、今のところはまだ監視するのみでいいのでは?まだ敵の戦力は未だ未知数ですので継続が一番かと」
一人がそう提案するがもう一人の黒い外套に身を包んだ者が否定するのであった
「わからないだが、それでは駄目だと思う、取り敢えずあの方の意思を聞かねばなるまい」
そう言うと外套の中から黒い結晶石を取り出して発動式を唱えると
「例のものは見つかったか」
「はい見つかりました、正確にはその襲撃者の仲間かと思われます、どうしますか主人」
しばらくの沈黙が広がるそして主人と呼ばれた者が命じるそれは
「今後我々にとって脅威になる可能性が高い、見つけ次第殺せもしくはそうだな……」
「……」
「可能ならば生け捕りにして我々の戦力化にしろ期待してるぞ」
「はい、了解しました主人我々が全力で任務を果たします」
通信が切れる、そして、黒い外套に身を包んだ者がもう一人の方に向かって言う
「それじゃいくぞ」
「はっ!ちなみに応援は」
「応援は不要だ我々二人で果たすぞ」
「了解しましたゼクセルアーツ様」
そして、二人の魔の手が迫り来ることにファリアはそして北嶺でさえ知る由もなかった。
一人の仮面には不気味な笑みを伴った表情を添えて、また、一人の仮面には感情に伴わない表情を添えて




