追放
心剣聖式が終わってから僕達はすぐに家に帰ってきた
そして今僕の目の前に家族全員集められている
妹、弟、姉、母さん、父さん
みんな僕を見ている
「シロお前はこの家の恥さらしだ」
父さんがしゃべり始める
みんな何が起きたか聞いていたみたいだ
ただゴミを見るような目で僕を見ている
すこし前まで僕の後ろをついてきた弟もあんなに優しかった姉や母さんも今はただ僕を冷たく見ている
妹はまだ幼くて何がなんだかわかっていない様子だ
「シロお前に選択肢をやるこの家を出るか、この家から外に出ずに一生暮らすか」
「僕にもう一度チャンスをください、必ず強くなりますから、お願いします」
答えた瞬間に腹に衝撃がきた
「ぐぁ」
蹴られたのだ
「お前は強くなれないんだよ それとも自分の力を試すか?」
父さんは心剣を取り出して聞いてくる
あの目は本気の目だ
「ぼ、僕は今まで通りみんなと一緒にいたい」
涙を流しながら僕は言う
父さんはそんな僕に短くこう言った
「お前にその権利はない」
そしてまた蹴られた
「どうしてですか?僕は今まで迷惑をかけずに良い子にしていましたのに」
心からの叫びにも短くこう言われた
「出来損ないだから」
その瞬間に僕は濁ったのを感じた 怒りでも悲しさでもない まるで心に穴が空いたみたいだ
「わかりました 今までありがとうございました」
無表情で涙を流しながら僕はこう言った
「お前は今からただのシロだいいな?」
「はい」
そう言って僕は家を出た