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たとえ悪の組織と呼ばれても。  作者: 海野 絃
時富宗元という男。
2/5

第2話

 そもそも俺は地球人ではない。言うなれば、そう…地球人に擬態している異星人である。そして、地球には俺のような異星人が多数潜伏している。

「今日って何の日か知ってるか?」

「いえ、祝日でしたっけ?」

「そういうことでもないらしいのだが…」

 俺達はペルッコ星から来た。故に、俺達的には人間とはペルッコ星人のことを指していたのだが…今ではただの異星人というわけだ。

「まぁいいか。仕事だ仕事」


 では、なぜペルッコ星人が地球に来たのか。


 答えは極めて単純である。

 ペルッコ星で必要不可欠とされるエネルギー資源のポルポ鉱石が地球にたくさんあるから、勝手に掘り起こして持ち帰ろうってな具合だ。そのためなら…

「命令…来ました!」

「行くぞ」

 ちょっとばかし手荒な手段も辞さない。俺の仕事は主にそれだ。


「奴さんも武器持ってるから油断はすんなよ」

「「了解!」」

 俺はテロ組織から横流しを受けた小銃を抱えて、部下7人の先頭に立ち、草木生い茂る森を駆け抜ける。森を抜けると、高いフェンスに囲まれたとある研究所が見えてきた。距離、ざっと50mといったところか。

「佐伯!」

 俺は真後ろをついてきていた佐伯次郎に道を開けると、佐伯はその場で右肩に乗せた携帯擲弾発射器を撃…

「アホ!後方確認せんかい!」

 …った。物凄い音と同時に携帯擲弾発射器の後方からは人を簡単に殺せるほどの高温ガスが高速で噴出される。そこには志木達夫という別の部下がいたのだが、彼はその後方爆風が来ることに気がつき、発射前に悪態をつきつつ真横に飛んだ。

「こんのデカブツ!わしを殺すつもりか!おぉ?」

 志木は地面に横になったまま後方確認を怠った佐伯の丸太のような脚を蹴る。すると佐伯は前方を指さし、特別気にした様子もなく志木を見下ろす。

「フェンス、吹っ飛んだ」

 後方爆風が直撃した場合、ほぼ即死だ。だから撃つ時は後方確認をする必要があったのだが…

「志木、いつまで寝てる。行くぞ。時間が惜しい。あと、佐伯は…覚悟しておけ」

 俺は志木を放置して研究所に向かって走り出す。俺達を遮っていたフェンスは擲弾の直撃で吹っ飛んでおり、俺達はそこから敷地に突入する。

「建物を占拠する!1人として生かすなよ!」

 この研究所は日本政府が秘密裏にポルポ鉱石の研究を行なっている施設の1つらしい。俺達の首脳陣はそこにある研究データをご所望のようだ。

 爆音を聞きつけた警備員達が建物から飛び出してくる。その手には俺達と似たような武器があった。

「おいおい日本だろ…銃刀法どうなってんだ」

 俺は走りながら銃口を彼らに向け、適当に引き金を引いた。

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